沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 1月号

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編集後記

新年あけましておめでとうございます。

今年は卯年という事です。いつの時代も困難の尽きる事もなく、次から次へと様々な問題が 生じてきます。いつまでもシャキッとしないこ の国の政治に、もうどうでも良いという諦めの 雰囲気がこの国全体を覆っているようです。怒 りが渦巻いているのならまだ良くなる兆しがあ ろうと思えますが、この無関心が渦巻く社会に 再生の可能性があるのか。この閉塞感を打破す る為には何が必要なのでしょうか。

さて、新春号の年頭所感は宮城信雄会長と原 中日本医師会会長に書いて頂きました。混沌と した社会情勢に対して県医師会、日本医師会は どう対応すべきか、難しい判断が必要ですね。 その中でも原中会長の言葉にある、勤務医と開 業医を分断し対立の構図に仕立て上げ、その間 隙をぬって社会保障費を切り詰めようとする官 僚の世論誘導に負けない発言力が要求される時 代だと思います。第123 回日本医師会臨時代議 員会報告は玉城副会長に書いて頂きました。医 療ツーリズムは沖縄県においては観光産業との 結びつきがあり、日医の慎重な姿勢とは若干ス タンスが違ってきそうです。今後市場原理導入 などの足がかりにならないようじっくり腰を据 えてかかりたいものです。九州医師会連合会第 314 回常任委員会報告は宮城会長に書いて頂き ました。支払基金の支部間格差が査定件数で 3.5 倍、査定点数率で3.6 倍とは驚きました。同 じ診療をしていてもこんなに差があるのでは困 ります。審査に関してはコンピューター審査の 議論が始まっているようですが、再審査、再々 審査の時などは結局人間の目を通さなくてはな らず、地域格差の是正には課題が多いようで す。また、国民皆保険を堅持するための雇用環 境の是正に関しても議論があったようで、これ は非正規雇用環境の急激な膨張により保険料を支払えない世帯が増加しているという報告で す。まさに国民皆保険はその根幹部分から揺さ ぶられている事を感じます。日医が国民生活に 対してしっかり目を向けていることを知りとて も心強く思いました。第110 回九州医師会総 会・医学会及び関連行事では、安里常任理事、 大山常任理事、稲田常任理事、平安理事の印象 記も現場の雰囲気がよく伝わってきます。日本 臨床整形外科自賠責・労災担当者会議報告は 労災部会長の久場長毅先生に書いて頂きまし た。労災症例の扱い、症状固定の判断規準など 大変勉強になりました。生涯教育コーナーは県 立南部医療センター・こども医療センターの我 那覇文清先生にご執筆頂きました。肝細胞癌の 治療方針が肝障害度、腫瘍数、腫瘍径によって 手術、穿刺局所療法、肝動脈塞栓療法などの的 確な治療法が選択されている事がわかりまし た。アンギオをしながらCT を撮影できるとい うIVR ーCT システムは画期的なシステムです ね。プライマリ・ケアコーナーは豆の木クリニ ックの吉原邦男先生に書いて頂きました。CKD というと透析の事が直ぐに頭に浮かびますが、 実際には様々な病態が生じうるのだと知りまし た。ロゴマークは語るでは光クリニックの金城 光世先生に書いて頂きました。内視鏡と光をう まくミックスしたかわいらしいロゴですね。今 回は新春という事で、今年めでたく年男、年女 になられた先生方に新春干支随筆を書いて頂き ました。卯年の先生方は皆さん元気、そしてユ ニークですね。沖縄県医師会報もウサギの様に 元気に跳ね回っていきましょう。ウサギは寂し がり屋ですので、会員の皆様、今年もなにとぞ よろしくご寵愛下さい。

広報委員 玉井修

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