沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 1月号

前のページ | 目次 | 次のページへ

年頭所感

宮城信雄

会長 宮城 信雄

平成23 年の新春を迎えるにあたり、会員の 皆様に謹んで新年のお喜びを申し上げます。

長年続いた自民党政権から国民の期待を一身 に受けて民主党への政権交代が行われました。 普天間移設問題、政治と金の問題で鳩山政権は 迷走を続けわずか数カ月で崩壊し菅政権へ交代 しました。菅総理も鳩山総理と同様にリーダー シップを発揮出来ずに迷走し内閣支持率も急低 下してきています。昨年の参議員選挙では中央 と沖縄で捩れが生じ日本医師連盟の推薦、支持 の三候補者が揃って落選をしてしまいました。 意思統一を図って一人の候補者を当選させるこ とが大事だと痛感をしました。しかし参議院で は野党が多数を占め政権交代時とは逆のねじれ が生じ予算以外の法案が通らない事態が再出現 しております。尖閣諸島や北方領土、北朝鮮問 題が勃発し国の決断が迫られる状況にあり、こ の国の行く末が心配になってきております。

医療費をOECD 加盟国並みに引き上げると マニフェストに掲げ医療界へ期待をいだかせた 民主党でしたが、昨年の診療報酬改定ではわず か0.19 %のアップで診療所から大病院へシフ トしただけの改訂でした。地域の医療崩壊を食 い止めるには程遠いと言わざるをえません。社 会保障は平時の安全保障です。社会保障の安定 的な財源確保のためにも本格的な消費税論議を すすめ税率引き上げを真正面から国民に訴えか ける必要があります。

昨年4 月に選出された原中日医執行部は政権 政党との連携が取れるようになり、厚生労働省 との意思疎通もスムースに行くようになってき ております。日本医師会は公的医療保険を4 段 階に分け順次統合し2025 年以降に各制度を一 本化することを柱とした、「国民の安心を約束 する医療保険制度」公表しました。国はこの提 言を真摯に受け止め実現のための政策をすすめ るべきです。

沖縄県においては地域医療再生基金を用いた 「中・北部医療圏糖尿病連携事業」は地域連携 クリティカルパスの作成等着々と準備がすすめ られております。この事業も全県的に実施出来 るように取り組む必要があります。医師や医療 従事者の研修のための「クリニカルシミレーシ ョンセンター」は県医師会、県行政、琉大医学 部と緊密な連携を図り設計図も出来上がり実現 する運びとなっております。全国的にも注目さ れている事業です。

普天間移設問題で全国から注目されていた沖 縄県知事に医師連盟を中心とした医療11 団体 等から推薦を受けた仲井眞弘多氏が二期目の当 選を果たしました。仲井眞氏の保健・医療・福 祉の政策公約は各地区医師連盟から提言された ものを沖縄県医師連盟がまとめて公約にかかげ てあります。県立病院の経営改善のための独立 行政法人化問題や浦添看護学校民間移譲も決着 するものと思われます。仲井眞県政と沖縄県医 師会の連携は今まで以上に強固になるものと思 われます。

平成23 年卯年が会員の皆さまにとって希望 に満ちた一年となりますよう心から祈念して私 の念頭の挨拶と致します。

前のページ | 目次 | 次のページへ