沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 12月号

台中市医師公会・沖縄県医師会
懇談会並びに懇親会

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

稲冨洋明前会長の時に県医師会と台中市医 師公会との姉妹会締結に始まったこの交流会は すでに7 年目を迎えています。あの当時、 SARS 感染症で世界的な恐怖に陥っていた時 期で、私は感染症担当理事として県福祉保健部 の先生方と一緒に台中市2 泊3 日のSARS 視 察・世界ウイルス学会に同行しました。台中市 でもSARS 発生報告がありましたので、その 情報をインターネットで県医師会とで交換でき るように、私は2 日目に台北から台中市へと別 行動をとり、台中市医師公会会館を訪問したこ とを思い出します。その3 ヵ月後に台中市医師 公会との姉妹会締結式が行われました。それ以 降、交互に訪問を継続しております。お互いの 医師会長が代わっても継続することは素晴らし いことです。

去る10 月15 日から17 日にかけて、台中市 医師公会の高大成理事長一行17 名が沖縄に訪 れました。台湾では一般診療時間は夜の9 時 〜 10 時まで行っているとの事で、そのエネル ギーにはびっくりさせられます。国家医療予 算はキャップ制で、年間の医療予算を年度内 に使い切るとあとは、医療費の請求が出来な くなるとの事です。フランスやドイツと似てい ます。

16 日には県医師会館を見学して頂き、その 後3 階のホールにおいて懇談会を開催し、県医 師会館建設から費用負担のあり方などをプレゼ ンテーションしましたが、台中市医師公会でも 会館の移転問題があるようで、詳細に質問があ りました。通訳を通してですが・・・

懇談会終了後、会場を変えて都ホテルにおい て懇親会を開催いたしました。

高大成理事長は感極まって涙を流しながら挨 拶されたのが印象的でした。日本語で流暢に話しをしていました。

挨 拶

沖縄県医師会長 宮城信雄

宮城信雄

皆さん、今晩は。本 日は、「台中市医師公会 と沖縄県医師会懇親会」 を開催いたしましたと ころお忙しい中ご出席 いただき、ありがとう ございました。

台中市医師公会の皆様には今回3 回目の沖縄 訪問になりますが、高理事長はじめ関係役員の 皆様には、遥々ご来沖いただいたことを感謝申 し上げると共に心より歓迎致します。

また、先ほど開催された懇談会の中では「沖 縄県医師会館建設に関する概要」が説明されて おりますが、2008 年12 月に開催した沖縄県医 師会館落成式の際には、台中市医師公会より会 員の皆様を代表して高理事長にご出席いただ き、落成式に錦上華を添えていただきましたこ とを厚く御礼申しあげます。

お蔭様を持ちまして、現在会館は順調に運営 され、会員並びに本県における医師の活動拠点 として地域医療の充実に貢献しております。

さて、我が国では、昨年民主党政権が歴史的 な政権交代を果たしております。

新内閣では、政権交代の原点に立ち返り、政 策を官邸主導、政治主導で実現することを目指 し、「経済、財政、社会保障の一体的立て直し に誠心誠意取り組む」ことを基本方針にしてお ります。

しかしながら、民主党政権はこれまでも政治 主導の改革を第一に掲げ、財政再建や社会保障 の削減の見直しの政策を進め、本年度から実施 された診療報酬改定では10 年ぶりのプラス改 定にはなりましたが、医療現場の疲弊を解消す るには程遠い改定内容となっています。現状を 改善し国民へ安心・安全な医療を提供するため には、更に財源の確保に努め国民皆保険制度の 充実・強化を図っていく必要があり、今後の新 内閣に期待するものであります。

昨今の医療界における問題として、昨年メキ シコで発生した新型インフルエンザは、瞬く間 に世界中に広がり、国内におけるワクチンの供 給体制、接種のあり方に関する問題をはじめ、 各国の支援体制や連携の在り方等多くの課題を 残しております。また、俄かな問題として、我 が国では患者から抗生物質が効かない多剤耐性 大腸菌が相次いで検出され早急な対策が求めら れています。これは外国で検査や治療を受ける 「医療ツーリズム」が感染拡大にも起因してい ると見られており、各国においても安全な医療 を提供するためその体制づくりが求められるよ うな現況にあります。

今般、このような状況の中で台中市医師公会 の皆様と相互に医療の交流が図れることは誠に 意義深いものであり、お互いの医療状況や医療 提供体制の今後の在り方に大いに貢献するもの と考えております。

台中市医師公会の益々のご発展並びにご参会 の皆様方のご健勝ご多幸を祈念してご挨拶とい たします。

台中医師会理事長 高 大成

高大成

沖縄医師会の皆様今 晩は。本日は宮城会長 をはじめ沖縄県医師会 役員並びに御夫人の皆 様、また関係の皆様方 に再会でき大変うれし く思いますと共にお忙 しい中懇親会にご参加いただき、大変な歓迎を 賜り厚くお礼申し上げます。

また今回の姉妹会開催に際し沖縄医師会の皆 様に多大なご迷惑をお掛けし心よりお詫び申し 上げますと共に本日こころよく迎えてください ました事厚く感謝申し上げます。

今回の勉強会におきましては、昨年落成され ました医師会館を見学、また落成までの経過を 説明していただきありがとうございました。新 医師会館全体がIT 化され、高度な医療に対応 出来る機能的な設備が備え作られ、落成までの 長い年月に多くの方の努力・犠牲の上に成り立 っている事が良く分かりました。皆様の医療へ の情熱・向上心が活力ある医師会につながって いると思います。

さて現在の医療界におきましては、政治・経 済による影響は大きく長引く不況に対する政 府・行政の対応も遅く、いつでも・どこでも平 等に受けられる医療体制がくずれ、医療の向 上・進歩の妨げになっています。更に昨年発生 した新型インフルエンザまた今年においては異 常気象による熱中症など国民の生命を脅かす新 たな医療問題が山積しています。

台湾においても日本同様、政府の医療への財政は厳しく新たな第二健康保険制度が考案され ていますが、更に国民・医療関係者の負担が多 くなる内容になっています。

これからはわが国のみならず他国とも連帯を 取りながら、行政や国にも最も望ましい医療体 制の有るべき姿を提言する事が私達医師会の懸 命であり、今後も相互の交流を通して、医学・ 医療の情報交換をし、共に医療の進歩・発展の 為にまた住民の健康・福祉の増進に貢献出来る 様に務めて行きたいと思います。

本日は多くの方々にご参加いただきありがと うございました。

最後に沖縄県医師会のご発展と皆様のご健勝 を記念いたしましてご挨拶といたします。

祝 辞

沖縄県福祉保健部長 奥村啓子
(代読 保健衛生統括監 宮里達也)

宮里達也

本日、台中市医師公 会・沖縄県医師会懇親 会が開催されるに当た り、ごあいさつを申し 上げます。

来沖されました、高 大成理事長をはじめと する台中市医師公会の関係者の皆様を心から歓 迎申し上げます。

台中市医師公会におかれましては、1945 年 の創立以来、台湾における医療制度の制定、公 衆衛生、医療環境の改善等に努められ、台湾政 府、市民から高い支持と信頼を得ておられると 伺っております。

台湾と沖縄県は、これまで歴史的に深い繋が りがあり、気候風土や風俗習慣も類似点が数多 くあります。

また、2 0 0 3 年に台湾における新型肺炎 SARS の取り組み状況視察のため、医師等を派 遣した際は、貴重な情報提供をいただき感謝申 し上げます。

このような中、2004 年に調印された台中市 医師公会と沖縄県医師会との姉妹会結盟は時機 を得た誠に意義深いことだと考えております。 また、沖縄には台湾の大学医学部出身の医師が 多数活躍しております。

今後の保健医療をはじめとする各分野におい て、より一層の交流が図られることにより、そ れぞれの地域及び団体相互の発展に寄与するも のと期待しております。

沖縄県におきましては、県民全てが生き生き と安心して暮らせる、潤いと安らぎのある長寿 県沖縄の実現に向けて医療・保健に関連する諸 施策の推進に努めてまいりたいと考えておりま すので、今後とも皆様の御支援、御協力をお願 い申し上げます。

結びに、台中市医師公会と沖縄県医師会のま すますの御発展と御出席の皆様の御健勝と御活 躍を祈念申し上げ、ごあいさつとします。

乾 杯

稲冨洋明 前会長

稲冨洋明

2004 年の2 月に姉妹 会を締結して早くも6 年が経過しております。 その間、医療情報の提 供や親善交流等で相互 の発展に寄与しており ます。長引く不況の中、 医療界も厳しい冬の時代に入ったままですが、 お互いに英知を結集して頑張っていきたいと思 っております。今宵は大いに飲んで語って食べ て楽しい一時になりますことを心から祈念して おります。