理事 金城 忠雄
平成22 年8 月9 日(月)開催された標記協 議会について報告する。
沖縄県医師会は、今後の地域産業保健センタ ー事業に関して平成22 年2 月18 日各地区医師 会産業保健センター担当理事連絡協議会を開催 した。各地区医師会担当理事の「産業保健セン ター事業は重要である」との強い要望があっ た。厳しい活動状況ではあるが、沖縄県医師会 は平成22 度から新規事業として「国からの委 託事業に企画競争入札の形式」で受託団体とな ることを決定した。
表1
沖縄県地域産業保健センター事業
1.概要
産業医選任義務のない50 人未満の事業所及 び労働者の産業保健サービスを充実させること を目的としている。これまで5 か所の地域産業 保健センター事業を県単位に1 か所に集約する ことになった。沖縄労働局から約3,700 万円の 予算の企画競争入札による委託事業である。
2.コーディネーターの確保
沖縄労働局の指導によると、地域産業保健セ ンター事業を円滑に運営するには、労働基準監 督署、各種事業団体、労働衛生機関との連絡調 整等を行う各労働基準監督署管轄区を担当する コーディネーターを置くこと。そのうえに、事 業を管理運営する県医師会には、統括コーディ ネーターが必要であり、統括コーディネーター は、地域産業保健センターを担当するコーディ ネーターと併任できるとしている。
初代統括コーディネーターは、那覇地域産業 保健センターの翁長英好コーディネーターが担 当することになった。
翁長英好統括コーディネーターの司会で運営 協議会を進めた。
議 題
1.沖縄県地域産業保健センターの運営につ いて
沖縄県地域産業保健センター事業の統括事務 局として、県医師会内に置き、那覇南部、中 部、北部、宮古、八重山地域の5 か所で構成さ れている。
離島を含むため平成22 年度委託事業実施計画に基づく運用が困難と思われたので以下の取 り組みを実施している。
新規事業のため「内規」作成から取り組んで いる。
1.謝金、旅費等の活動資金の送金に関する内 規の作成。
地域産業保健センター事業の受託者変更によ り、従来の郡市区医師会の事業を継続するに は、謝金、旅費、庁費等の活動資金を遅滞なく 送金できる仕組みを構築することが重要である と判断し、送金に関するルール及び各種様式を 作成した。
2.沖縄地域産業保健センターの規定の作成
今後運用するために、コーディネーター5 人・局長・課長・会計担当が協議し、内規作成 し運用の基準とした。
3.沖縄県の産業医活動と講演活動のアンケー トを取り情報を共有できた。
産業医の嘱託と講演活動の状況、今後の取り 組みについてアンケートをとり情報の交換がで きるようにした。
嘱託産業医の情報を把握することにより企業 と産業医との契約をスムーズに行えるよう環境 を整えた。
1 企業で3 地域(北部・中部・那覇)にまた がる事業場との契約も出来るようになった。
2.平成22 年度沖縄県地域産業保健センター 実施計画について
全体として、予算は微増ではあるが、活動箇 所が増えたので予算の調整と活動回数、活動時 間の調整を行った。
今年度の予算の配分は判断が難しかったこと から、次年度の予算配分は、今年度の実績に基 づいて実施していきたい。
沖縄県地域産業保健センターのリーフレット の作成しホームページで公開した。ホームペー ジの管理・運営を宮古地域の松尾コーディネー ターが行い、随時内容を更新している。次のよ うなリーフレットを作成した。
3.その他、意見交換
地域産業保健事業が、沖縄県医師会に統一さ れたことは今後の活動を考慮すると良かったの ではないか。
沖縄労働局労働基準部 與那嶺茂良安全衛 生課長の報告
(産業医研修連絡協議会にも同様な趣旨の報 告をした)
定期健康健診で、血中脂質や肝機能などの有 所見率は、全国平均が5 2 . 3 % に対して 62.44 %である。
業種別では、運輸交通業が78.15 %(全国平均 60.67 %)、製造業・建設業が69.34 %である。
「食生活や運動、飲酒量、喫煙など日頃の生 活習慣が有所見率の高さと密接に係わっている と思われる」と推測している。
血圧、血中脂質、血糖、などの数値改善に向 け、企業側の取り組みを促すための3 年計画を 策定している。
その他、過重労働による健康障害防止及びメ ンタルヘルスに係わる面接、事業者、人事労務 管理者対する指導・助言等も図っていく計画で ある。
以上、地域産業保健センター事業は、沖縄県 医師会が「国からの委託事業として企画競争入 札の形式で受託した新規事業」につき、第1 回 の地域産業保健センター運営協議会を開催した ので、今後の実施計画等その概要を報告した。