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第192 回沖縄県医師会臨時代議員会
−平成21 年度会務報告・諸決算を承認−

去る6 月24 日(木)、午後7 時30 分より本 会館において第192 回臨時代議員会が開催さ れた。

はじめに新垣善一議長より定数の確認が行わ れ、定数59 名に対し、39 名が出席し定款34 条に定める過半数に達しており、本代議員会は 有効に成立する旨宣言された。

続いて、宮城会長より次のとおり挨拶があ った。

沖縄県医師会会長挨拶

○宮城会長

宮城会長

皆さん、こんばんは。 本日は、第192 回臨時 代議員会を開催し、平 成21 年度の会務、諸決 算などについてご審議 していただくことにな っております。日常診 療で非常にお疲れのところ、多数の代議員に ご出席をいただきまして、厚く御礼を申し上 げます。

お陰を持ちまして、平成21 年度の会務も代 議員の諸先生方、会員各位のご協力により予定 いたしておりました諸事業も滞りなく推進する ことができました。

特に、昨年度は、メキシコで初めて新型のイ ンフルエンザの感染者が確認されて以来、全世 界的に流行が拡大をして感染が広がってきてお りました。本県でも8 月から流行が始まり、推 定患者が22 万人ということになっております が、残念ながら8 月15 日に日本で初めての死 亡者が本県の透析患者から出ました。しかし、 推定患者、感染者が22 万人という中で、その 後お2 人の方が亡くなり、合計3 人の方が亡く なったんですが、これは死亡率から言うと非常 に少ないということになっております。3 人で 抑えられたということですが、そのことについ ては感染が始まった頃、いろいろ問題が起こっ たんですが、県行政、県医師会、各地区医師 会、それからいろんな医療関係団体が協力をし 合って、その流行を食い止めております。沖縄 県は他府県と違いまして、第二波の流行も同時 に起こったということになっております。

先日、九州各県保健医療福祉主管部長と九州 各県医師会長合同会議がありましたが、その中 でも沖縄の対応が評価をされて、沖縄を参考に したいという発言もみられております。改めて 皆様方のご協力に対して感謝申し上げたいと思 います。

さて、昨年の総選挙で民主党が圧倒的な勝利 を収めて、鳩山政権が誕生しましたが、わずか 9 カ月で政権が変わりました。普天間の問題、 それから、政治とおカネの問題等がありました が、菅直人総理に代わっております。表紙を変 えたということですが、V 字カーブで支持率が 上昇し、すぐ選挙になってしまっております。 国会の中でほとんど菅総理の方針を発表せずに 支持率が高い状態で選挙に突入ということで、 いろんな批判があります。

ただ、菅総理というのは、就任に際して「強 い経済、強い財政、強い社会保障」というのを 一体的に形成していくということを表明してお りますし、「国民の不安を解消するための医療、 介護、子育て、雇用政策の充実」というのは新 たな雇用、新たな消費を生み出し、経済成長に つながるということを強調しております。

しかしながら、去る18 日に閣議決定されま した政府の新成長戦略においては、混合診療の 全面解禁につながる医療ツーリズムというもの や、あるいは特定医療機関での未承認薬の保険 外併用拡大など、規制緩和が盛り込まれており ます。昨日、日本医師会も記者会見において、 その点については非常に懸念を示しております。

菅新総理になりましたので、国民の立場に立 った強い社会保障制度を実現していただきたい と考えております。

すでにご案内のとおり、今年度の沖縄県医師 会の最重要課題として、「地域医療再生」を位 置づけております。地域医療連携、それから臨 床研修事業、医師確保対策、特に女性医師バ ンク事業の推進等を積極的に展開をしてきてお ります。

また、新たに、臨床研究・治験支援センター (仮称)準備室を設置して、専任スタッフもす でに配置をしております。そのことによって県 内の医療機関における臨床研究・治験事業を積 極的に推進し、ひいては県内の医療水準の向上 をめざしていきたいと考えております。

代議員各位におかれましては、本会の事業推 進に際しまして、ご意見、ご要望、ご提案等が ございましたら、ご遠慮なくお申し付けくださ いますようお願い申し上げる次第であります。

本日は、お手元の資料のとおり、私が4 月か ら日医理事に就任をしましたので、日医の代議 員を辞任するということになりました。そうい うわけで日医の代議員の選挙、それから、予備 代議員の選出をしなければいけませんので、そ の選挙があります。

それから、報告事項が2 件、議事7 件を上程 しております。報告、議事の詳細につきまして は、各担当理事より説明いたしますので、慎重 にご審議の上、ご承認賜りますようお願い申し 上げまして挨拶といたします。ありがとうござ います。

続いて、日医代議員並びに同予備代議員選挙 に移った。

日本医師会代議員並びに同予備代議員につい ては、平成22 年4 月1 日付でそれぞれ4 人の代 議員が就任したが、日医代議員であった宮城会 長が4 月1 日より日本医師会理事に就任したこ とから代議員1 名が欠員となり、これまで予備 代議員であった安里哲好常任理事が日医代議員 に推薦された。

そのため、安里常任理事から予備代議員の辞 任届けが提出されたことから、予備代議員も1 名欠員となり、当代議員会において補欠選挙が 行われた。

なお、日医代議員候補として安里哲好常任理 事、同予備代議員候補として稲田隆司常任理事 といずれも候補者1 人のため、投票によらずそ れぞれ当選人と決定した。

続いて、報告・事業に移り、報告事項は大山 常任理事から平成21 年度沖縄県医師会会務に ついて、稲福監事より平成21 年度沖縄県医師 会会計監査について報告があった。

議事は以下の議案について各担当理事から説 明が行われ、全て原案どおり承認可決された。

第1 号議案平成21 年度沖縄県医師会一般会 計収支決算の件

第2 号議案平成21 年度沖縄県医師会医事紛 争処理特別会計収支決算の件

第3 号議案平成21 年度沖縄県医師会会館建 設特別会計収支決算の件

第4 号議案平成21 年度沖縄県医師会共済会 特別会計収支決算の件

第5 号議案平成22 年度沖縄県医師会一般会 計収支予算補正の件

第6 号議案平成22 年度臨床研究連携基盤構 築事業特別会計収支予算の件 (新規

第7 号議案平成22 年度沖縄県地域産業保健 センター事業特別会計収支予算 の件(新規)


なお、当代議員会における質疑応答の主な内 容は次のとおり。

質疑応答(要旨掲載)

1.議事に関する質疑

第3 号議案平成21 年度沖縄県医師会会館建 設特別会計収支決算の件

○友寄英毅代議員

友寄英毅代議員

負担金の納入率の状 況について教えて頂き たい。







回答(真栄田常任理事)

当初、心配していたよりも順調にご入金いた だいており、口座引き落しも98 %近くは納め ていただいているため、このまま順調にいけば 問題なく推移できると期待している。

○名嘉勝男代議員

この収支決算を見ると、単年度では900 万余 りの赤字になっている。前期繰越金が2,000 万 円余りあるので大丈夫だが、次年度に向けて、 単年度の決算で大丈夫かどうか教えていただき たい。

回答(真栄田常任理事)

平成21 年度は不動産取得税の1,257 万6,000 円が生じており、次年度以降は生じないので、 特に不足することはないと思う。

第6 号議案平成22 年度臨床研究連携基盤構 築事業特別会計収支予算の件(新規)

○宮里達也代議員

宮里達也代議員

大学、県立病院をは じめ沖縄県の臨床の基 盤を向上させるために、 特別にお願いをして予 算化しているものであ る。福祉保健部も絡ん でいることから、ぜひ 医師会のお力添えで、大学の機能強化、あるい は県立病院の機能強化、全体の医療機能の強化 のため有効に活用できるようにご協力いただき たく、よろしくお願い申しあげる。






○国吉幸男代議員

国吉幸男代議員

臨床研究ができると いうことは大変素晴ら しいことだと思う。そ の際、倫理審査が必要 となるが、琉球大学で は学内に倫理審査委員 会がある。そこの審査 員長をやっている関係上、情報を提供したい。

従来の規則では大学内の事例しか取り扱わな いということになっていたが、県から委託があ ったことから規則を変え、この事業に関する臨 床研究についても我々で審査することになった のでご承知おき頂きたい。今後、皆さんの臨床 研究をアシストしたいと思っているのでよろし くお願い申し上げる。

第7 号議案平成22 年度沖縄県地域産業保健 センター事業特別会計収支予算の件

○名嘉勝男代議員

那覇市医師会で地域産業保健センターがこれ まで活動してきたと思うが、それとの関連はど うなっているのかご説明いただきたい。

回答(金城理事)

名嘉勝男代議員

これまで那覇市、中 部、北部、宮古・八重 山の5 カ所で行っていた が、新政権ができてこ れを各県1 つにまとめる よう厚生労働省から指 示があったことから、 これを沖縄県医師会が窓口としてやることにな っている。事業はこれまでどおりやっていく。

当初、日本医師会では問題になり、2 月に持 ち上がった話で急遽こんなことが出来ないこと から、拒否しようじゃないかという話もあった が、住民の健康と安全を守るのは医師会の仕事 だということで、各都道府県、これに賛同して やっている。まだ、これにのっていない都道府 県が5 県あるようだが、詳しいことは調査しご 報告する。



代表・個人質問

「沖縄県医師会報などの刊行物の送付について」

○大城修代議員

大城修代議員

書籍がパソコンで読 むことができるように なり、全会員の会報誌 の送付については、そ の意向をアンケート等 で確認した上で、不要 となる発行数や郵送費 用等を節約できるのではないかという意見があ る。会員の個々の会費の軽減等につながるよ う将来的な取り組みについてご検討願いたい と思う。






回答(當銘理事)

當銘理事

会報の送付について アンケートをとって、 送付を希望されない方 への送付を止めること により、会報の発行・ 送付に関する経費節減 が図られるのではない かという提案だと思う。

刊行物の電子媒体での発行に関しては、時代 の趨勢であり、本会でもホームページへの掲載 は平成8 年より開始している。また、経費節減 の観点における検討についても、理事会や広報 委員会として何度か行ってきた経緯がある。

これは医師会報そのものについてのアンケー トではないが、医師会からの情報に関してE メ ールで情報を受け取ってもいいかどうかという アンケートを先般行った。そのアンケートによ ると、E メールでの文書配布を希望する会員が 560 名おられた。この数字がそのまま医師会報 の受け取りを電子媒体でいいかどうかというこ とに直結するとは限らないが、おおよその推測 として560 名の方がそう希望されるという前提 で概算した場合に、平成22 年度の会報の予算に 関して、印刷費で1,052 万円、送料で257 万円、 合計で1,397 万円を計上しており、仮に560 名 相当の方々が医師会報を電子媒体を希望したと 推定して経費節減がどれぐらいできるかという ことを算出すると、年間で印刷費で126 万円、 郵送費で54 万円、合計で約180 万円ほどの経 費節減につながり、これはパーセンテージでみ ると13.8 %の経費節減ということになる。

現在、本会では先ほどの文書のE メールでの 配付ということを前提に、効率的に情報提供が できるように文書管理システムを構築中であ る。したがって医師会報に関しても、電子デー タで配信を希望される会員には当該システムを 活用して、PDF ファイルで一斉に配付するこ とは技術的に可能である。ところが、現在問題 点の1 つとして取り上げられるのが、会報のホ ームページにはPDF と同時に、HTML の方 式、2 種類の形式で収載しているが、この HTML の加工作業には若干時間を要し、実際 にホームページにアップされるには3 週間ほど 要するということで、会報の速報性ということ に関しては若干問題がある。そのような諸々の 観点を鑑みて、理事会や広報委員会で行った論 議を集約すると、1)番目に会報は医師会の重要 な情報を満載した機関紙であり、確実に届けた いということ。2)番目に、会員の手元に直に届 く紙媒体であることが、読む大きな動機づけに なっていること。3)番目に、電子媒体ではまと まった文書は読みづらいし、まだ我が国では一 般的に習慣化していないこと。4)番目に、学会 等で試みられた学会誌の電子化は、現在やはり 読む率が低下するということで、現在見直され ている傾向にあるということ。

以上のような意見が主流である。

したがって、今回、北部地区医師会からご提 案のあった会報の電子化による経費節減案につ いては、非常に有難いご提案と考えるが、電子 情報における社会の成熟度の動向というか、そ のようなことも見据えながら、今後の検討課題 として留保させていただきたいとの結論に至っ ている。

「沖縄県医師会情報配信(管理)システムの 活用について」

○名嘉勝男代議員

名嘉勝男代議員

会員に対して迅速か つ効率的な情報伝達を 図るために、E メール による情報配信システ ムを構築する必要があ ることは多くの会員が 認めるところである。

県医師会は、去る5 月20 日開催された地区 医師会長会議において、E メールによる一般会 員施設への情報配信システムの稼働には時間が かかるとのことで、地区医師会役員並びに県医 師会役員によるメールリストを立ち上げ、情報 伝達の場を設けたいとの報告があった。

当会としても、医師会事務局から送られてく る膨大な文書が、E メールによりデータとして 送信されてくるメリットは非常に大きいものと 考え、当該システムの早期の本格運用を期待し ているところである。

ところで、IT 化を推進する上では、各地区医 師会事務局と必要とする知識の共有化、また、 組織としての情報の標準化が必要と思われる。

そこで、県医師会事務局のIT 化の実情、会 員等への情報伝達の現状とこれからの方向性、 さらに稼働した場合の問題点等についてご教示 頂きたい。

回答(真栄田常任理事)

真栄田常任理事

現在、本会では日本 医師会や沖縄県当局を はじめ、関係団体から 届く文書並びに本会よ り各関係団体等に発送 する文書はすべて電子 化し保存しているが、 実際に関係各位へ届ける文書は、郵送やFAX を用いている。

情報通信手段が多様化し、文書送付量が増加 する中、いかに情報を効率的かつ確実に伝達す るかが喫緊の課題となっており、現在その対策 が求められている。

以上の点を踏まえ、希望する会員に対しE メ ールによって各種情報を配信するサービスを提 供するべく、過日、全会員に対しアンケート調 査を行ったところ、先ほど當銘担当理事からの 報告にもあったように、全会員2,246 名の内、 E メールでの文書配信は560 名ということにな っている。

当初、会員へのE メール配信サービスを5 月 1 日より実施する予定にしていたが、より満足 のいくサービスが提供できるよう、効率的なシ ステムを新たに構築すべく、現在準備を進めて いるため、実際の運用にはまだ至っていない。

当システムが稼働することにより、本会から の通知に対し、会員や地区医師会が同システム 内において回答でき、双方向性の機能をもつシ ステムとして情報管理の効率化、迅速化が図ら れるとともに、郵送費、FAX 通信費等の経費 節減にもつながることが期待される。

また、会員並びに地区医師会においては同シ ステム上において本会からの通知文書一覧の閲 覧、並びに検索が可能となる。

なお、会員各位へのE メール配信について は、スケジュールのとおり10 月には文書管理 システムの本格運用開始を予定している。ま た、各地区医師会事務局には改めて説明会をも つ予定である。

稼働した場合には、医療機関側の受け取る側 のデメリットをなるべく少なくするように考え ないといけない。いくらいろんな情報を送って も肝心の受ける側が資料が多すぎて行き届かな いということも多々あるかと思う。緊急性等も 加味しながら情報を送る必要もあるのではない かと理事会では話し合っている。