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九州医師会連合会第97 回定例委員総会

安里哲好

常任理事 安里 哲好

去る5 月22 日(土)、鹿児島県の城山観光ホ テル(鹿児島県医師会担当)において標記定例 委員総会が開催され、九州医師会連合会の平成 21 年度決算、平成22 年度事業計画並びに予算 等が審議され承認されたので、会議の概要を報 告する。

はじめに、司会の鹿児島県の池田徹委員より 開会が宣され、前年度九州医師会連合会担当県 の福岡県松田会長より平成21 年度の九州医師 会連合会諸事業への協力に対するお礼と、各県 いろいろ事情はあると思うが、今後とも九州は 一つを合い言葉の下ご協力をお願いしたいと、 来る7 月予定の参議院選挙における西島先生へ の支援依頼が述べられた。

その後、池田哉九州医師会連合会長(鹿 児島県医師会長)並びに、原中勝征日本医師会 長(代理羽生田俊副会長)、西島英利参議院議 員より概ね下記のとおり挨拶があった。

○池田哉九州医師会連合会長

今年の鹿児島は例年に比べ桜島の噴火が多 く、夏場になると風向きがかわり市内は火山灰 にまみれるのではないかと懸念している。ま た、口蹄疫の問題、普天間にかかる徳之島の問 題等非常に混乱した状況が続いている。

わが国は長引く不況に喘ぎ、地域住民に至っ ては重くのしかかる窓口負担、命を脅かす受診 抑制、入院拒否等負の連鎖が進み医療現場は崩 壊寸前となっている。住民は、保健、医療、福 祉に関し最も不安を抱いている状況であり、将 来にわたって安寧な生活が送れるよう私どもは 地域の方々と目線を同じくして、地域の方々と 語りながら、地域に見合った地域医療づくりに 努力する必要があると感じている。

かかる状況を踏まえ、私ども九州医師会連合 会は、一層の結束を図り日本医師会を支援しな がらこの難局を乗り越えなければならないと考えている。委員各位のご支援ご協力をお願い申 しあげ挨拶とする。

来賓祝辞

日本医師会長 原中 勝征
(代理 羽生田 俊副会長)

原中会長が海外出張中のため羽生田副会長が 代読した。

わが国の高齢化は世界に類をみない速さで進 み、これに伴う医療費の増大が問題となってき た。少子化による生産労働人口の減少と長引く 経済の低迷とが医療財源の逼迫に更なる拍車を かけている。これに対し政府は財政優先の医療 政策に終始し国民にとって本当に必要な医療の あり方についての議論が後回しになっている。 しかし、よい医療制度のない国民は不幸であ り、このような社会は絶対に正さなければなら ない。ほんとに良い医療が行われてこそ国民に 対し生涯の安全で安心が約束できる。その約束 を果たすことが医師会の社会的責務であると認 識している。

そのために日本医師会は、国民に開かれた国 民を守る国民が豊になる医師会を目指し、わが 国を世界一の健康長寿国に導いた世界に冠たる 国民皆保険堅持を主軸に国民の視点に立った多 角的な事業を展開し、真に国民に求められる医 療提供体制の実現に向けてこれからも国民と共 に努力する所存である。

九州医師会連合会におかれても、このような 日本医師会の活動方針に引き続き特段のご理解 をいただき、ご協力を賜りますようお願いして 挨拶とする。

日本医師連盟選出国会議員
西島 英俊参議院議員

皆様方のご支援により6 年間国会議員を務め させていただいていることに感謝申しあげる。 この間様々な問題が起こった。まず、混合診療 全面解禁の問題、様々な医療費抑制策が次から 次と打ち出され、そのことに対しては一つ一つ クリアしていった。ただ、社会保障費の毎年 2,200 億円削減については、平成20 年7 月の骨 太の方針の議論の中で、年金、医療、介護につ いては新たな財源を確保した上で予算編成を行 うと言うことになり、事実上2,200 億円削減撤 廃と決まったが、残念ながら先生方や国民に上 手く伝わらず、情報伝達の難しさを感じた次第 である。

その後、財源をどうするのかという議論の中 で、消費税しかないという考えを与党議員の 方々も持つようになってきている。私は、当初 から「国民皆保険制度の安定は、安定的な財源 が必要である」と主張し消費税の議論を訴えて きたが、ようやくそのような状況になってきた。

私は、国民皆保険のより安手的な運営に尽力 すべく今度の参議院選挙に立候補するので、引 き続きご支援の程をお願い申しあげる。

記念品贈呈

今年3 月迄、九州ブロックを代表して日本医 師会役員等として活躍された竹嶋康弘氏(日 医副会長:福岡県)、米盛学氏(日医副議長: 鹿児島県)、北野邦俊氏(日医理事:熊本県)、 沖田信光氏(日医理事:佐賀県)の4 氏に記 念品が贈呈されることになり、池田九州医師会 連合会長より、代表の米盛氏に記念品が授与 された。

報告・議事

その後、座長に池田九州医師会連合会会長が 選出され、報告、議事が進められた。報告(1) の第310 回常任委員会、(3)春の叙勲者への慶 祝については、座長の池田会長より、また、(2) の平成21 年度九州医師会連合会庶務並びに事 業報告については、福岡県の寺澤委員より資料 に基づいて報告が行われた。

引き続き行われた議事については次の7 議案 が上程され、それぞれ各担当委員より提案理由 の説明があり、協議した結果、全議案とも全会 一致で原案通り承認された。

第1 号議案 平成21 年度九州医師会連合会歳入歳出決算に関する件

  • 歳入合計 73,296,986 円
    歳出合計 40,720,510 円
    差引残高 32,576,476 円

第2 号議案 平成22 年度九州医師会連合会事 業計画に関する件

第3 号議案 平成22 年度九州医師会連合会負 担金賦課に関する件

・会員一人年額1,500 円、但し、 研修医は500 円とする

第4 号議案 平成22 年度九州医師会連合会歳入歳出予算に関する件

  • 歳入歳出予算額67,483,476 円

第5 号議案 平成22 年度九州医師会連合会監 事(2 名)の選定に関する件

  • 1)宮崎県医師会 富田 雄二委員
  • 2)沖縄県医師会 真栄田篤彦委員を選出。

第6 号議案 平成22 年度第109 回九州医師会 医学会事業計画に関する件

  • ・平成22 年11 月13 日(土)・ 14 日(日)の両日、城山観光ホ テルをメイン会場に開催するこ とに決定。

第7 号議案 平成22 年度第109 回九州医師会 医学会会費賦課に関する件

  • ・会員一人年額2,500 円、但し、 研修医は1,500 円とする。

その他

出席者委員より、日本医師会等へ対する意 見・要望が以下のとおり寄せられた。

○他科受診、領収証の問題について、日本医師 会の対応が遅い気がするので、迅速な対応お 願いしたい。

○日医羽生田副会長

今年の4 月から中医協委員の鈴木先生が日 医常任理事に就任され、日医代表として活動 しているので、中医協に申しあげると共に、 原中会長の提案で民主党の幹事長室と日医と の協議会をつくる話しが進んでいるので、そ の場にも提案していきたい。

また、現在緊急レセプト調査を実施してい るので、6 月に入ったら第1 日目の発表を行 う予定にしている。

○入院中の患者の他科受診に関するペナルティ ーについて、これまで何度か日医に対し、患 者のフリーアクセスを阻害するので、対応し て欲しいと要請しているが、以前と違ってレ スポンスが遅いような気がする。

特に、有床診療は対応に困っているので、 患者のためにも早く解決していただきたい。

○後発品の促進加算について、当初は薬剤師が 必要ということでは無かったが、その後Q & A が出て、有床診療等においてはパートでも いいから薬剤師を置く事となっている。有床 診療所において薬剤師がいなくても、医師の 裁量で行っているということで、薬剤師配置 の条件を撤廃するようお願いしたい。