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沖縄県医師会平成22 年度
研修医歓迎レセプション

玉井修

理事 玉井 修

沖縄県における初期臨床研修は平成16 年に この制度が発足して以降3 つの臨床研修グルー プ(県立病院、群星沖縄、RyuMIC)が切磋琢 磨し、充実した研修システムを提供しておりま す。この様な努力の甲斐あってこれまで沖縄県 は初期臨床研修医のマッチングにおいて毎年多 くの臨床研修医を迎える事ができました。これ まで3 つの研修群が別々に行ってきた歓迎会を 沖縄県医師会が主催して合同で行おうという試 みは今回で2 年目になります。沖縄県全体で若 い医師を歓迎するという新しい試みは全国でも 類を見ないもので、このレセプションには県民 を代表して仲井眞知事も多忙な公務の合間を縫 って激励のご挨拶の為に駆けつけて頂きまし た。122 名の新臨床研修医とその指導医で沖縄 県医師会の3 階ホールは溢れんばかりの熱気 で、更に若い研修医の弾けんばかりの元気の良 さに司会をしている私は圧倒されっぱなしでし た。この活気溢れる研修医が臨床の現場で充実 した医師としての第1 歩を踏み出し、医師とし て成熟していくことを心から祈念いたします。

全国的に新臨床研修医制度が地方の医師不足 の元凶と言われ、マッチング制度の若干の見直 しがなされたため今回は例年よりやや少ない122 名の研修医受け入れとなっています。この 中の多くの人材が沖縄の地で末永く医師として 活躍していく事を願わずにはいられませんでし た。2 年間の初期研修を終え、後期研修に移る とき、これまで8 割の研修医が沖縄に残り後期 研修に入っていきましたが、今年度後期研修に そのまま残ったのは約半分程度だと聞いており ます。小児救急を初め、医師不足による医療崩 壊は今や現実のものとなっております。臨床研 修を担う3 群合同の全県一体型後期研修のシス テム作りや、平成24 年完成予定であるクリニ カルシミュレーションセンターの充実した運営 など今後この若い人材が益々医師として充実し た臨床研修が実践できる環境整備も大きな課題 となるでしょう。全県から一堂に集まった研修 医の顔はどれも明るく、医師国家試験を合格 し、晴れて医師として今から歩んでいく事に対 し、期待と希望に溢れておりました。一人一人 の研修医からの挨拶には「自分が沖縄県の医療 を担う」という使命感に燃えた言葉が多く聞か れました。その若さと行動力に大いに期待した いものです。様々な研修システムを整備し、末 永く彼らが医師として成長できる環境作りをし なくてはならないという課題の大きさを実感 し、私はやや呆然とした感がありましたが、し かし若い研修医の顔はどれも底抜けに明るく、 その若い研修医を引き連れて歩く指導医もまた 情熱に満ちておりました。昔の医局制度があっ たころ、確かに今の整備されたローテート体制 とは違い医局の都合により研修先が2 転3 転す ることもありました。しかしあの時代は医局が 自分自身の家であり、故郷の様なものでもあり ました。同期で入局した者同士は自然と仲間意 識が芽生え、厳しい修業時代お互いにかばい合 い、励まし合っていました。その熱い友情はそ の後医師として生きる上で何にも代え難い財産 となりました。医局の中では先輩医師の厳しい 指導があり、時には情熱のあまり鉄拳をもって 指導するという事もありました。善悪は意見の あるところでありましょうが、しかしあの時 代、指導医も研修医も熱く真剣でありました。 今の新臨床研修体制により、帰属意識の芽生え にくい現状でお客さんとして迎えられ3 ヶ月後 にはまたいなくなるという事の繰り返しは研修 医自身の心がけひとつで研修の濃度が変わって くるのでしょう。後期研修医が減っているのは 何故なのか?沖縄は彼らの故郷になっていない のか?そんなことも考えます。

しかし、期待したいものです。たとえ今、彼 らが一旦沖縄の地を離れても、大きく外海で育 っていつの日かまた沖縄の地を踏んでくれるこ とを。そして、沖縄県の医療を支える大きな支 柱となってくれることを。

挨拶をする宮城信雄会長

挨拶をする仲井眞弘多知事

挨拶をする宮城征四郎
群星沖縄臨床研修セミナー長

研修医の代表挨拶
沖縄県立中部病院研修医1 年目 島垣智成

はじめまして、沖縄県立中部病院 研修医1 年目の島垣智成です。今回は宮城会長をはじ め、たくさんの先輩先生方にこのような歓迎レ セプションを開いていただき、誠に嬉しく感じ ております。

自分は沖縄全体の人、土地、空気、雰囲気と いったたくさんのものに魅了され、また何より も、患者さんから多くを学べるということで沖縄での研修を選びました。現在、実際に現場で 働いてみて、たくさんの症例を経験させてもら いながらその大切さ、重みを実感させてもらっ ています。現場に出ると分からないことだらけ ですが、毎日を真剣に大切にし、自分から積極 的に頭と身体を使っていきます。そして、同期 の仲間、先輩先生方と様々な時間を共有し、し っかりと日々を楽しみ切磋琢磨しながら、沖縄 県全体の医療、社会に少しでも貢献できたらい いなと考えております。

乾杯の音頭をとる須加原一博
琉球大学医学部附属病院院長

乾杯

研修医代表挨拶をする沖縄県立中部病院
島垣智成先生

沖縄県医師会平成22 年度研修医歓迎レセプション

  • 日時:平成22 年4 月9 日(金)19:00 〜 21:00
  • 場所:沖縄県医師会館(3F ・ホール)

会次第

司会:玉井修 理事

  • 1.開会 沖縄県医師会副会長 玉城 信光
  • 2.挨 拶 沖縄県医師会会長 宮城 信雄
          沖縄県知事 仲井眞弘多
          群星沖縄臨床研修センター長 宮城征四郎
  • 3.乾杯 琉球大学医学部附属病院院長 須加原一博

〜歓談〜

  • 4.新研修医紹介 管理型病院ごとに
  • 5.研修医代表挨拶 県立中部病院 島垣 智成

〜歓談〜

  • 6.閉会 沖縄県医師会副会長 小渡  敬

研修医へのインタビュー

矢萩浩一

豊見城中央病院 矢萩 浩一 研修医

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

私は元々塾講師として働いていました。自分の性に合った のか、このまま生徒達と楽しくやっていくのもいいなと思っ ていました。楽しい毎日を送っているうちに、いつのまにか、 私にも理由はわかりませんが、自分はもっと困っている人の 役にも立ちたいと思うようになっていました。周囲の反対も ありました。また、新たなことに挑戦するリスクを負うこと には不安も覚えました。

しかし、どうせ人間はいつか必ず死ぬのだから、死ぬ前に 自分のしたいことをしようと思い、多くの患者さんの手助け をすることが出来る医師という職業を目指すことにしました。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?

私の臨床研修の最大の目標は、良い習慣を身につけること です。患者さんに対するマナー、病院での行動、臨床上の問 題が生じた時の解決方法など、基本的なことを習慣化して、 忘れないようにしたいと思っています。

豊見城中央病院を研修先に選んだ主な理由は、2 つありま す。1 つ目は病院の雰囲気が何となく良かったこと。2 つ目は、 研修委員会の先生方が研修をより良いものへ改善していこう という意欲に溢れていたことです。自分が将来指導医になっ たら、こうあるべきだなと強く感じました。初期研修そのも のだけではなく、研修のシステム作りのようなものも学べる かもしれないと思い、豊見城中央病院を選びました。

質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。

宮城征四郎先生のように、患者さんに親切で、臨床能力と ユーモアのある医師になりたいと思っています。

高山都

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
高山 都 研修医

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

小さい頃からなんとなく「人のためになるような仕事がし たい」という思いがありました。最初は国際協力機関で働く ことを考え文系の大学へ進みましたが、発展途上国に実際に 行ってみると、ある場所では助かる命がある場所では簡単に 失われていく、そういった状況を目の当たりにし、やはり医 師として直接的に手を差しのべることができたらと思い方向 転換をいたしました。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?

次の質問の回答とも連動しますが、私は将来国内外問わず、 できるだけ医師の不足している地域で働きたいと考えている ので、やはり初期研修制度の目標でもあるgeneral な臨床能力 を身につけていきたいと考えています。初期研修期間には専 門的な知識、技術を深めるよりも、まず医師としての心構え、 患者さんや疾患へのアプローチの仕方等を幅広く学んでいき たいです。外科系、内科系とくくり、自分の中で得意不得意 と感じることもありますが、そういったことに捉われず、な んにでもチャレンジしていきたいです。

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターは、救命 救急科、総合内科を有し、またその名の通り小児の症例もと ても豊富でgeneral な臨床能力を身につけるにはもってこいの 病院だと思いました。実際に見学に行くと、まだ新しい病院 ではありますが、研修医の数は多く、屋根瓦式の指導体制を とっており、診療科間の垣根を越えて、病院全体で研修医を 育てていこうという空気を存分に感じることができたため、す ぐにここで研修したいと思いました。もちろん、沖縄自体に とても魅力を感じたのも大きな理由の一つです。

質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。

繰り返しになりますが、国内外問わず医師の不足している 地域で働く、患者さんにとって最も身近な医師になりたいと 思っています。都会から離れているから、高価な医療機器が ないから助からないといった状況が少しでも改善するように 尽力したいです。そのためには、どこで働こうと常にアンテ ナをはり勉強を怠らない姿勢を忘れず、地域医療や途上国医 療が充実するようなネットワーク作りにも携わっていけたら いいなと思っております。

大山泰司

琉球大学医学部附属病院 大山 泰司 研修医

質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。

進学について考えた時に、どんな仕事が最も誇りを持って 続けられるかと考え、出た結論が「医者」でした。

質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?

琉球大学では研修内容に比較的自由なシステムで、早い内 から専門科での研修をしたかった自分の希望が一番実現でき そうなプログラムであったため、選びました。

質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。

どんなに忙しくても自分を見失わず、常に周りに気を配れ るような余裕のある医者になりたいです。

研修医の紹介

余興

指導医と研修医の方々

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