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沖縄県薬剤師会会長 神村 武之 先生

神村武之先生

会館を薬剤師活動の拠点と して薬剤師の資質向上のため 活発に活用し、地域医療に貢 献して県民の保健・医療・福 祉の向上に努めていきたいと 思います

Q1.沖縄県薬剤師会会長になられて3 期目とお 聞きし、安定した会務運営に当られていると 思いますが、これまでの会長としての取り組 みや、今後の抱負についてお聞かせ下さい。

平成17 年に会長に信任を受け、平成21 年で 3 期目になりました。就任当期より祈願であっ た新会館建設に取り組み、昨年無事完成に至り ました。薬剤師活動の拠点として活発な活用・ 運用をしていきたい。

近年は、医療に対する国民からの要望が高度 化、複雑化しており、医療人への期待は増々強 まっております。薬剤師に対してもより高度な 専門性が求められ、薬剤師教育が6 年生制度に なりました。

医療の担い手の一員として、薬剤師に負託さ れた責務を果たせるよう、充実した生涯教育等 を含め、会の活動を強化していきたい。直面し た課題として、薬事法改正による医薬品販売制 度について、市場経済の活性化、利便性の名目 で医薬品もインターネットで自由販売にすべき とのネット業界からの要請には、医薬品の安全 性の確保並びに適性使用を担う薬剤師として、 組織として、断固反対していきたい。

Q2.貴会の会員数と基本的な活動内容につい てお聞かせ下さい。

現在、会員数1,100 名余で、薬剤師数全体の 約65 %開局薬剤師並びに管理薬剤師はほとん ど入会していますが、その他の勤務薬剤師、行 政薬剤師等の入会率が低い。当面70 %以上の 入会率を目指したい。

下記のような基本的な活動を行っております。

  • ○学術大会開催(年1 回、今年第25 回)
  • ○生涯教育
  • ○各種研修会
  • ○ 6 地区・15 支部組織強化
  • ○ 8 部会、11 委員会活動
  • ○医薬品事故・過誤等の防止対策
  • ○薬物乱用防止対策運動
  • ○県民公開講演会、健康とおくすり相談会
  • ○関連機関、団体との連携

Q3.貴会は一昨年、新会館を建設され、活発 な活動が展開されていると思いますが、現 在、特に力を入れている取り組み等があり ましたら教えて下さい。

医師会、薬剤師会、2 〜 3 年後に看護協会、 そして歯科医師会が会館建設を予定されてお り、四師会が同一医療ゾーンに集結し、相互に 幅広い活用ができる全国に誇れる環境となる事を喜んでおります。

会館に附属する施設として、薬事情報センタ ー、試験検査センター、休日・夜間会営薬局の 業務を行っております。

薬事情報センターには医薬品、薬事に関する 相談とインターネット上のホームページに年間数 万件のアクセスがあります。医師からの問合せも 数件あります。どうぞお気軽にご利用下さい。

試験検査センターは医薬品の定性、定量、溶 出試験を始め、化粧品の細菌検査、学校の飲料 水・プール水等の水質検査、室内空気汚染検 査、ダニ・アレルゲン等の検査を行っています。

休日・夜間会営薬局医療センター前は、土 日、祝祭日(9 時〜 24 時)平日夜間(19 時〜 24 時)を開局致しております。以前より病院側 から受入れ要請がありましたが、民間薬局では 対応できず、会営で対応することになり、会員 が輪番制で勤務致しております。休日・夜間救 急の医薬品供給態勢を整え、地域医療への参画 の足がかりを作りました。今後は、各地区と連 携をとりながら基盤整備に取り組んでいきたい。 ただ、経営面での財源が厳しく課題も有ります。

Q4.今回の診療報酬点数の改定につきまして、 ご意見があればお聞かせ下さい。

10 年振りのプラス改定といわれますが、実 質面でのプラス効果はわかりません。特に今回 の調剤報酬の改定では、後発医薬品数量ペース の使用率で点数配分されました。

沖縄県は処方せんに占める率が30 %を超え ており、全国でダントツ一位であります。薬剤 師も努力して推奨致しておりますが、他県と比 べ医師の先生方の積極性と県民性からとの分析 もされております。

ただし薬局においては、備蓄薬品数の増、並 びにデッドストックによる期限切れ品が増えて おり、苦慮しております。

Q5.院外処方の現在の達成度、並びに将来の 達成目標についてお聞かせ下さい。

沖縄県の分業率は平成21 年4 月に69 %で全国8 位、全国1 位は秋田県で78 %です。達成 目標としては、率よりも医師・患者様・県民か ら安心して納得していただけるよう質の向上を 計りつつ、完成分業を目指していきたい。

ご支援の程お願い致します。

Q6.沖縄県医師会に対してのご意見・ご要望 がございましたらお聞かせください。

医師会の先生方には、常日頃より処方せん発 行を始め、研修会、講演会での講師派遣等、多大 なご協力ご指導を賜り心より感謝申し上げます。

医師会を柱として四師会で尚一層の連携を計 り、薬局、薬剤師を地域連携パスに参画させて 頂いてご利用ご指導を賜りたいと思います。

薬学教育が6 年制となり、5 学年生時に長期 実務実習が行われます。今年5 月より街の薬局 で2.5 ヶ月、病院で2.5 ヶ月の実習カリキュラ ムが組まれており、受入病院側並びに医師の先 生方にもお世話になります。その節にはご指導 の程よろしくお願い申し上げます。

Q7.最後に日頃の健康法、趣味、座右の銘等 がございましたら、是非お聞かせください。

特に座右の銘という程のものはなく、動揺す ることなく事に当たりたいと心しているのが、 “平常心”です。“成せば成る”“なんくるない さ”精紳とでも言いますか。

健康法としては、禁煙して28 年、ところが ストレス解消と理由付けして暴飲暴食、気付け ば高血圧、高脂血症とメタボリックです。

運動は好きな方でどちらかと言えば体育系で 育ってきました。数々のスポーツはやりました が、ゴルフを1 度もやった事がなく、今時めず らしいと言われています。ただ、趣味で続けて いる空手道を45 年程修っていますが、最近は 公・私用の為、時間が限られ残念に思っている 所です。

この度は、インタビューへご回答いただき、 誠にありがとうございました。

インタビューアー:広報担当理事 當銘正彦