沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 5月号

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退任のご挨拶

幸地賢治

前常任理事 幸地 賢治
(眼科クリニック幸地)

思い起こすと6 年前、重鎮と様ばれる某先生 からお電話があり、県医師会の理事を引き受け るように命じられました。私のような者にその ような重責が成し遂げられるのかと恐れのよう なものもありましたが、今までそれ以上の重責 をこなされた先生の仰る事なので、私の能力も 見通した上でのご判断だろうと考え引き受けさ せて頂きました。1 〜 2 期も務めればお許しが 出るだろうぐらいのつもりでしたが、毎週の理 事会は色々な内容の協議や報告があり、目を開 かされる思いでしたし、会長、副会長はじめ理 事の先生方の知識やバランス感覚には驚かされ ました。県外出張も多く、各地での種々の会合 にも参加して多くの先生方とお会いし、お付き 合いが出来た事はとても楽しい思い出です。ま た会長と一緒の出張では、会議終了後の会長の おごりでご馳走になるという楽しみがありまし た。お世話になりました。また個人開業医であ る私が理事を全う出来たのは琉大医局の後支え があった事が大きな要因です。楽しい時間を過 ごさせて頂きました。澤口教授をはじめ、歴代 の医局長に感謝致します。

きつかったと言うと叱られそうですが、私は 8 時半か9 時頃就寝する習慣があり、理事会は 何時も9 時をオーバーするので8 時半になった ら、「ビールを飲みながらにしてくれないかな。」 とマジに思ったものです。お陰で翌日は体調が 悪く、慣れるまで大変でした。これからは8 時 半に何の気兼ねもなく眠れると思うと、思わず 独り笑いをしてしまいます。

最後に、医師会の職員は総じて真面目で優秀 です。私のようなのんびりでも理事が務まるよ うに様に頑張ってくれました。あまり瑕疵もな く過ごせたのは事務局のお陰です。本当に有り 難うございました。

医師会活動に望むもの
−理事退任にあたって−

野原薫

前理事 野原 薫
(のはら小児科医院)

去った3 月31 日をもって沖縄県医師会理事 を退任いたしました。稲冨洋明前会長の下で2 期4 年間、宮城信雄会長の下で2 期4 年間、主 に学校保健、福祉・経営、広報を担当してきま した。この間、多くの会員の皆様からご指導、 ご助言をいただき、本当にありがとうございま した。お陰さまで無事に役目を果たすことがで きたと思っています。

学校保健では発達障害関連の講演会、専門医 の学校派遣・電話相談事業、九州学校保健・学 校医大会の開催が印象に残っています。ただ、 毎回、県学校保健・学校医大会の参加者が校 医、養護教諭共に約1 割、学校長は限りなく “0”に近く、また多くの学校医が休診して学校 医活動に参加していることに理解が得られず、 学校保健事業の抜本的な見直しが必要だと感じ られました。福祉・経営では永年勤続医療従事 者表彰式で勤続20 年の被表彰者の笑顔が印象 的でした。広報委員は12 年間担当しましたが、 委員長や事務局のご尽力により会報が年々充実 して立派になり、月初めに届けられるようにな りました。個人的には短時間で読めるようにも う少しコンパクトでも良いのではと思いました。

医師会といえば世間では開業医の団体として 認識されていますが、病院長に加え、多くの勤 務医も参加するようになり、相対的に開業医の 声が小さくなってきているように思います。現 在、各種病院団体、勤務医部会が活動してお り、診療所部会も立ち上げる時期に来ているよ うに思います。このまま診療所の診療報酬値下 げが続けば、医療崩壊が益々進みます。報道に よると名古屋市議会の議員報酬が年1,600 万 円、諸手当込みだと2,500 万円、県立高等学校 の教頭の年収が中医協の某国立大学医学部長並 だとすると、開業医も勤務医も医学部長もそれ 程高給取りではないと思います。

勤務医の過重労働が取りざたされています が、開業医も常に法定労働時間を越えていま す。医師の忙しさの根本的な原因は一人当たり の受診回数の多さと医師業務の多さだと思いま す。諸外国に比べて日本国民の年間受診回数が 数倍も多くなっています。もっと病気のことを 勉強し、諸外国並みに必要最低限に受診回数を 減らし、診療報酬を上げれば解決するのではと 思います。更に医師業務もパラメディカルに分 担してもらえば医師は診療業務に専念できるの ではないでしょうか。これから国民の理解が得 られる戦略的な広報活動が必要だと思います。

この8 年間に県医師会理事の他に地区医師会 理事、沖縄県小児科医会長、社保審査委員、は しか“0”プロジェクト初代委員長を兼任し、 多い時は年間200 回以上もの会議、審査会、講 演会などに出席したこともありました。この間 に長男は研修医になり、二男も医学部に進学し ました。これも縁の下で支えてくれた家内がい たからだと感謝致しております。今は多くの書 類を処分し、部屋を整理し、気分良く診療に従 事しております。

今後は地域の小児医療に専念していきます が、求められれば医師会活動や社会活動にも協 力していきたいと思っています。

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