沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 4月号

会長三期目就任にあたり

宮城信雄

会長 宮城 信雄

平成18 年4 月、稲冨前会長の後を引き継い で2 期・4 年間「地域に根ざした活力ある医師 会」を目指して会長職を務めてさせて頂きまし たが、去る2 月25 日の代議員会で再任され向 後2 年間会長を引き受けることになり身の引き 締まる思いをしております。

現在、医療を取り巻く状況は益々悪化の一途 を辿り、正に混迷の時代を迎えております。平 成13 年小泉政権が発足し、「聖域なき構造改 革」が断行され、「命も例外ではない」結果、 産業・経済・医療を含むあらゆる分野で格差社 会が生じました。特に、医療分野では医師不 足、小児科や産科医療の崩壊、救急医療の疲 弊、医療機関経営の悪化等により地域医療は崩 壊し、地域医療再生は国における喫緊の重要課 題として取り組まれることになりました。

このような状況の中で、昨年8 月30 日に実 施された総選挙では民主党が圧倒的多数で政権 を獲得し、これまで財政的な視点だけで医療費 を抑制する方向を見直し、質の高い医療サービ スを効率的、安定的に提供できる体制づくりを 目指して政策を進めるとしています。

しかしながら、民主党がマニフェストで社会 保障における最重要課題として取り上げた「医 療崩壊を阻止」するための財源も十分には確保 されず、当初大幅な引き上げが期待された診療 報酬改定率はネットでプラス0.19 %の引き上 げに留まり、2000 年以来のプラス改定は評価 されるものの、医療機関の経営状況を改善する には程遠いものとなっております。又、プラス 改定にもかかわらず結果的に診療所は引き下げ となっています。

今後は医療財源の長期ビジョンを示し確固た る医療財源の確保に努めていくことが重要であ ると認識しております。

県医師会も地域医療の推進については安心安 全な医療が提供できるよう、九州医師会連合会 並びに日本医師会との連携を密に図りながら進 めていきたいと思っております。

一方、沖縄県は2030 年の沖縄の将来像を描 く長期構想として「沖縄21 世紀ビジョン」を 取りまとめました。その中には医療・福祉が充 実した県民の幸福度が高い社会の構築を目指す ことが謳われています。県医師会としても県民 の保健・医療・福祉の向上を目指し積極的に参 画していくことにしております。

医師会と会員間での迅速な情報交換について の双方向性のシステムの構築を速やかに創り上 げ情報を共有して行きたいと考えています。

医政に関してでありますが、医師会は自立し た組織であり、医療政策について政治にいろい ろと提言をしても政党や政治家からの内部干渉 に関しては拒否をしていきたいと考えておりま す。皆様方のご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申 し上げます。

新しい執行部として

玉城信光

副会長 玉城 信光

3 期目に入りました。アメリカの大統領でい きますと2 期目に入ります。最初の2 年間は事 業をいくつか立ち上げ、それを形にできないか と考えて来ました。次の2 年は実現できそうな 仕事に仕分けされて来たと考えます。今年の新 年号でも述べましたが、21 世紀になり10 年が 経過しました。新しい価値観と地域連携で沖縄 の医療の発展を目指す年です。

今年度の県医師会事業計画の最初にあげてい るのが、沖縄における研修制度の充実と各研修 群の相互乗り入れで、専門、後期研修を充実さ せる様に働くことです。具体的に群星から琉大 へ研修派遣や県立病院での研修受け入れなど進 めていきたいと思います。

また今年から来年度にかけて琉大に「沖縄ク リニカルシミュレーションセンター」が創られ ます。沖縄県における研修制度の中に取り入れ ることにより更に充実した医師を養成すること ができるでしょう。その設立、運営を協議する 中から、3 研修群の連携、更にすばらしい医師 や医療人の養成が図られることと思います。ま たシミュレーションセンターの指導医も必要に なるでしょう。それら医師の研修も充実させて いかなければなりなせん。更には女性医師の再 就業支援や看護師のスキルアップにも寄与でき るセンターになるでしょう。

これら医師、医療人を多く養成していくこと は沖縄県の離島・へき地医療の充実に寄与して いきます。また、アジア諸国からの研修生を受 け入れることにより、アジアに開かれた沖縄に なります。またシミュレーションセンターを軸 にして新しい産業の創出、大学の工学部や地域 のIT 関連事業と連携することによりセンター の充実発展もはかれます。たとえば“玉城さん の胃に癌が見つかりました。UGI 、内視鏡、 CT 、MRI の画像等をシミュレーターに入れま す。どの手術法がどのくらいの確立で玉城さん の病気を治せるか計算させるのです。またシミ ュレーターを使いながら玉城さんの手術のシミ ュレーションをするのです。実際の手術前に練 習するのです。”如何でしょうか。将来のセン ターの姿ですが、この様なセンターに発展させ ていきたいものです。

また、地域医療再生基金の中から地域連携の 予算を頂きます。IT を使った糖尿病の連携、 脳卒中の連携、病診連携、病病連携、介護施 設、訪問看護等との連携、沖縄の医療が画期的 に発展する連携システムを創っていきたいと思 います。そこには本土の企業と共に沖縄の企業 も参加できるシステムを作りたいものです。

新しい沖縄県医師会の執行部は上記のことを 具体化する執行部になるでしょう。これらのこ とを確実に形に残していきたいと思います。会 員の皆様のご協力をよろしくお願い致します。

ごあいさつ 〜県医師会活動に向けて〜

小渡敬

副会長 小渡 敬

去る2 月25 日の臨時代議員会において県医 師会の副会長に再任されました。これからも宮 城会長が掲げた「地域に根ざした活力ある医師 会」づくりに向けて、微力ながら副会長として 努めて参りたいと思います。

昨年は衆議院議員選挙で本格的な政権交代が 民主党によってなされました。民主党政権は我 が国の行き詰まった経済状況を内需拡大政策に 移し、官僚機構、予算の配分等を抜本的に見直 し“コンクリートから人へ”という大きな政策 転換を掲げて鳩山政権が誕生しました。しかし これまでの状況をみると、国民の大きな期待と は裏腹に各政策がうまく図られず、国債を大量 発行せざるを得ない状況に追い込まれ、経済政 策において苦慮しているように思われます。

特に普天間基地の移転問題については政府内 部でも意見の統一が見られず、二転三転してい るようでありますが、我々沖縄県民にとっては 普天間基地の危険の除去は喫緊の課題であり、 いずれにしてもこの問題を先延ばしすることが ないように願うものであります。普天間の問題 は沖縄県のみの問題ではなく、わが国の安全保 障に関わる重大な問題であることを認識してお れば、総理自身が選挙中に票集めのための軽々 な発言は行わなかったであろうし、また民主党 のマニュフェストは票集め目的の国民受けする 事柄が多く、「マニュフェストは国民との契約 である」ということにこだわり続けると、マニ ュフェストの呪縛にとらわれ身動きがとれず、 それを断行すれば衆愚政治になる危険性がある ように思います。いずれにしても今回沖縄県の 基地問題が大きくクローズアップされ、沖縄県 民の基地の負担や重圧の問題を、他府県の人々 が再認識する機会を得たことは非常に意義があ り、わが国の安全保障についても、国民的な意 識が高まることを期待したいと思います。さら に民主党政権は「米国と対等な関係」でありた いとしていますが、対等な関係にするならば、 まず基地問題の解決以上に、米軍人が法的に優 遇されている「日米地位協定」を適正に改正す ることが重要であると考えます。

医療界は、過去の自民党政権の長期に渡る医 療費抑制策により、毎年2,200 億円削減され、 医療は疲弊し医療崩壊の状況の中で衆議院議員 選挙を迎え、民主党のマニュフェストで掲げら れた総医療費を先進30 ケ国(OECD)の平均 に引き上げる( 現在の1 . 5 倍)、医師数を OECD 並の1.5 倍に増員する等々に惹かれ、こ れらに希望を託し医師の61.1 %が民主党に投票 したとされています。現在の医療レベルを維持 し国民の健康を守るためには、医療経済におい て先進国並に引き上げることを期待しておりま したが、今回の診療報酬改定をみると、現在の 国の財政ではこれらを実現することは困難なよ うであります。いずれの政権であれ、国民が安 心できる最善の医療を目指すためにも、今後こ れらの事を実現できるように県医師会としても 県民と共に国に働きかけていきたいと思います。

今後も新執行部の先生方とともに、医師会会 員の便益を図ると同時に、県行政機関と連携を 図り、本県の医療・保健・福祉の推進に向け て、県民の健康長寿の向上に貢献したいと考え ております。これからの2 年間も宮城会長を中 心に「地域に根ざした活力ある医師会」づくり に向けて取り組んでいきたいと考えておりま す。会員の皆様の県医師会に対するこれまでと 同様のご協力とご教示、ご指導をよろしくお願 い致します。

宮城執行部3 期目を迎えて

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

この度第190 回沖縄県医師会臨時代議員会に おいて、宮城信雄会長のもと3 期目の常任理事 を拝命しました。長年の医療費抑制政策のも と、厳しい医療環境の中で政権交代が起こりま した。国民の健康・安心・安全を蔑ろにした政 権は必ず滅びるとの歴史の例えのとおりです。 小泉政権からの行きすぎた市場原理主義の早急 な導入に伴い、日本中が経済の混乱、更にはグ ローバル化した金融破綻の影響で国民は行き場 の無い不満が噴出し、政変へと流れが変わった のです。しかし、新しい政権に期待していて も、実質的な医療政策効果の期待はまだ望めそ うに有りません。国民の医療を守るための日医 のスタンスも今後どのように現実的対応をして いくか注目されます。

沖縄県内に於いては、県民の健康を守るため には県との連携を密にしていく必要があります。 当会執行部の玉城信光副会長が平成22 年度も 県政策参与として大きな役割を果たすものと期 待されております。また各地区医師会との連携 も大変重要で、地域医療における私たち医師会 員の役割も大変重要です。地域医療を維持・継 続していく上で、その連携を通して沖縄県の医 療が向上していくものと期待しております。

さて、私は県医師会総務担当です。会員の貴 重な会費から成り立つ県医師会の会計を預か り、各種県医師会事業の執行時における会計処 理業務が主な業務です。公明正大に予算が執行 されるように細部に渡って緊張感を維持して業 務に邁進してまいります。

会員の皆様からのご指導、ご鞭撻のほどよろ しくお願い申し上げます。

中高年者の早世の阻止をめざして

安里哲好

常任理事 安里 哲好

今年度で6 期11 年目となります。主に地域 医療を担当し、中部地区医師会長も2 期目を兼 務することになりました。どうぞ、よろしくお 願い致します。平成22 年度の地域医療関連に おいて、県医師会は3 補助事業を受託していま す。「医療連携体制推進事業(脳卒中・糖尿病 等医療連携)」は福祉保健部より(平成22 年 度)、「臨床研究連携基盤構築事業(臨床研究・ 治験)」は厚生労働省より(平成22 年度)、厚生 労働省の地域医療再生計画・基金より、「地域 医療連携体制総合調整事業」として(平成22 〜 25 年度)の事業を受託しています。

今年度は、南部保健医療圏脳卒中医療連携パ スは本島内統一化を目指し、また、症例のデー ター管理のための原案を検討中で、将来、脳卒 中臨床研究の重要な基礎データーになると期待 しています。加えて、今年度は脳卒中の予防・ 急性期医療・医療連携・在宅医療に関した県民 公開講座も予定しています。糖尿病は全地区医 師会で治療の標準化や連携パスの充実を図って 行きたい。また、全地区医師会や地域で活躍し ている糖尿病専門医師等で話し合う場としての 委員会の芽が出たらと思っています。急性心筋 梗塞の医療連携は次年度に計画を考えて行きた いと思います。

臨床研究・治験に関しましては、昨年7 月に 臨床研究・治験委員会を立ち上げ、委員会を4 回行いました。治験に関するアンケートや臨床 研究も2 テーマ上がってきています。

平成22 年2 月に、県医師会内に臨床研究・ 治験支援センター(仮称)準備室を設置し、 CRC(臨床研究・治験コディネーター)を2 名 育成しました。平成22 年3 月に、県医師会館 にて、「臨床研究・治験セミナー」を開催しま した。

「地域医療連携体制総合調整事業」に関して は、3 疾病(脳卒中、糖尿病、急性心筋梗塞) のIT を用いた医療連携を中心にしながら、沖 縄県における中高年者の早世を改善させること に寄与するにはどのようにしたら良いかと心に 記しています。沖縄県医師会内に地域医療支援 センターを設置することが義務付けられてお り、年度早々に開設し、地域医療委員会と合同 で進められたらと考えています。資金はソフト 開発に使わず(香川県のK-MIX を始め、全国 の現状を分析し、できれば、全国で進められて いるIT と医療連携のソフト等を利用し)、運用 に使用して行きたいと考えています。本事業に 興味のある会員は小生まで連絡いただきたい。

平成20 年度より日医の地域医療委員会の委 員を務めており、平成22 年3 月の九州ブロッ ク日医代議員連絡会議にて、唐沢日医会長から の諮問に対する委員会の報告と沖縄県の地域医 療研修ネットワークについて述べました。本年 度も多忙な1 年になりそうです。深酒を控え、 休肝日をもうけ体調を整えて日々を過ごしたい と考えています。会員の皆様のご意見、ご指導 よろしくお願い致します。

沖縄県医師会理事に就任して

大山朝賢

常任理事 大山 朝賢

民主党政権の誕生は47 都道府県の医師会長 選挙にも大きな影響を与えています。しかし 「地域に根ざした活力ある医師会」を理念とし てご活躍中の宮城信雄沖縄県医師会長は、これ までの実績が認められ、去った2月に開催され た第190 回臨時代議員会において本会の医師会 長として選出されました。誠におめでとうござ います。次いでながら、不肖私も理事継続を認 めて頂きました。大変光栄に存じております。 承認して頂きました代議員の諸先生をはじめ、 ご推挙頂きました宮城信雄会長や大城修北部地 区医師会長に感謝の意を表します。

私は県医師会理事就任当初から地域保健を担 当して参りました。地域保健と言えば、ほぼ医 療全般にわたりますが、担当理事としては、だ いたい予防の面、公衆衛生・環境問題に大きく 分けられます。

予防としての業務は、健康診査(健診)や健 康教育の面があります。平成20 年からはじま った特定健診や特定保健指導等を手がけました が、現在は玉井修理事が主担当になっておりま す。それから子宮ガン検診の助成金が出たとき の対応などの仕事があります。その他に沖縄県 献血推進協議会、健康おきなわ21 委員会、沖 縄県自殺対策連絡協議会等の委員として仕事が あります。公衆衛生や環境問題のほうは会合と して、沖縄県環境審議会、沖縄県公害審査会、 沖縄産業廃棄物不法処理防止連絡協議会等が あります。これらは主として県の文化環境部が 関与しています。少し変わっているのは、現在 進行中浦添市の事業、3 省(厚生労働省・経済 産業省・総務省)連携健康情報活用基盤事業 の構成委員であることです。3 省の方々もそう ですが、私自身もこの事業がうまくいくよう願 っていますし、また頑張りたいと思います。全 く毛色の違うのに、沖縄刑務所視察委員があり ます。オンブズマンとしての仕事が主ですが、 宮古島市や石垣市にあります拘置所の視察も仕 事に入ります。

他の沖縄県医師会理事と比較して、地域保健 担当理事の仕事は、公務員を含めた一般の方々 との会合が主ですので、ウィークデーの昼間の 委員会が多いです。そのため肉体的にはかなり 楽で、それに比べ昼間の自分の仕事が終わって から、夕方または夜7 時あたりからの委員会を 担当している本県の理事の方々には本当に頭が 下がります。

結びに宮城信雄会長を盛り立て、且つ、玉城 信光・小渡敬両副会長をはじめその他の理事と 協力しながら、足手まといにならないよう、よ りよき沖縄県医師会を目指して頑張りますので よろしくお願い致します。

理事就任挨拶

金城忠雄

理事 金城 忠雄

南部地区医師会の推薦を受け、第3 期目の理 事に就任することになりました。

医師会の活動範囲は、幅広くその多種多様さ は驚くばかりです。

医師会活動の一般社会で果たす役割の重要さ を認識自覚させられています。

私の担当は、産婦人科関連の母体保護法指定 医師の審査や、産業保健関連と労災・自賠責保 険等の担当をしています。

こんどの政権交代は、私ども医師会活動にも 影響を及ぼすことになりました。「地域産業保 健事業の見直し」です。これまで郡市区医師会 が行っていた委託先をこの平成22 年4 月から 都道府県単位に集約することになったのです。

あまりにも性急すぎ、不可能だと、お断りし たいが、医師会は「国民の生命と健康を守る」 のが使命との主旨で見直し案を検討することに なりました。

早速、各地区医師会の意見意向を伺います と、小規模事業所の労働者の健康を守る事業 は、重要なので是非とも継続をしたいとの強い 要望です。

県医師会事務局としては、現在でさえ業務過 多、オーバーワークではありますが、各地域医 師会の強い要望なので、新規の産業保健事業を 沖縄労働局と委託契約することになりました。

次に、(財)産業医学振興財団が都道府県医 師会に委託する産業医学研修事業ついて、国か らの補助金等が拠出できなくなり、産業医基本 研修は廃止され研修時間が少なくなってしまい ました。

労災・自賠責保険診療関連も、事業計画に沿 って労災保険指定医の労災部会や自賠責を扱う 損保協会等と協力して適正運用に努めたいです。

もう1 期とのことですので、心機一転、新た な気持ちで役目を果たして行きたいと思ってい ます。

会員皆様のご指導とご協力をよろしくお願い いたします。

理事の再任を受けて

當銘正彦

理事 當銘 正彦

宮城信雄県医師会長3 期目の理事会の一員と して、改めて理事を拝命することになりまし た。私自身は2 期目の務めとなりますが、理事 会を構成するメンバーとして各地区医師会から の代表に加え、公務員医師会への割り当て枠の ご配慮をいただいている執行部へ、深謝を申し 上げます。

毎週一回開かれる理事会は、正直なところ物 心共に相当な負担ではありますが、我々を取り 巻く医療・医政が抱える様々な問題に最短でア クセスできる絶好の場であり、また医師会とし て取り組む任務の重さを、日々実感するもので す。幸い、私の勤務する県立南部医療センタ ー・こども医療センターは県医師会館に隣接し ており、こればかりは心密かに“地の利”を喜 んでいます。

さて毎週の理事会への出席とは別に、各理事 にはいくつかの役務が割り当てられており、私 は広報委員会、医師会史編纂委員会、医事紛争 処理委員会を受け持っています。広報委員会 は、毎月の「沖縄県医師会報」の出版に向けて 記事の編集作業を行っていますが、その他にも 紙上座談会の企画や沖縄タイムスの「命ぐすい 耳ぐすい」、琉球新報の「Dr のゆんたくひんた く」への原稿募集の役目も担っています。幸い にも医師会報誌への投稿同様、新聞への投稿記 事についても、会員の皆様の献身的なご協力を 得て、無難に会務をこなすことができており、 この場を借りて厚く感謝の意を述べたいと思い ます。

医師会史編纂は、既刊の「沖縄県医師会史− 終戦から祖国復帰」に引き続き、「祖国復帰か ら新医師会館建設」までをテーマに編集作業を 行っており、来る8 月頃には発刊できる予定で ありますが、これは偏に友寄英毅、中村義清両 先生の多大なご尽力の賜です。ご両人のこれま での地道な医師会活動が生き字引の如く、医師 会史の編纂に見事なまでに結実しております。 乞う、ご期待です。

医事紛争処理委員会は2 〜 3 ヶ月に1 回程度 の頻度で行われており、稲田隆司先生の補佐役 として出席しますが、いつもながら医事紛争の 持つ複雑怪奇な一面を垣間見る思いです。

この様に理事として県医師会の役務の一端を 務めておりますが、もう一つ私に廻されてきた 仕事に日本医師会の「勤務医委員会」がありま した。2 年間の任期で、去る2 月19 日に任期最 後の会議を終えたところでありますが、この委 員会に参加できたことは、私にとって非常に貴 重な体験でした。2 〜 3 ヶ月に1 回の割で東京 駒込にある日本医師会館で会議が持たれるので すが、日医執行部の発言を直に聞けること、ま た全国から参集する委員の皆さんとの意見交換 ができることは本当に得難い経験で、リアルタ イムに日本の医療を考え、動かす場に臨めたよ うな気がします。唐澤会長から任期中の課題と して「医師の不足、偏在の是正を図るための方 策−勤務医の労働環境(過重労働)を改善する ために」とのテーマで諮問を受け、委員14 人 全員の分担執筆で答申案を纏めましたが、出来 映えはさておき、医療崩壊=病院医療崩壊と云 われる深刻な現状について考える大変に良い機 会を与えていただいたと思います。

この度、改めて2 年間の理事の任を引き受け るに当たり、我々公務員医師会も県医師会の一 翼として、誠心誠意、務めていきたいと思いま す。今後とも、会員の皆様のご指導を宜しくお 願いいたします。

就任挨拶

宮里善次

理事 宮里 善次

中部地区医師会の安里会長の推薦で、引き続 き2 期目の理事職を担当することになりまし た。よろしくお願いいたします。

1 期目は不慣れな上に新型インフルエンザの 大流行があり、担当理事として会員の先生方に は大変ご迷惑をおかけしました。と同時に第二 波の終了を目前にした時点で、死亡者をわずか 3 人に押さえきり、あの難局を乗り切ることが できたのは先生方のご協力のおかげだと感謝申 し上げます。

今回のインフルエンザ騒動の中で、反省点と して最も痛感したのは“情報の伝え方”でした。

厚労省や県対策本部から通達された情報や、県 医師会の理事会で決定された事項は県医師会事務 局から各地区医師会へFAX 転送しています。

各地区医師会はその内容を選択して会員の先 生方にFAX するため、情報格差とタイムギャ ップが生じていました。

新型インフルエンザのようにスピーディーな 感染流行をきたし、なおかつ情報量が多く、 日々変化する場合は、迅速で正確な情報を伝え て共有する必要があります。

そのような方法を求めて九州地区地域医療連 絡協議会で質問しましたが、どの県も当県と似 たり寄ったりのやり方でした。

そこで県医師会の理事会に“E メールを所有 する会員のメールリスト作成”を提案し、現在 広報委員会と事務局で検討が始まっています。 実用化に至れば、今回のような感染症だけでは なく、諸々の医師会活動に多いに寄与するもの と考えています。

さて、今年は当県で高校総体が開催されま す。日々の日常診療でご多忙とは思いますが、 はしかワクチンの接種や医療救護班のご協力を よろしくお願いします。

二期目の理事就任にあたり、引き続き宮城会 長を支えるべく、邁進していきたいと思います。

理事就任(再任)の挨拶

須加原一博

理事 須加原 一博

県医師会員の皆様に理事就任のご挨拶を申し あげます。琉球大学医学部附属病院長として、 再任され、理事に推薦していただきました。こ れまでの2 年間学術担当理事としていろいろ勉 強させて頂き、ありがたく感謝しております。 主な役割として、医学会総会の副会長としての 活動、地区医師会長会議や臨床研修病院長会 議、地域医療対策会議などへの出席、日本医師 会主催生涯教育講座伝達講習会の司会など担当 理事としての仕事があります。

県医師会長宮城信雄先生を中心にした県医師 会理事会の活動は、お忙しい中皆さん毎週火曜 日19 時30 分から2 時間以上に亘って県の医療 問題を討議し、改善・対策を立てていくもの で、その真摯な活動には敬服しているところで す。特に、新型インフルエンザ対策に対して は、担当理事が県と連携しいち早く堅実な対策 を取り、影響を最小限に抑えることができたこ とは周知の通りです。沖縄県の医師会活動の充 実と指導力の高さを示すもので、全国的にも注 目され特筆に値します。日頃の地道な医師会活 動の賜物と高く評価しております。

昨年度は、医学部増員に伴う地域枠学生への 県からの奨学金支援に加え、地域医療再生基金 事業でも県と県医師会の支援を得て、大学病院 が提案したクリニカルシミュレーションセンタ ー、地域医療総合寄附講座やがん対策などいく つか採択して頂いたことに深く感謝するととも に、これから地域連携をこれまで以上に強化 し、沖縄県全体の医療の向上と健康増進に少し でも貢献できるように努めていきたいと考えて おります。

医師会会員の皆様の温かいご支援とご協力の 程よろしくお願いします。

県医師会理事就任にあたって

佐久本嗣夫

理事 佐久本 嗣夫

この度、安里哲好中部地区医師会長の推薦を 受け県医師会の理事を拝命しました佐久本で す。私は西原町で整形外科クリニックを開業し ていますが、これまでは中部地区医師会の理事 として平成20 年から救急医療やスポーツイベ ント等を担当していました。中部地区医師会で も多くの事業を運営管理していますが、県医師 会となるとそれがさらに増えることは当然承知 しています。月に何通も送られて来る書類や県 医師会報誌を見てはその事業の多さ、内容に圧 倒されています。今後は私もそれらを担う一員 かと考えると重責すぎる気が致します。

さて10 年以上に渡る政府の医療費削減政策 のため医療界はどんどん疲弊の一途をたどって います。民主党新政権になってから期待すると ころもありましたが、今回の診療報酬改定率は ネット・プラス0.19 %と限りなく0 に近い数字 となっています。改革には少し時期は早いとは いえ民主党がマニフェストに掲げた社会保障費 の2,200 億円の定期削減の中止や医療費の OECD 加盟国並みの引き上げとはかけ離れたも のと思えます。平成18 年度中医協調査では収 支差額赤字の医科診療所は約17 %だったもの が平成21 年には28 %に増加しているようで す。それでも診療所再診料は引き下げられまし た。もちろん公立、民間病院もその経営はたい へんで、勤務医の労働も限界を超えつつあるこ とは承知しています。政府は診療所の収入がは るかに勤務医より多いとのことで診療報酬を勤 務医に回そうとしていますが、私には右手の傷 にガーゼをあてながら新しく左手に傷をつけよ うとしているようにしか思えません。両手揃っ てこそいい医療ができるのではないでしょうか。

医療人としてはこれまで行われてきた医療崩 壊を阻止しつつ、このような逆境でも保険料や 自己負担分増額となった地域住民には可能な限 りいい環境を提供するよう努力すべきだと思い ます。理事職としてはまだまだ新米の私にどの ような分野の仕事が与えられるのか、どれくら いのことができるのか全くわかりませんが、と りあえず与えられた仕事を理解し、効率よく良 質なものにするよう努力したいと思います。諸 先輩理事の皆様、関係者の皆様、どうぞよろし くお願い致します。

新執行部就任ご挨拶
〜元気な「班会議」・さらなる「病診連携」!〜

照屋勉

理事 照屋 勉

南部地区医師会長の名嘉勝男先生より推薦を 受け、今回、沖縄県医師会の理事を拝命いたし ました「てるや整形外科」の照屋と申します。 宜しくお願い申し上げます。

さて、大方の予想通り、「政権交代!」が現 実のものとなり、医療界におきましても、“体 育館民主主義”と言われる「事業仕分け作業」 によって、いろいろと仕分けされながら、順 風・逆風吹き荒れる予断の許さない情勢になっ てまいりました。民主党政権における主な医療 政策の概要は、1)「骨太の方針2006」を撤廃 する、2)「無過失補償制度」を創設する、3) 「後期高齢者医療制度」の廃止と、被用者保険 と国民健康保険を段階的に統合し「医療保険の 一元的運用」を図る、4)「包括払い制度」を推 進する、5)人口1,000 人当たり医師3 人をめざ し「医師養成数を1.5 倍」に増加させる、6)救 急・産科・小児科・外科・へき地医療などの 「医療提供体制再建」のため、地域医療計画の 見直しを支援し、臨床研修を充実させ、「現役 医師の有効活用策」で医療従事者不足を軽減さ せる、7)不払い残業の是正や当直を夜勤勤務に 改める等、「勤務医の就業環境を改善」させる、 8)医療従事者の職能拡大と定員増、救急搬送・ 救急医療の連携強化、地域医療を守る医療機関 を維持させる、9)レセプトオンライン請求を 「完全義務化」から「原則化」へ改める、10)安 心して生み育てることのできる医療をめざ す・・・などであります([参考]:フェイ ズ・スリー 2009.10.)。賛否両論あるかも しれませんが、さらなる「萎縮医療」・「医療 崩壊」とならないように、「十分な議論」と 「誠意ある実践」をお願いしたいと考えており ます。「鳩山内閣」のお手並み拝見・・・とい ったところでしょうか。今後の適切な舵取りに 期待する今日この頃であります。

ところで、南部地区医師会は、「豊見城 班」・「糸満班」・「与那原(南城)班」・ 「南風原(八重瀬)班」という四つの班に分 かれておりまして、月一度の意見交換会(班会 議)が行われております。今後の「日本医師 会」、「沖縄県医師会」、「各地区医師会」のあり 方を考えるに際し、ミニマムユニット(最小単 位)である「班会議」の活性化が最重要課題だ と思われます。A 会員・B 会員の垣根を取り除 き(南部地区医師会の班会議では、B 会員の先 生方の参加を推奨しております!)、元気のあ る「班会議」からの意見を地区医師会へ、地区 医師会の意見を県医師会へ・・・と、よりスム ーズな情報のやり取りが必要だと考えます。

また、沖縄県において、「県立病院改革」の 諸問題はまだまだ紆余曲折が予想されるところ でありますが、琉球大学病院・県立病院・民間 病院の連携という点で、この度、「クリニカル シミュレーションセンター(医療訓練センタ ー)」が整備されることは、特筆すべき画期的 な事業だと思います。医療の安全と質の向上を 目的とし、医師・看護師・その他すべての医療 従事者を対象に、人材の育成や復職支援を行う との事ですが、「地域医療再生基金」からの約 14 億円という予算をもって、琉大医学部の敷 地内に、2011 年度着工、2012 年度稼動の予定 となっています。今後の成果が、十分に期待で きるものと確信しております。

「各病院における地域連携室の設置!」・ 「診療情報提供書( 紹介、逆紹介) の普 及!」・「各疾患別の地域連携クリティカルパ スの充実!」・「女性医師バンク・ナースバン クの設立!」など、以前と比較して、かなり充 実してきた「病診連携」・「病病連携」・「診 診連携」ではありますが、まだまだパーフェク トではありません。地域医療の確保と充実、会 員相互の連携と親睦、生涯教育の向上・・・な どなど、小生的には、大袈裟な事はできないと 思いますが、微力ながら、「連絡係り」的な役 目をさせて頂きたいと考えております。今後と も、ご指導・ご鞭撻・ご支援・ご協力の程、宜 しくお願い申し上げます。

御あいさつ
−医事紛争処理体制の重層的強化へ向けて−

稲田隆司

理事 稲田 隆司

第3 期宮城執行部の理事を拝命致しました。 私自身は6 期めの理事職となります。5 期10 年 を終え、年令も40 代前半から50 代前半となり 月日の早さを感じております。この10 年、医 療安全対策や医事紛争処理に関わる認識は少し ずつ進歩してきていると思います。

システム論やTO ERR IS HUMAN の理念 はかなり浸透し、それに基づいて各医療現場で 各々の組織の見直し、改善が図られてきている と感じます。第5 期の終盤、その観点で県医師 会の医事紛争処理体制をふりかえってみまし た。1 つのリスクが考えられました。担当理事 の単層化といいますか、例えば、ブルペンに救 援ピッチャーがいない、もしくは肩慣らしをし ていない状況のリスクです。川平前理事の後を 受けて私も10 年前に新任理事として登板しま したが、投手経験もなく肩慣らしもないまま、 コントロールも定まらない状態であったと思い ます。見よう見まねで徐々に幾分は制球も定ま ってきましたが、この交代システムは、私のみ ならず歴代の担当理事が味わった戸惑いであり ます。これを改善すべく、理事会に次の様な内 容の提案をし、承認されました。

「医事紛争処理体制の重層的強化へ向けて各 地区医師会担当理事は、県医師会と協同し、医 事紛争処理にあたる」

この提案の狙いは、各地区の紛争事案を、そ の地区の担当理事と県医師会が協同して対策に あたる事によって、地区の会員の支援が強化さ れるのみならず、OJT にも似て、医事紛争処理 の経験を持つ理事が増えていく、すなわち、ブ ルペンの充実という事にあります。これを受け て、各地区医師会も心良く御協力下さり、充実 したタフな担当理事がそろいました(表)。今 後、担当理事一同協力し、より一層の医事紛争 処理体制の強化、医療安全対策に努めて参りま すので、会員の先生方の御指導、御鞭撻の程を お願い申し上げます。

追記

体制の見直しに際し貴重な御示唆を賜りまし た大島誠行先生に感謝いたします。

理事就任の挨拶

玉井修

理事 玉井 修

平成18 年沖縄県医師会理事に初めて就任し、 今回3 期目の理事就任となります。4 年前に就 任した当時は対外広報が主な仕事で、県民公開 講座やマスコミとの懇談会、県民との懇談会な どの企画運営がメインでした。対外広報を4 年 間やってきて、各マスコミにおいて人脈が拡が り、良い意味で顔見知りが増えました。県医師 会とマスコミ各社とはお互い立場の違いこそあ れ、県民の福祉に貢献するという目的を共有出 来るものと信じております。県医師会の気持ち を代弁できるチャンネルとして、この4 年間私 自身が果たしてきた役割は決して小さくはなか ったと信じたいです。請われれば決して拒まず に、本音の話をするためにどこへでも出向いて いきました。沖縄県医師会理事という肩書き は頭を下げるためについているのだと常々言っ てまいりました。それを実践し、私を信頼して ついてきてくれた事務局の努力は大変なものだ ったと思います。

理事として2 期目を迎えると、特定健診担当 の仕事が大きなウェートを占めるようになりま した。今や全国に模範となる特定健診集合契約 を締結するために国保連合会、被用者保険をメ インとする保険者との話し合いはまさに1 円を めぐる攻防であり、この様なお金の話を地方自 治体に丸投げした国の方針に憤りを感じつつ、 毎夜胃の痛くなる会議を繰り返しました。しか しここでも、この離島医療圏を抱え、マンパワ ーの限られた沖縄県において特定健診の集合契 約を締結することが県民福祉にとってどれほど 意義が大きいかを説きました。事務局には、た とえどの様な非難や中傷を浴びようと、この集 合契約を守ることが出来たら僕らは胸を張って 良いと言ってまいりました。そして1 円を巡る 様々な攻防をくぐり抜け集合契約締結を成し遂 げた後、私は国保連合会や協会けんぽをはじめ 被用者保険の皆様に対して強い連帯感を感じて おります。ラグビーで言えばノーサイド、各保 険者担当の方達は、今や私を最も理解して頂い ている方達となっております。

本来ならばもっとしっかり仕事をしなくては ならなかった救急担当理事としての仕事は、新 型インフルエンザ騒動の中でやや疎かになって しまいICLS やALS 講習会を充分企画できな かった事を反省しております。今回3 期目の理 事就任は、この4 カ年間私のやってきた様々な 仕事を評価して頂いた結果だと思い、喜んでそ して謹んでお受けすることに致しました。今後 とも会員の皆様の大きな支援を頂き、会員の皆 様のため、そして沖縄県民のために微力ではあ りますが一生懸命につとめさせて頂きたいと思 っております。

二期目の理事就任にあたり

平安明

理事 平安 明

浦添市医師会からのご推薦をいただき、県医 師会理事として再任頂きました。

この2 年間私が仰せつかった主な職務は「医 療保険」に関することです。詳しくは医師会事 業計画書等を参照していただきたいと思います が、その中でも“個別指導の立会”が一番重要 な役割であろうと自分なりに認識しています。 昨年末からこの医師会報でも“保険のひろば” として医療保険関連の内容を隔月で連載させて いただいていますが、保険診療のルールは我々 医療に従事する者の常識とは乖離している部分 が多々あります。“医療上必要だから”とか “患者さんのために”あるいは“良かれと思っ て”行った医療行為が「保険診療の請求ルール 上は違反である(あるいは算定要件を満たして いない等)」としてペナルティーを負わされる ということが起こってしまいます。

このことをまず会員の皆様に再度認識してい ただき、まともに行っている日頃の診療を“請 求のルール上不適切だから”といって医療機関 が不利益を被る事態をなんとか減らしたい、と の思いを強くしています。平成21 年4 月から、 個別指導に選定された医療機関を対象に希望が あれば、事前に書類の確認や実際の個別指導の 進め方等を情報提供することで、少しでも心理 的緊張を緩和し、当局の指導に適切に対処でき るような取り組みを始めました。しかし、指導 の通知が来てからでは十分な対策が立てられな いのが現状です。今後、実際関わった医療機関 のご意見等を参考にしながら、保険診療の適正 化について当会として出来ることをさらに検討 していきたいと思っています。

もう1 つ重要な事項として、平成22 年度診 療報酬改定があります。内容については既に 様々な講習会等でご存じのことと思います。メ リハリがついてよかった、と評価する団体があ る一方で、地域医療を担っている診療所関係に は非常に厳しい改定となったことは看過できな い問題です。医療全体が疲弊し崩壊の危機にあ る中で、医療関係者はその所属にかかわらず、 偏りなく全体に活力が出るような改定を望んで いたのではないでしょうか。今回の改定結果が どのような影響を生じるのか厳しく監視し、早 急に検証する必要があります。これは、当面の 日医が果たすべき役割として最も重要なことで はないかと考えています。

この2 年間を振り返ると、私自身保険診療に ついてほぼ無関心に近かった状態からのスター トでした。慌てて医科点数表の解釈を通読し、 前任の担当理事の先生にことある毎に携帯で連 絡を取り、手とり足とり物事の流れを教えても らいながら、まずは1 年間がむしゃらに職務を こなしてきました。2 年目になり少し余裕が出 てきたことで、先に述べたような取り組みを始 めた次第です。まだまだ不十分でいろいろな抜 けがあろうとは思いますが、引き続き皆さまの ご指導・ご鞭撻をいただきながら、職責を果た していくよう頑張っていきたいと思います。