『タイ発!地域医療再生の処方箋
−地域づくりから始めた医師夫妻24 年の歩み−』
「26 ショック」から約10 年、生活習慣の改善は少しずつですが改善しつつあります。多くの人が ウォーキングやジョギングを楽しむようになり、食育への取り組みも広がり始めました。しかし、健 診の正常者の数は10 %台にとどまり、外来は肥満、糖尿病、高血圧、虚血性疾患、認知症の患者でい っぱいです。
国民皆保険を施行しているタイのUbonrat 病院も、24 年前は患者であふれていました。当時、卒後 4 年目のDrs. Apisit ・Tantip Thamrongwaranggoon 夫妻は、質の高い医療を提供すれば住民は健康 でいられると、自信を持って医療過疎地の診療所に赴任しました。しかし患者は増える一方で、あま りの数の多さに一人一人の診療に十分に時間を割くこともできず、5 年目にはすっかり疲弊してしま いました。そこで患者があふれている理由を分析したところ、外来患者は次の4 群からなることがわ かりました。
そこで、Dr. Apisit とDr. Tantip は1)群と2)群を減らす活動を開始しました。地域のヘルス・セン ターにいるメデイカル・アシスタントの資格を持つ医療従事者を再教育し、ある程度までの健康問題 に対応できるようにしました。住民には、庭で薬草を育てることや、自分たちでタイ式マッサージを 行うようにすすめたそうです。すると多くの住民の体調がよくなり、次第に病院を受診する患者が減 りました。
ご夫妻はさらに、貧しい生活が健康に影響していることに心をとめ、村人とともに豊かな村の未来 図を絵に描き、実現に向けて取り組みました。
この取り組みが村全体に広がり、いまでは健康的で豊かな村に変貌しました。その取り組みはBBC でも取り上げられ、タイでは、お二人のTV ドラマも作られたほど注目を浴びています。そのほかに も、この医師夫妻はUbonrat 病院で次々と新しい試みを進めてこられました。地域ごとに糖尿病外来 の日を決め、巡回バスで迎えに行って、採血後に朝食を提供し、栄養教育や体操教室までプログラム を提供して外来受診の効果を高めたり、それまでにはなかった訪問看護を開始するなど、地域と一体 となった活動を展開されています。
このたび、Apisit ・Tantip 先生ご夫妻をお招きし、持続可能な地域づくりから地域医療を再生させたこれまでの歩みについてお話しいただくことになりました。つきましては、下記の日程で講演会を 開催いたします。沖縄の医療の問題への新たな取り組みの契機になると確信しています。多くの先生 方の参加をお待ちしています。
なお、この講演会は「平成21 年度文部科学省国際協力イニシアティブ事業:持続発展教育(ESD) 国際協力モデル形成」の助成を受けて行われます。
<市民公開講座>
(1)日 時:平成22 年3 月2 日(火)19 : 00 〜 20 : 30
(2)場 所:今帰仁村コミュニティーセンター
(3)講 師: Dr. Thamrongwaranggoon 夫妻 (タイUbonrat 病院)
(4)テーマ:タイ発!地域医療再生の処方箋
−地域づくりから始めた医師夫妻24 年の歩み−
(5)対 象:保健医療関係者及び関心のある方はどなたでも
(6)参加費:無料
(7)主 催:今帰仁診療所、 琉球大学医学部附属病院地域医療部
(8)共 催:三重大学地域医療学講座
(9)後 援:今帰仁村、沖縄県北部地区医師会、 NPO 法人今帰仁ふるさとネットワーク
(10)お問い合わせ:今帰仁診療所 TEL:0980-56-3581
<公開講演会>
(1)日 時:平成22 年3 月3 日(水)19 : 00 〜 20 : 30
(2)場 所:沖縄県医師会館2 階 会議室1
(3)講 師: Dr. Thamrongwaranggoon 夫妻 (タイUbonrat 病院)
(4)テーマ:タイ発!地域医療再生の処方箋
−地域づくりから始めた医師夫妻24 年の歩み−
(5)対 象:保健医療関係者及び関心のある方はどなたでも
(6)参加費:無料
(7)主 催:琉球大学医学部附属病院地域医療部、 今帰仁診療所
(8)共 催:三重大学地域医療学講座
(9)後 援:沖縄県医師会
(10)お問い合わせ:琉球大学医学部附属病院地域医療部 TEL:098-895-1331(直通)
※講演は英語で行われますが、日本語の通訳があります。