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携帯電話基地局について

新城哲治

西崎病院 新城 哲治

“電磁波”と聞いて皆さんはどのような印象 をお持ちでしょうか?携帯電話基地局の設置 後、マンション住民に出現した症状に関して御 理解頂きたく投稿いたしました。私自身が体験 した事実をお話します。

平成12 年に私が住んでいたマンションに携 帯会社の800 メガヘルツの携帯基地局が設置さ れました。同年私たち一家6 人は3 階に入居し ましたが基地局の件は知りませんでした。当時 から電球が切れやすい、テレビの映りが悪い等 のことがありました。長男に不整脈が出現した ため小児循環器の専門医に診てもらい経過観察 となりました。

平成16 年に最上階に引っ越しました。

平成20 年3 月に更に2 ギガ(1 ギガ= 1,000 メガヘルツ)の携帯基地局の設備が追加される ことになりました。設備の更新という事で住民 説明会はなく、住民決議もありませんでした。 新しい2 ギガの携帯電話基地局のアンテナとバ ッテリー装置は私たちの部屋の屋根に直接設置 され、その後に恐ろしい症状が次々と出現しま した。最初は長女に鼻血がでました。鼻血は通 常の静脈からの出血ではなく動脈からの出血で した。半日以上出血が持続したため、耳鼻科を 受診して右の鼻の動脈を焼いて止血してもらい ました。数日後、反対側の動脈から出血したた め救急病院を受診し再度、止血してもらいまし た。次女は極度の眠気が出現しピアノを弾いて いるときでさえも眠り込んでしまうようになり 驚いたピアノの先生から連絡がありました。三 女は今まで一回も鼻血を出した事はありません でしたが今回初めて鼻血を出しました。長男は 勉強中に頭を上げると意識が遠のく感じになり 200 回/分の頻脈、不整脈も出現しました。私 は頭痛、不眠が出現し眠る前に大量に飲酒をし て午前1 時頃に眠りましたが朝3 時には頭痛で 目が覚めました。高速道路での運転中に意識が 遠くなり危うく事故を起こしそうになったこと もありました。妻もめまい、頭痛、ろれつ難、 意識が遠のく等の症状が出現し車を民家の壁に ぶつけてしまった事もありました。当時は毎週 電球が切れ、テレビも殆ど映らなくなっていま した。これらの経過から電磁波による症状に間 違いないと考え引っ越し先のマンションを探し ました。しかし6 人家族が入れる部屋が無く、 止むを得ず10 月26 日にウィークリーマンショ ンに緊急避難しました。ランドセルや学校の 鞄、教科書、制服等と身の回りのもの最小限を 車に積めて泣きながら移動しました。引っ越し てから1 週間後には家族全員の症状が改善しま した。1 ヵ月後、賃貸マンションに引っ越しま した。

平成20 年12 月17 日夫婦で携帯会社の担当 者に会い、現状報告と基地局撤退を強く申し出 ました。翌日12 日18 日マンションの理事会に 参加し私達家族に起こった健康被害を報告し住 民説明会の開催を申し出ました。説明会の際、 多くの方々が身体症状を訴えてきたためアンケ ート及び聞き取り調査を行いました。頭痛、不 眠症、めまい、飛蚊症、極度の視力低下、眼 痛、鼻血、耳鳴り、嘔吐、強度の倦怠感、意識 消失、関節痛、精神錯乱が多数みられました。 また顔面神経麻痺、メニエル病、甲状腺腫瘍、バセドウ病、橋本病、味覚障害、狭心症、前立 腺肥大、腫瘍(舌癌の再発)もおりました。ペ ットの犬、小鳥、金魚、メダカが死んでしまっ た方もいました。更に家電設備(照明、冷蔵 庫、洗濯機、電子レンジ)の異常もありまし た。ある住民は10 年前から絶滅危惧種である メダカを繁殖させて川に放流するというボラン ティア活動を行っていました。しかし今年生ま れた稚魚は背骨が曲がっており40 匹中、36 匹 が死んで4 匹のみ生き残ったそうです。これら のすべての症状は2 ギガのアンテナ設置後に起 こっています。

携帯会社により電磁波の測定が行われました が、その結果は「電磁波の強さは総務省の定め る基準以下でありマンション住民の健康被害と の因果関係はありません」との回答でした。

マンションの理事会で基地局の契約更新はし ない事を決定し、更に住民の症状が深刻である 事を携帯会社に訴えアンケート調査の結果を報 告し早期の撤去を求めました。

平成21 年2 月に2 ギガのアンテナの停波、同 年6 月に800 メガヘルツの停波、8 月に全ての 基地局設備の撤去が行われました。その後、住 民の症状は回復しています。また家電設備の異 常もなくなりました。

以上の様な経過があり私は携帯電話の基地局 設置の際には慎重に検討すべきであると考えて います。

電磁波に詳しいジャーナリストである「加藤 やすこ」氏のサイト「VOC-電磁波対策研究 会」(http://homepage3.nifty.com/vocemf/) で海外の研究の訳文をダウンロードできますの で参考にしてください。

追加:私のマンションの記事が9 月18 日発売 の「週間金曜日」に“住民が次々と鼻から出血 するマンション”として掲載されております。 この記事を読んだ全国の方々から同様の症状を 訴える報告が多数届いています。