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第109 回九州医師会総会・医学会及び関連行事

常任理事 大山 朝賢

去る10 月30 日(金)から11 月1 日(日)の3 日間にわたり、福岡市にお いて九州医師会連合会総会・医学会関連諸行事が開催されたのでその概要を 報告する。

T.九州医師会連合会臨時委員総会

日 時:平成21 年10 月30 日(金) 午後5 時〜
場 所:ホテル日航福岡(都久志の間)

標記臨時委員総会は、30 日(金)の午後5 時から開催され、司会より開会が宣された後、 横倉義武九州医師会連合会長(福岡県医師会 長)より下記のとおり挨拶があった。

横倉九州医師会連合会長挨拶

政権交代後初の臨時国会が今週招集され、鳩 山首相は所信表明演説の中で財政のみの視点か ら医療費や介護費をひたすら抑制してきたこれ までの方針を転換すると述べられた。現在の地 域医療は正に崩壊の危機に直面しており、先日 の日医代議員会においても様々な議論があった が、我々は国民の健康と生命を守るため、いま こそ一層の結束を固め日本医師会を支援しつ つ、各地域医師会からこの難局を乗り越えなく てはならないと信じている。また、新型インフ ルエンザによる入院患者が3,000 人近い数にな り、30 人を超える方がお亡くなりになるという緊急事態になっている。やっと医療従事者へ のワクチン接種が開始されたが、接種回数や優 先接種者についての混乱も見られている。

先日、九州各県の保健医療福祉主管部長との 会議が開催され、その場でも各県の対応につい て様々な意見が飛び交った。90 年ぶりとも言 える新型インフルエンザへの対応について、行 政とも密に情報を交換しながら、共に乗り切ら なければならないと考えている。

本日は平成21 年度の事業現況、歳入歳出現 計等の報告と明日開催される九州医師会連合会 総会における決議案等についてよろしくお諮り 賜りたい。

その後、唐澤人日本医師会長、西島英利参 議院議員より祝辞が述べられた。

来賓祝辞

【唐澤人日医会長】

九州医師会連合会の諸先生方には、日頃から 日本医師会の会務運営に対し深いご理解の下に 多大なるご支援ご協力を賜っており、この場を お借りして心より感謝申し上げる。皆様ご高承 のとおり、わが国の医療は国民皆保険制度とそ れぞれの地域の実情に応じて構築されている医 療提供体制が車の両輪のごとく機能し、さらに 先生方をはじめとする医療関係者の皆様の献身 的なご努力により、世界に冠たる医療を提供し てきた。しかし、政府の長年にわたる医療費抑 制政策により、各医療機関は経営悪化の一途を 辿るばかりか、医師不足、偏在を招き、地域医 療は正に崩壊の危機に瀕している。このような 窮状を改善するためには、早急な医療費の引き 上げによる医療全体の底上げが必要であり、日 本医師会は社会保障費の機械的削減の撤回を求 めてこれまで政府与党をはじめ、関係各方面に 対し精力的に活動を展開してきた。このような 中で先の総選挙において政権交代が実現し、民 主党を中心とする鳩山新内閣が発足致し、その マニフェストには削減撤回が掲げられている。 日本医師会は削減撤回に止まらず、社会保障の 充実に向けて一層働きを強めて参ると共に、国 民が安心して生活できるよう、医療提供者の立 場から医療をはじめ、国民生活を支えるための 政策を提言して参る所存である。本日お集まり の九州医師会連合会の先生方におかれまして は、日本医師会が提唱する医療政策に対して深 いご理解と格段のご支援ご協力をお願い申し上 げる。

九州医師会連合会におかれましては、これま でも地域の実情をふまえ医療に関わる種々の問 題について非常に熱心に取り組んで来られ、そ の長い歴史と共に確かな実績と着実な成果を上 げられておられることは高く評価されるもので ある。これからも日本医師会が推進する医療政 策に対して、深いご理解と絶大なるご支援ご協 力を賜るようよう改めてお願い申し上げる次第 である。

【西島英利参議院議員】

26 日から臨時国会がスタートした。今日ま で代表質問が行われ、社会保障に関して幾つか の論点があったが、そのほとんどが何も決まっ ていない状況の中での答弁であった。様々な課 題がどのように動いていくのかまだ分からない 状態である。そのような中、先日95 兆円とい う空前の概算要求が出されたが、この中に診療 報酬改定の金額は入っておらず、今後この金額 は決められるとのことである。一説には3,000 億円を要するという話があったが、現在、国の 4 分の1 の税金が診療報酬に入っており、3,000 億円を用意するということは、1 兆2,000 億円 の引き上げになるわけであり、残り9,000 億円 を一体誰が負担するのか整理されていない中で の概算要求である。

また、新型インフルエンザ予防接種による健 康被害の救済等に関する特別措置法と外国産ワ クチンによる健康被害が起きた場合は国が面倒 を見ることを外国の企業が求めていることから その法律を早急に制定しなければならないが、 これが通らなければ、外国からの輸入が出来な い状況にあるため、私も厚生労働委員として速やかに成立させるよう努力していきたい。ま た、これに関連して、予防接種をした医師が副 作用が出た場合の責任を負わされるのではない かとの声をお聞きするが、これについては国か らの委託契約となっていることから国が責任を 負うことになっていることを確認した。

また、社会保険病院、厚生年金病院をそのま ま存続させるための独立行政法人を作るための 法案である独立行政法人地域医療機能推進機構 設置法案も出される。そもそも社会保険病院、 厚生年金病院は建物も土地も国の財産である。 今、独立行政法人を整理しようとしている中、 新たな機構を作って、そこで運営をしていくこ とに私は若干の問題があるのではないかと思っ ている。国の財産である以上、独立行政法人の 国立病院機構にすれば良いと思っており、この 議論は厚生労働委員会で行われるのでしっかり 議論していきたいと思っている。

いずれにしても今回の臨時国会は短期にな る。厚生労働省関係では以上の2 案の法案のみ であるがしっかりと議論し、先生方が安心して 医療を提供出来、患者さんが安心して医療を受 けられる環境づくりに全力をあげていきたい。 今後のご指導ご協力を賜りたい。

報 告

1)第307 回常任委員会について(福岡)

座長の横倉会長より、当臨時委員総会に先立 って開催された標記常任委員会について報告が あった。

2)九州医師会連合会事業現況について(福岡)

松田委員(福岡県)より資料に基づき、平成 21 年9 月30 日までに行われた九州医師会連合 会事業(常任委員会、委員総会、各種協議会 等)及び関連行事について報告が行われた。

3)九州医師会連合会歳入歳出現計について (福岡)

山岡委員(福岡県)より資料に基づき、平成 21 年9 月30 日現在の九州医師会連合会歳入歳 出現計について報告があった。

なお、歳入・歳出合計並びに差引残高につい ては下記の通り。

歳入合計 72,737,240 円

歳出合計 12,863,486 円

差引残高 59,873,754 円

4)第109 回九州医師会医学会及び関連行事 について(福岡)

松田委員(福岡県)より資料に基づき、10 月30 日(金)の前日諸会議、31 日(土)の合 同協議会、総会・医学会、11 月1 日(日)の 分科会、記念行事について報告があった。

議 事

第1 号議案 第109 回九州医師会連合会総会 の宣言・決議(案)に関する件

座長の横倉会長より提案理由の説明が行われ た後、松田委員(福岡県)より宣言・決議(案) の朗読があり、審議した結果、原案のとおり承 認され、翌31 日(土)の総会に上程すること が決定された。