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平成21 年度都道府県医師会税制担当理事連絡協議会

副会長 玉城 信光

去る11 月21 日(木)、日本医師会館におい て標記連絡協議会が開催されたのでその概要を 報告する。定刻になったので、今村聡常任理事 司会のもとさっそく会議が開始された。

挨 拶

唐澤会長

税制につきましては、会員の医療機関に直結 する問題として医療にかかわる税制を守るべ く、医業税制検討委員会をはじめ十分に議論を 行うとともに従来どおり関係各方面に働きかけ をおこなっている。税制面については、まだ理 解いただいてない部分多い。

本日はすでに案内のとおり、平成22 年度税 改正要項について、また、税制要望の進め方に ついて、本会と各都道府県医師会の先生方との 間で認識を共有し、今後のわれわれの活動につ いて役立てたい。医療や介護を担う病院、診療 所等が医業経営の安定をはかり確固とした経営 基盤を作っていきたいと思っている。

協議(今村 聡常任理事)

1.平成22 年度 税制改正要望について

(1)税制要望項目につて

日医は、医業税制検討委員会を会内に設けて いる。これは、日医の役員、都道府県医師会の 役員の先生、四病協からの代表、会計士などで 構成して、例年日本医師会の要望をまとめてい る。平成22 年年度の税制に対する意見につい て報告する。

日本医師会は、この数年間「消費税対策」を 重点項目としてあげている。社会保険診療報酬 が非課税になっていることで医療機関に非常に 負担が発生しているということで、解消すべき 要望として、一番目に社会保険診療報酬等に対 する消費税の非課税制度をゼロ税率、課税には するが税率はゼロだと、もしくは、これができ ないのであれば課税を軽減にするよう要望を一 番にあげた。

中医協のなかで平成9 年に、次の消費税率を 上げるときに抜本的に制度を改めるような附則 が付いているため、なかなか要望を出しても例 年根本的に改めることもなく医療の現場は、毎 年々の消費税負担を負っているということもあ って、のちほど日医総研の調査したデータにも あるが、一次的にではあっても、抜本的な解決 ができるあいだに緊急措置として、設備投資、 建物の建て替えやCT などを購入した時に発生 した消費税については、仕入れ税額を控除する ような特例措置を設けて欲しいとして、これも 要望にあげている。

次に、「女性医療関係者就業対策」として、 事業所内託児所の固定資産税等減免をあげてい る。ほかに、「予防医療」が重要ということで、 がん検診への医療費控除適用をあげた。現在検 診を受け、がんということがわかった場合は、 遡ってその検診も医療費の控除になるが、がん でなくても、精密検査を必要としたケースにつ いては、すべて検診部分も含めて医療費控除に して、少しでも国民の皆様ががん検診の受診の インセンティブになるようにということでこう いった要望をした。

「たばこ税」の税率のひきあげについては民 主党のあいだでもかなり議論をしているところ である。これは実現の可能性もあるものと思わ れる。

「社会医療法人対策」ということで、あらた に一昨年にできた医療法人のなかで、非常に公 益性が高いということで、4 疾病5 事業1 のなか で5 事業について、ある一定の要件を満たした 法人について社会医療法人2 ができた。社会医 療法人は法人税が医療本体非課税で、先生方も ご存知のとおり、医業はサービス業ということ で、課税の対象になっている。医療関係者は、 公益性の高い医療をおこなっているけれども国 税のうえでは収益事業ということで、税の対象 になっている。社会医療法人については非課税 にするという。穴があいたような、医療の公益 性ということを国が認めたということは非常に 大きな意味があった。

社会医療法人の税制というのは、一昨年認め られ昨年は日医が要望していた社会医療法人の 固定資産税も非課税になった。

今回は、公益法人制度改革の中で、寄付税制 のなかに医師会などに寄付をした人に非課税と いうのがあるが、社会医療法人には、地域の方 たちが寄付をしても優遇税制措置がないので、 今回適正に担保するよう要望をした。

「事業税対策」で、社会保険診療報酬を事業 税非課税3ということで、今まで自民党が与党 であったときに、政府税調は、社会診療報酬事 業税は課税にするということで、毎年いわれて いたが、与党自民党税調の中で最後は非課税と いうことで、期限がなく、いままで医療機関の 社会保険診療報酬の事業税が非課税になってい た。日医も毎年々強い要望をしてきた。先ほど 国税ではなしたように社会保険診療報酬は国税 では課税になっていると、地方の事業税は非課 税になっている。本来、国に税で課税になって いるものを地方で非課税になっているのはおかしいということで、自治体からの非常に強い圧 力がある。いままでなぜ事業税が非課税になっ たのかというと、昔からの経緯も当然あった。 そういった経緯はかなり無視をされて議論がさ れている状況にある。昨日、今日も行っている が、行政刷新会議の事業仕分けの中で、診療報 酬の話がでているのに、医師の優遇税制はどの ようになっているのかなど、非常に乱暴な議論 の中で、こういったことが議論されはじめてい る。非常に危機感を持っているので、引き続き 事業税の非課税を上げさせた。医療法人の事業 税は、軽減税率になっているのでこれを継続し ていきたい。

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1 「4 疾病5 事業」がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療(小 児救急含む)、都道府県知事が特に必要と認める医療。

2 2009.03.03 琉球新報(一部抜粋)

県福祉保健部は、ハートライフ病院と中頭病院を、地域で特に必要な公益性の高い医療を提供する法人「社会医療法 人」として認定し、2 日、県庁で認定書を交付した。社会医療法人の認定は県内初。社会医療法人とは従来、公立病院な どが担っていた医療を民間の医療法人が積極的に担う目的で、2007 年の医療法改正で創設された。救急搬送件数などの 一定の基準を満たすことや、運営上の水準などから認定され、税制上の優遇措置がある。

3 沖縄県の事業税:個人事業税 医業(課税所得× 5 %)法人事業税(所得× 5 〜 6.6 %)(出所:県税務課)

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「産科医療対策」については、1)分娩を取り 扱う産科・産婦人科の自由診療報酬部分の正常 分娩にかかる所得から事業税の課税対象から除 外。2)分娩を取り扱う産科・産婦人科を担う診 療所の法人税の大幅軽減あるいは医師の所得税 の大幅軽減。3)一昨年実現した周産期医療の連 携を担う分娩施設に係る不動産取得税減免措置 の適用期限の延長。22 年で期限が切れるので、 延長していただきたいとして要望した。

次に、「勤務医師に対する対策」として、勤 務医師に対する所得税の軽減。4 疾病5 事業に 係る医療機関が勤務医療従事者の短時間正規雇 用を導入した場合の当該医療機関に対する税制 措置を要望した。

「事業承継対策」として、事業が承継された 医療機関が地域医療を担っていくために必要な ものとしてあげた。中小企業には認められてい る。医療機関についても、相続税と贈与税の改 善を求めた。

「設備投資対策」として、1)医療用機器のも のとして特別償却制度の拡充、2)中小企業投資促進税制の適用期限延長及び拡充、3)情報基盤 強化税制の適用期限延長、4)転換型老健の固定 資産税等の減免、5)病院・診療所用の建物の耐 用年数の短縮、6)耐震構造・防火設備の税制上 の特例措置などを要望した。

次に、租税特別措置4 については、民主党の 方で廃止を前提に議論をしいる。特別措置を持 つことによって、何か政策的効果がはっきりし ているものは、継続として可能性はあると思 う。原則は廃止ということである。このような 部分も非常に心配をしているところである。

次に、「社会保険診療報酬の所得計算の特例 措置」として、いわゆる四段階制による計算と いうことでこれも特例措置ということで存続を 要望した。診療所にとっては、大変大事な税制 で、多くの医療機関ではないが、一部の医療機 関が採用している。非常に規模が小さ くて事務もおけないはっきりした経費 をつかめないときに概算を採用してい るところがまだまだ多い。この措置が なくなるということのないよう、必要 な措置を講ずるということである。こ れは租税特別措置なので、これがなく なると大きな影響がでることになる。

次に、「医療法人の税率の引き下げ」、 介護費用にかかる所得控除。福祉病院5 の固定資産税等の非課税措置を恒久化 していただきたい。いうような要望を させていただいた。これらが、平成22 年度の日医の要望ということである。

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4 租税特別措置法(昭和32 年3 月31 日法律第26 号)は、国税に関する特例を定めた法律である。

所得税法、法人税法、相続税法、地価税法、登録免許税法、消費税法、酒税法、たばこ税法、揮発油税法、地方道路 税法、石油石炭税法、航空機燃料税法、自動車重量税法及び印紙税法に対する特別法に位置付けることができると共に、 国税通則法において規定される利子税等の割合に関しても特例を置いている。

5 福祉病院:一般社団・一般財団に移行した無料低額診療事業を行う病院。

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従来であると、8 月ごろ税制をまと めたものを、与党の厚生労働委員会の 先生方、自民党の税調に委員の先生方 に全部ひとりひとり要望書を持って回 ってきた。今回から、税制の決め方仕 組みが全く変わってしまった。従来の 説明の仕方がうまく機能しないということもあ り、そのようななか、いままで財務大臣、総務 大臣、総務副大臣、厚生労働大臣、厚生労働副 大臣のところには要請にいった。厚生労働大臣 には、あいさつだけになっている。副大臣には かなり詳しく説明をした。政府税調のなかで厚 生関係については、副大臣が説明をすることに なっている。事業税等の非課税については、か なり強くこの税制を守って欲しいということを 要請している。

したがって、それなりに説明をすることの重 要性はいままでと変わらないと思うが、政府税 調の委員の名簿があるので、各地元からでてお られる議員の先生方がいると思うので、是非懇 意にされている先生方がいれば、今後の税制改 正の要望に繋げたいので、お願いをしたい。

消費税の実態調査である。平成16 年度と平 成17 年度と過去のデータとなっている。上の 表の場合、左側から私立医科大学病院、自治体 病院、第3 セクター病院、医師会病院となって いる。カッコ内は調査した件数 で、グラフの上に記載した数字 は、社会保険診療報酬の売上げ に対して控除できなかった、病 院が負担をした消費税の金額の 割合だ。つまり、私立医科大学 は診療報酬全対の売上げのなか で、2.7 %の金額を余分に負担 したということだ、経費を含め ての金額だが、ここに出した 2.7 %は実質的な金額だ。物凄 い金額を消費税負担として支払 っていることになっている。

私立医科大学の控除できなか った消費税を、下の表に示した。 366.6 というのは結局消費税を3 億6,600 万円余分に支払ったこ とを示している。例えば年収 300 万円の医療従事者を100 人 以上雇えるほどの金額を病院は 余計に支払ったことになるので ある。同じように、自治体病院 が2 億2 千万円、第3 セクター 病院が1 億2 千万円、医師会病 院が5 千万円を支払ったことに なっている。

これは、病院だけのことでは なく、診療所でも2.2 %、有床診療所でも2 % ぐらいは控除できない消費税を支払っている。 これについては、平成元年と平成9 年に診療報 酬に補填しますということで上乗せされたもの がある。それは財務省の計算では、当時1.53 % を上乗せするという、それで問題は解決済みと いうことになったが、資料に示したとおり、 1.5 %、3 %まるまる診療報酬に上乗せしている としても足りていない。改定以来2.7 とか2.8 とか、つまりそのぶんは各医療機関が負担をし ているのである。医師優遇税制といわれながら 一方で、毎年々非常に大きな矛盾した問題があ る。このデータが古くなったとして、改めて日 医総研が先生方の協力を得て調査を行った。

無床診療所と有床診療所は2.1 %、平成17 年度から負担が変わってない。一般病院、療 養、精神、その他の病院についてであるが、病 院の種別によって、一般病院の方が高く、療養 病院、精神科病院のこの2 つは、1.5 %前後な ので、それで十分かというとそうではない。病 床規模からみた場合、大病院になればなるほど 建物や高度の医療機器を入れるとかで、当然消 費税の負担が大きくなるということで、やはり 500 床ぐらいを境にして、非常に消費税の負担が大きくなるという。ところが、上のデータを 見ると、いわゆる経常的発生するものと、ある 年なにか設備投資をしたためにその年だけ急激 に発生しているものもあり、データは、どの医 療機関でも2 %ぐらいは負担が経常的に発生し ている。白く表示された部分はその年に設備投 資が大きかった年は大きな負担になる。したが って、平成22 年度の税制要項で、あえて設備 投資の部分は控除するよう要望はこのエビデン スに基づいて行っている。経常的なところでは 抜本的な話になるので、このよ うに突出しているところは、病 院にとっては一時的に多額の消 費税が出ることになる。病院や 診療所でも設備投資によって発 生した消費税は担保していただ きたいことを要望した。

平成元年および平成9 年の診 療報酬改定における控除対象外 消費税6 の補填とその現況とい うことで、平成元年0.76 %、平 成9 年0.77 %、合算して1.53 % 上乗せになっているが、診療報 酬に補填されたという部分、特 に診療報酬の本体平成元年が 0.11 %、平成9 年が0.32 %ある がこれが経年的にどのようにな っているのかを見ると、実際度 重なる診療報酬改定の中で、無 くなってしまったり、包括され てしまったり、実際には十分な補填はなされてない。そのような実態を項目で 調べた上で、報告をさせていただいた。病院の 種別をみると、6)の縦の行を見ると実際それぞ れの病院で薬剤や特定保険材料など、診療行為 に上乗せされた分に掛け算をしていくとどのよ うになるのか、例えば精神科病院は診療報酬の 中で、0.58 %、つまりこの精神科の病院では、 診療報酬の消費税の分の上乗せは0.58 %しか 補填されてない。さきほど、社会診療報酬控除 対象外の消費税の割合が精神科病院と療養病床 の病院は少ない、1.5 %ぐらいしかないと申し 上げたが、実は補填されている金額は少ないの で、結局差額の1 %は病院の負担になってい る。同じように療養病床も診療報酬、保険材料 に補填されているものが少ないので、結局は診 療報酬の1 %ぐらいは消費税の持ち出しになっ ている。どの病院も全て消費税の持ち出しがあ ることが判る。最後に日医として次のことをポ イントとしてあげさせていただいている。控除 できない消費税の負担を設備投資から生ずる部 分と年度費用から生ずる部分と分けて、大きく 変動する部分は設備投資となっているので、年 度費用からでる消費税というものは、恒常的に あるので2 つに分けられて年度ごとに大きく変 化するものは、その年に消費税として控除して くださいと。それから、精神科病床や療養病床 は補填の部分が少ないので他の療養機関と同様 な負担を行っている。

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6 控除対象外消費税問題(損税問題)について(沖縄県医師会報2006 年10 月号抜粋)

新聞紙上等で財務省は2011 年までにプライマリバランスをゼロにするために徹底的な歳出削減、歳入の増加を確保す るために、一番にあげているのが消費税の問題である。医療機関には言われなき消費税があるため従来、控除対象外消 費税(損税)が発生している。

仕入税額控除とは何か?

仕入れにかかる税額のうち課税売り上げに対するものだけが控除できる。

→非課税売上(診療報酬)のための仕入れにかかる消費税額は仕入れ税額控除の対象にならない。 平成17 年6 月に実施した中医協の医療経済実態調査によると、改定の際1.53 %の消費税負担相当額が補填されたこと になっており、控除対象外消費税負担額を試算すると、上乗せされていると仮定したものと、上乗せなしの比較では慢 性期病院より精神病院の負担が大きく、更に急性期病院の方が負担が大きいことが調査結果でわかった

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−消費税非課税の問題−

大変悩ましい問題で、以前に消費税は非課税 ということを日医が要望したのではないかとい うことが言われている。当時の執行部としては やむ得なかったのではないかと。それでは、海 外はどうなっているのか、医療というものが、 そもそも消費税がどういう取り扱いを受けてい るのか、今回参考として調べてみた。EU の加 盟国では、EU に加盟するにはEUDirective7 に則って、社会保険対象の医療は、付加価値税 は非課税となっている。したがって、ドイツか らノルウェイまでの21 カ国が非課税となっている。今後の、議論の進め方によっては、日医 がいろいろな要望を出していることに対して、 海外の事情はどのようになっているのかと必ず 出てくる可能性ある。日本だけが患者さんに課 税をするのかいう議論が起こりうる。この辺は 理論的に適切に説明が求められてくる。結果と して、日本のような問題がなぜ起こらないの か。ヨーロッパの場合には公的な医療機関が主 となっている。民間が医療を担っている割合が 非常に少ない。公的なところは、予算性で運営 されているため全て含まれている。イギリスは NHS8、GP(家庭一般医)でも、消費税はある がそれに対応する報酬がまとまって入ってく る。患者さんに対して、医療は非課税その部分 はわりと受け入れられている。しかし、ドイツ の民間の病院はものすごく税率が高いので負担 が大きいということで、訴訟を病院がおこした が負けてしまった。社会問題として日本の医療 機関が抱える多くの問題はないとのこと。この 辺をよく比較検討しながら要望をしていかなく てはならないと考えている。

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7 Directive (European Union)指令(欧州連合)

8 NHS(National Health Service)イギリス国営医療サービス事業、患者の医療ニーズに対して公平なサービスを提供する ことを目的に1948 年に設立され現在も運営されている。General Practitioner(GP)

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〈質問〉

宮崎県:基本的な質問であるが、非課税・軽減 税率・ゼロ税率の違いはなにか。

(回答)

先ず、非課税になると消費税法のなかからは ずれる。消費税とうのは、最終的な消費者の負 担であって、中間的な事業者は負担しない。中 間的な事業者は自分が事業をする上で、仕入れ とかに対して払った税金と、いろんなものを売 って入った税金との差額が多ければ国に治め る。少なければ還付してもらう。要するに、中 間の事業者は常にプラスマイナスゼロになるよ うにできている。ところが、消費税非課税とな るとその瞬間にその仕組みの外にでていく。足 りない場合は、戻してくれる仕組みがなくなっ ている。医療機関は、医療が非課税になったた めに、払い過ぎているのであるから本来であれ ば、戻してもらえるものが戻してもらえないも のは非課税。ゼロ税率は、消費税の仕組みにあ り税率がゼロであり、負担をした税金と、患者 さんから受け取る税金との差額を国から戻して もらう。したがって、消費税がゼロ税率になっ た瞬間から全ての医療機関は国から還付される ことになる。日医はゼロ税率の要望もしている ところであるが、政府は全ての医療機関に戻す ということになるので、現実的には難しいと思 われる。しかし、患者さんの負担を考えると、 簡単に税率をこちらから申しあげられないの で、ゼロ税率ということで要望をしている。そ して、仮に軽減税率が2 %になれば、社会保険 診療に関わる医療費の2 %を課税して、医療機 関は仕入時の薬とか医療機器の納入とか設備投 資にかかった本来の消費税と患者さんから預か った税との差額を、もらい過ぎいていれば支払 う。足りなければ返してもらう。プラスマイナ スゼロになるようにする仕組み。ゼロ税率と軽 減税率では、医療機関にとっては中間業者とし ての最終消費者ではなくプラスマイナスゼロの 世界になる。非課税になった瞬間から最終消費 者となったため国から戻してもらえなくなっ た。患者さん側から見ると、非課税もゼロ税率 も同じだが医療機関側からはまったく違った仕 組みになった。

−医療機関に関わる税制問題−

いままでの税制は、何かと日本医師会が、全 面的に国や総務省に要望をしてきた。今後は、 都道府県との地方の税に関わる部分が非常に大 きくなるのではないかと思われる。改めて、大 事なポイントを申し上げると、税制について、 とりわけ地方税と国税いわゆる租税特別措置の 医療機関に対する特例措置等が見直しの対象と なった場合には、医療機関に大きな影響が及ぶ ことが懸念される。医療機関に対する地方税の 各種非課税措置等について、論点を整理して日 本医師会が行うもの、都道府県医師会や郡市医師会が行うべき役割などをまとめた。

先ず、地方税と地方分権改革9 の流れで、地 方税についても課税自主権10 の拡大。すなわち 地方税の課税標準及び税率等について、できう る限り地方自治体が決定すべきであるとの考え 方が急速に強まっている。いままでは、税金は 国が集めて地方に交付する。これを地方で使う と。そうではなくて、地方で集めた税は地方で 使うと、なるだけ課税も地方でおこなうべきで あるという流れが大きくなりつつある。いまま での医療に関わる地方税についても地方に権限 が移譲される可能性がある。これまでは、日医 が全面的に国に要請していたことが、自治体ご とに医師会が要請をしなければならない時代に なりつつある。そのような対応から通知を出し た経緯がある。地方税法について非課税措置等 が講じられているケースについて、課税自主権 を制限するものとして、非課税措置等の整理縮 小の主張につながることがある。

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9 地方分権改革:平成18 年12 月に地方分権改革推進法が成立。同法は、地方分権改革の推進について、その基本理念や国 と地方双方の責務を定めた。同法に基づき、国と地方の役割分担や国の関与のあり方について見直しを行い、これに応 じた税源配分等の財政上の措置の在り方について検討。同法に基づき平成19 年4 月に設置された地方分権改革推進委員 会で審議が行われ、内閣総理大臣に勧告。その勧告を踏まえ、政府において、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置 等を定めた「地方分権改革推進計画」を策定。地方分権改革推進委員会は、平成20 年5 月28 日に「第1 次勧告」を、同 年12 月8 日に「第2 次勧告」を、平成21 年10 月7 日に「第3 次勧告」を、同年11 月9 日に「第4 次勧告」をそれぞれ内 閣総理大臣に提出。(出所:内閣府から一部省略抜粋)

10 課税自主権:平成12 年4 月に施行された地方分権一括法等により法定外目的税が創設された。

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参考までに、医療機関に関わる地方税法上の 主な非課税措置等として、社会保険診療報酬等 に対する事業税非課税措置として存続を要望し ている。日医の極めて粗い調査ではあるが一診 療所平均が100 万円の非課税になっている。 100 万円の税金ということで、100 万円収入を あげようとすれば、当然医療機関ごとに経費率 はあるが、30 %の利益率があれば300 万円の 診療報酬をあげなければ100 万という金額はで てこない。100 万円事業税をある年から払わな ければならいと大変な負担になる。事業税は収 益が出ている事業所が対象なので、利益がなけ れば払いようがない。いままでは、ゼロだった ものが診療所は今回診療報酬がどのようになる か判らないが、非常に心配しているのは診療所 から公的病院に財源を移譲すると言っている が、勤務医に対してだが、大学病院や救急病院 を中心とした急性期医療を支援すると言ってい るが、結局財源をどこから持ってくるかといっ たときに、医療機関の診療報酬だけでなく税金 を持ってくることになる。診療報酬が減ったう えに、いままで払ってなかった税金は、額が減 ったといってもゼロだったので、払うことにな ると強烈な影響が出るということで、非常に心 配なところがある。

次ぎに、医療法人に対する事業税軽減措置 や、社会医療法人の固定資産税非課税措置など を要望した。

参考までに、民主党は民主党政策集の中で、 地方税については、地方6 団体、知事会、市長 会、町村会など、総務大臣、新たな政府税制調 査会が対等の立場で協議を行うと示している。 これは、おなじく民主党のアクションプログラム のなかでも述べている。実は、知事会、市長会、 町村会すべて社会保険診療報酬事業税非課税見 直しというのを例年あげている。今回も政府税 調に要望書を提出している。自治体の長がこう いったところで、強く要望すると政府税調の議 論のなかで、どのように進んでいくのか、したが って、それぞれの自治体の首長に地域の医療を 守るために非課税措置は必要であることを強く 要請していただき、知事会のなかでも強く要望 することが求められる。すでに知事に要望をし ている医師会もあるところもある。きょう出席 されている先生方に医師会で協議をしていただ いて、要請をしていただければありがたい。

−医療機関に関わる地方自治体が 独自に定める主な減免措置−

これは、保険医療機関に対する固定資産税減免措置等について、医療機関は公益性が高いの で、地方自治体独自の判断で、減免や割合を定 めていいとことになっている。政令都市では現 在17 都市のうち5 都市で講じられている。実 は、どの都市で開業するかによって、ある都市 で開業したら固定資産税はなし。ある都市では 課税。固定資産税は、医療機関に収益があがろ うがなかろうが、土地と建物にかかわる税金な ので、経営が厳しいところほど、税金を徴収さ れると非常に大きな影響が出る税となってい る。このように、すでに自治体ごとに差があっ て、昨年あるいくつかの都市で地方の財政が厳 しいということで、いつのまにか課税の割合が 変わったり、あるいは非課税が課税に変わった 自治体もある。できるだけ自治体ごとの医療に 関わる税がどのような取り扱いを受けて、どう いう方向に議論をされているのか、それぞれの 医師会でも注視していただきたい。これは、日 医でもどうすることもできない、総務省でも課 税をしないようにと要望しても、地方の権限で あるので、総務省ではどうすることもできない。

〈質問〉

長崎県:事業税の非課税であるが、行政に対 してなにも要請をしてないのだが、事業税非課 税が医療機関に適用されるようになっている。 医療は公的な性格を持っていたと思うが、私ど もが行政に要望をする際に、なにか理論的な背 景などについて、医師会はこういう理由で要請 したいということと、消費税のゼロ税率と事業 税非課税とバーター取引をされていたとか可能 性は。

(回答)非常に重要なことだと思う。1 点目に ついて、消費税はどうして非課税になったの か、もうだいぶ前の話であるが、診療報酬との 関係があったと思う。そもそも診療報酬が低す ぎる。したがって、これを税でという流れがあ った。事業税非課税については、公益的なもの が社会にたくさんあって、事業税非課税という 業種がその当時はたくさんあった。それが今は どんどん整理されてごくわずかしかなく金額的 には医療が多い。その理由というのは根拠があ った。ただ、根拠があったら公益で非課税かと いうと他の公益的なものは課税されているもの ありいろいろ議論がある。日本において医療に 対する税の考え方が整理されてない。国税は、 サービス業で課税であるということがすでに世 の中で認められていると。だからいまの事業税 の基準は国税で課税の基準が決まってくるか ら、いま医療機関の社会診療報酬は特例で事業 税が非課税になっている。国税は、本来は課税 であるが、特例措置として非課税措置になって いる。公的病院はそもそも、法人税のなどのよ うな国税が課税されてないので、その結果とし て、根拠となる国税がないから事業税がない。 同じ医療機関であって、事業税非課税であって も、公的な病院が事業税非課税になっていると 民間病院が非課税になっても意味がちがってく る。片方優遇されている扱いになっているの で、公益性だけで事業税非課税を守るというの はむつかしいと思う。診療所の先生で自分の時 間で公的委員会に出席したり介護保険の委員会 とか学校医などで出席して、さまざまな行政サ ービスをしているとのことの説明で総務省など に説明をしているところだ。

先生方が、自治体となんの資料もないまま、 なんの根拠もないまま交渉や要望をすることは 難しいと思われる。日医でちゃんとした資料を 作成してこれに基づいて要請ができるようにし たいと思うので時間をいただきたい。

それから、消費税と事業税をバーターにする ことは考えていない。総務省に行ってみてわか るのだが、財務省とものすごく闘っている。わ れわれは、総務省とも財務省とも交渉をしてい る。財務省と総務省はどこが税金をとっている のかものすごい闘いをしているので、財務省の 人に事業税の話をすると、事業税は非課税でい いという。彼らにしてみると関係ない。国税と 事業税は分かれているのでこれをバータにした り一緒にする気はない。国税は国税、地方税は 地方税と分けて考えていきたい。政権と話をし ているときに、ここは免除されているのに、全 体として医療はどうだというときに、何か言われるかもしれない。

〈質問〉

広島県:固定資産税の減免措置について、政令 指定都市における減免措置についてであるが、 広島市にいるときにかなり長い間減免措置がつ づけていたが、全国的にいろんな増税があるな かで普通は認めてくれない。最近、かなり大き な政令指定都市で認めたところがあるのか。

(回答)

都市別に、いままで課税だったものが非課税 になるというのはない。私がお願いをしている のは、いま減免されているところが今後課税と いう方向で拡大していくのは事実だと思う。お そらく、非課税にしてくれとか減免してくれと かいうとき、いまどきどんどん課税の方向に進 んでいるということを言われる。いま、少なく とも減免されているようなところは、できるだ け医療機関のために守っていただきたいとう思 いがあって話をした。これから、一生懸命先生 方が何かを話していただいて、いま課税だった のを非課税にするのは難しいと思う。ただ、こ れは日医に仕事だと思っているが、産科の分娩 施設に関わる新たな分娩をするような施設を作 ったときは減免にする。軽減するということは 日医が要望して実現した。これは、政策的に国 全体としてこういうことをすることが何か国民 のため患者さんのためになるということがはっ きりわかることについては、日医が総務省に対 して要望をしていくことになる。これが、周産 期医療の連携を担う分娩施設に係る不動産取得 税の減免措置と社会医療法人の救急事業を中心 とした4 疾病5 事業に関わっている固定資産税 を非課税に実際にしたので、すべて固定資産税 は新たな要望が通らないとは思わないと思う が、自治体ごとに何か非課税や減免を拡大する ことは難しい。いまあるものを守っていくのが 都道府県の仕事だと思っている。

また、日医に対しても要望があれば上げてい ただき、日医から国に対して要望していきた い。一般的に総務省は固定資産税のような税金 の減免はものすごく嫌がるところがある。相当 粘り強く交渉をしないと勝ち取れないと思う。 ただ、日医は医療機関に対してやれることはや っていきたい。

さらに、税制調査会委員名簿を提示したの で、お話が親しくできる委員がおられたら日医 に紹介をしていただきたいと思っている。事業 税については、総務大臣政務官の小川さんは事 業税について非常に問題意識を持っている方 で、よく知っておられる方がいらしたら紹介を していただきたい。

〈質問〉

奈良県:民主党の税制調査会に、租税特別措置 をゼロベースで見直すということであるが、長 妻大臣から出ている政府税調への要望に四段階 税制は廃止ということなのか。

(回答)

長妻大臣のところへいったとき、医療の状況 はよくわかる、厚労省として要望は、日医の話 はよくわかるといっているが、非常に財務省や 総務省からの圧力が強く、あの強い圧力とどの ように交渉をするのか難しいとの発言があっ た。その中でも、事業税非課税を守るといって いるので、厚労省もある意味で、それなりの一 定の理解はしてくれると思う。ただ、この4 段 階制については、長妻大臣に説明できるだけの 資料がなく、厚労省が長妻大臣にレクチャーを したいので資料が欲しいと、日医に要望があっ た。長妻大臣が次の税調で説明をすることにな ると思う。4 段階税制は医師会よりも、歯科医 師会の方が圧倒的に影響が大きくて利用してい る医療機関が多いので、例として医師会は4 段 階制をなくしても、歯科医師会は残すというこ とはあり得ない話で、歯科医師会とも意見交換 をしているところだが、医療界が一緒になって 要望をしていかなくてはならないという漠然と した話をした。この件は、今までもずっと続い ているので、敢えてそこのところは触れていな いだけの話である。出さなかったから無くなっ たということではないということでご理解して いただきたい。

2.医療法人事業承継税制・移行税制につい て(要約)
講師:厚生労働省 医政局指導課
高宮 祐介 課長補佐

協議の後、厚生労働省医政局指導課高宮補佐 から「医療法人事業承継税制・移行税制につい て」、次のとおり報告があった。

厚生労働省として、平成22 年度税制改正要 望事項として、持分のある医療法人において、 出資者の死亡した場合に伴う相続税の特例措置 を創設し、相続税の納税を3 年間猶予するとと もに、3 年以内に一定の要件を満たす持分のな い医療法人に移行した場合に、猶予税額を免除 するなど要望しているところである。その内容 を中心に税制改正のプロセスや現状を含めなが ら報告をしたい。

平成22 年度厚生労働省が税制改正の要望と して、今回、事業の継承に関わる相続税と贈与 税に対する特例措置を要望した。

この背景には、非上場中小企業の株式会社の 事業承継税制が適用されてことがその背景にあ る。非上場株式等に係る相続税の軽減措置につ いて、現行の10 %の軽減割合を80 %に大幅に 拡充を図るとともに、対象を中小企業全般に拡 大された。

事業承継税制の適用要件として、具体的に は、計画的な事業に係る取組みとして、後継者 の確定、株式の計画的承継等に関する経済産業 大臣の確認が求められる。1)被相続人の要件2) 認定対象会社の要件3)相続人の要件4)事業継続 要件などを確認して納税の猶予や減免を経済産 業大臣が認定する仕組みになっている。

中小企業にこのような税制が設けられたが、 認定対象会社の要件は、中小企業であることが 要件になっている。医療法人はこの要件に入っ ていない。中小企業の事業承継税制には医療法 人は入ってないが、何もしないのでは、医療の 継続は図れないのではないかとして、今回厚生 労働省から要望した。

要望の主な項目はつぎのとおり。医業継続に 係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の 創設について、これを併用方式という。狙い は、持分あり医療法人で、出資者が亡くなった 場合に出資持分も含めて、多額の相続税が発生 する。相続人が相続税を払えないということ で、出資持分の払い戻し請求が行われると、医 療法人としても払い戻し請求に対して負担にな り、病院・診療所として医業が続けられなくな る。地域医療が支えられなくなるというような ことがないような特例措置を創設する。内容 は、持分のある医療法人において、出資者の死 亡に伴う相続税のために、相続人が出資持分の 払戻しを請求する等により、医業の継続に支障 を来すことのないよう、持分のある医療法人の うち、持分のない医療法人への移行を検討する ものについて、以下の特例措置を創設する。1)出資者の死亡に伴い相続人に発生する相続税の 納税を3 年間猶予するとともに、3 年以内に一 定の要件を満たす持分のない医療法人に移行し た場合に、猶予税額を免除する。2)相続人や出 資者が出資払込額の払戻しを受けた場合等に残 存出資者に発生するみなし贈与の課税を3 年間 猶予するとともに、3 年以内に一定の要件を満 たす持分のない医療法人に移行した場合に、猶 予税額を免除する。こういったことを厚労省か ら財務省に要望をしているところである。

閉 会

宝住副会長

長時間にわったて、お疲れ様でした。税制と いうことで判りにくい、あるいは慣れてないよ うなお話で、説明する方も難しい部分がある。 ただ、行政刷新会議の議論をみると、かなり相 当ひどい議論がされている。これが本当にその まま政策になってくると、とんでもないことに なる。今後どのようになるかわかりませんが、 税制についても消費税が重視されるとおもいま すので、先生方におかれましても税制調査会の 動きを注視していただければ思っている。

メーリングリストができましたら、意見交換 や情報を共有して皆さんと一緒に闘っていきた いと思っている。

印象記

玉城信光

副会長 玉城 信光

11 月12 日に日本医師会で開催されました。会員の皆さんは税金に関してどの位理解されてい るのでしょうか。税金の問題は大変難しいです。

日医は毎年自民党税制調査会に税制の要望を行なってきましたが、政権が代わり今後どのよう な方向に進むのか戸惑いは隠せません。しかしながら税制は会員皆が少しなりとも認識しておか なければいけない重要な事項なのです。

(まず第1 に消費税です。)

消費税はご承知の様に薬品、医療機器や建物の増改築などに課税されています。本来消費税は 最終消費者(患者さん)の負担になるべきものですが、診療報酬に関しては医療機関の負担にな っています。たとえば医療機器を購入して100 万円の消費税を払ったとします。診療報酬にゼロ 税率がかかっておれば年間の利益の中から100 万円控除できるのです。診療報酬に消費税がかか っていないので現在は診療報酬という収入のなかから医療機関が100 万円負担しているのです。

現在の控除対象外消費税の負担割合は診療報酬等の収入に対して診療所で2 %ほど、病院で 2.2 %と推計されています。

日本医師会でも毎年、自民党の税制調査会に対して診療報酬に対してゼロ税率ないしは軽減税 率の適用を求めていますが実現していません。また今年3 月の日本医師会代議員会でも九州医師 会連合会を代表して、次期税制改正の時には診療報酬に対して「ゼロ税率ないしは軽減税率」を 適用する様に私が質問しました。全国の医師会がすべて同様な意見と思われます。沖縄県医師会 も「ゼロ税率ないしは軽減税率」求めていきたいと思います。

(第2 は事業税です。)

医療機関の診療報酬に対して都道府県税として事業税が課せられるところを現在は無税になっ ています。課税所得額に5 〜 6.6 %の事業税がかかるところをこれまでは非課税とされて来まし た。これまでは自民党税調で地方の事業税を非課税にしてきましたが、自治体から自主財源の確 保を求める圧力があり、これらに課税をしようとする動きがあります。個人の診療所でおよそ118 万円、法人診療所で40 万円、法人病院で290 万円の増税になると予測されています。

医療法人の自由診療分(ドックや診断書など)には別に軽減税率が適応されています。これも 廃止になると合計で法人診療所は43 万円、病院は418 万円の増税になると予測されます。

(その他に)

勤務医に対する所得税の減税要望:病院への診療報酬があがっても勤務医個人に行くとは限ら ないので所得税を減税することは大きな支援になると思います。

産婦人科の自由診療に係る所得を事業税の課税対象から除外するなど産婦人科支援の税制改正 要望

医業を継承する時の相続税・贈与税制度の改善要望

医療機器等の設備投資に対して中小企業投資促進税制と同等の措置が受けられる様に要望

などなど、税制に対する存続要望や新規税制の要望により、医師偏在の解消や少ない診療科の 支援等診療報酬以外の措置で改善できることが税制にはあるということをご理解いただきたいと 思います。

難しい税制ですが、日医と共に勉強しながら皆で要求していきましょう。