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広範囲胸部大動脈瘤に対する治療戦略について

琉球大学医学部生体制御医科学講座機能制御外科学分野
山城 聡、新垣涼子、前田達也、中村修子、喜瀬勇也、古堅 智則、仲栄真盛保、
盛島裕次、照屋孝夫、永野貴昭、金城 泉、新垣勝也、國吉幸男

【要 旨】

【目的】

再手術を含め広範胸部大動脈瘤手術においては、アプローチ法、補助手段を含め て未だ議論の多いところである。我々の用いているアプローチ法の有用性及び送血 法について検討を加えた。

【対象と方法】

過去8 年間に施行した胸部大動脈瘤182 例中、Door open 法(胸骨正中切開+ 左 前側方開胸)にて上行-弓部-胸部下行置換術を行った27 例(14.8 %)を対象に検討 した。男女比20 : 7、平均年齢68 ± 8 歳で、瘤破裂及び切迫破裂による緊急症例が 7 例(25.9 %)であった。全例、超低体温体外循環下に選択的脳灌流法を併用し、 上行-弓部-胸部下行置換術を行った。送血部位は弓部粥腫飛散による脳合併症を回 避するため両側腋窩動脈送血を多用し、また16 例では大動脈遮断下に遠位側吻合を 行った。

【結果】

在院死亡は3 例(11.1 %)で、いずれも多臓器不全にて失った。術後合併症は脳 梗塞1 例、急性腎不全3 例、肝不全2 例を認めた。症例の重症度を反映して人工呼吸 期間は平均7.3 ± 8.4 日と長期であった。耐術症例の5 年生存率は78.3 %であった。

【結語】

開胸を伴う本アプローチ法の問題点として術後人工呼吸期間の延長があるが、一 方、その利点として1)広い手術視野が得られ確実な吻合・止血が可能、2)循環停 止の回避が可能、3)横隔・反回神経の同定が容易、等があげられる。したがって 救命を目的とする再手術を含む広範囲大動脈瘤症例に対しては極めて有用なアプロ ーチ法であった。また、我々の行っている両側腋窩動脈送血は脳保護において有用 であると考えられた。

Key words :弓部大動脈瘤, 低体温循環停止, 選択的脳灌流, 腋窩動脈

はじめに

麻酔法・人工心肺などの補助手段、手術手技 が進歩した現在においても弓部大動脈瘤手術に おける脳障害は未だ重篤な合併症の一つであ り、重要な死亡要因である1,5)。特に患者の高齢 化に伴い、粥状硬化に起因する合併症の存在はそれを助長している5)。再手術を含め広範胸部 大動脈瘤手術においては、アプローチ法、補助 手段を含めて未だ議論の多いところである。上 行及び弓部・下行大動脈に及ぶ広範囲胸部大動 脈瘤はしばしば二期的手術が考慮される。しか し、慢性大動脈解離のような動脈硬化性の場 合、粥腫を残存させる危険性から一期的手術が 望ましい。我々は、かかる症例に対して胸骨正 中切開に左開胸を加える“Door open 法”にて 広範囲胸部大動脈置換術を方針としている。 我々の施設におけるアプローチ法及び送血法に ついて検討を加えたので報告する。

対象と方法

2001 年1 月から2009 年5 月までの過去8 年 間に施行した胸部大動脈瘤182 例中、上記 Door open 法にて上行-弓部-胸部下行置換術を 行った27 例を対象とした。術前画像検査にて 末梢側吻合が第6 胸椎以遠となることが予想さ れた場合同アプローチを選択した。解離性10 例、動脈硬化性14 例、感染性3 例で、解離性 7 例の内訳はI 型5 例、IIIb 逆行Stanford A 2 例、慢性IIIb 3 例であった。男女比20 : 7、 年齢67.9 ± 8.3 歳で、瘤破裂及び切迫破裂によ る緊急症例が7 例(25.9 %)であった。術前合 併症は冠動脈疾患3 例、腎機能障害3 例であっ た。手術既往は上行置換術5 例、冠動脈バイパ ス術(CABG)+ 胸部下行置換術1 例、大動脈 弁置換術(AVR)1 例、腹部大動脈Y グラフト 置換術3 例であった。併施手術はCABG4 例、 AVR1 例、Bentall 変法1 例、AVR+ 僧帽弁置 換術(MVR)+CABG1 例、左肺上葉切除術1 例であった。患者背景を表1 に示した。

表1.患者背景

患者数  27

年齢   67.9 +/- 8.3 years(56-83)

性別(男/女) 20/7

診断(成因)
  動脈硬化14(51.9 %)
  慢性B 型解離3(11.1 %)
  慢性A 型解離5(18.5 %)
  急性A 型解離2 (7.4 %)
  感染3(11.1 %)

緊急手術7 (25.9 %)
  破裂(切迫破裂) 4(14.8 %)
  急性A 型解離3(11.1 %)

手術既往10(37.0 %)
  上行・弓部大動脈置換術5(18.5 %)
  大動脈弁置換術(AVR) 1(3.7 %)
  冠動脈バイパス術(CABG) 1(3.7 %)
  腹部大動脈置換術3(11.1 %)

基礎疾患
  高血圧18(66.7 %)
  糖尿病8(29.6 %)
  高脂血症14(51.9 %)
  慢性腎不全(透析) 3(11.1 %)
  虚血性心疾患3(11.1 %)

併施手術8(29.6 %)
  CABG 4(14.8 %)
  AVR 1(3.7 %)
  AVR+ 僧帽弁置換術+CABG 1(3.7 %)
  Bentall 手術+ CABG 1(3.7 %)
  左肺上葉切除術1(3.7 %)

手術法

分離肺換気、肺虚脱のため全例Doublelumen 挿管チューブを用い、手術台に約60 ° 右側臥位として手術を開始した。両側鎖骨下に 約5 〜 6cm の横切開を加え腋窩動脈を剥離・露 出した。同時に右大腿動・静脈を剥離・露出し た。送血部位は術前CT 検査による粥腫・石灰 化の存在にて決定した。送血は弓部粥腫飛散に よる脳合併症を回避するため腋窩動脈への小径 人工血管吻合を多用した(図1)。送血は両側 腋窩動脈17 例、右腋窩動脈9 例で、上行大動 脈送血は1 例のみであった。全身送血に使用し た小径人工血管を選択的脳灌流に用いた。選択 的脳灌流は15 ℃に維持し2 基のローラーポンプを用い10 〜 15 ml/kg/min.を基本とし、両 側橈骨動脈・頸動脈カニューラ断端圧モニター で40 〜 50mmHg を維持するよう流量を調整し た。術中、中大脳動脈流量を両側経頭蓋ドップ ラー血流計Transcranial Doppler(Viasys Inc. Conshocken, PA, USA)にて管理し、さ らにSomanetics Invos (R) Cerebral Oximeter (CO, Troy, MI, USA)にて酸素分圧をモニ ターした。胸骨正中切開に左第4 肋間全側方開 胸及び胸骨離断を加えるDoor open 法にて心 臓、上行-弓部-下行大動脈、頸部分枝の充分な 視野を確保。また16 例では大腿動脈送血を併 用し、内臓保護のため低体温循環停止回避目的 に大動脈遮断下に遠位側吻合を行った。末梢側 吻合後、順次頸部分枝再建を施行。4 分枝人工 血管側枝より順行性送血を開始し、選択的脳灌流を終了した。操作中、全例で横隔神経及び迷 走神経を同定し温存されていることを確認し た。最後に加温しながら中枢側吻合を施行。左 鎖骨下動脈の再建は血管正常が不良な場合、始 めに吻合した小径人工血管と側枝吻合で行っ た。動脈硬化性の遠位弓部瘤の73 歳女性の症 例を呈示する(図2)。同症例の術中写真を図3 に提示する。図の如く非常に良好な視野が得ら れている。

図1

図1 手術アプローチ及び脳保護の模式図

図2

図2 症例:動脈硬化性の遠位弓部瘤の73 歳女性
胸部CT 画像及び3DCT 画像
遠位弓部に上方に突出する嚢状瘤を認める

図3

図3 術中写真
左:遠位弓部に上方に突出する嚢状瘤(矢印)
右:上行−弓部−下行大動脈人工血管置換術後

結果

手術結果を表2 に示した。手術時間688.5 ± 207.9 分、体外循環時間250.6 ± 88.1 分、心停 止時間167.5 ± 79.6 分、選択的脳灌流時間 120.1 ± 35.0 分、循環停止時間55.5 ± 22.1 分 であった。同時期に胸骨正中切開のみ或いは左 側方開胸のみにて施行した弓部置換術症例と有 意差はなかった。在院死亡は3 例(11.1 %)で あった。術前ショック状態であった破裂性弓部 大動脈瘤症例、連合弁膜症に虚血性心疾患合併 した弓部置換術後の遠位側仮性瘤症例、透析患 者の感染性弓部切迫破裂症例をいずれも多臓器 不全にて失った。しかし、死亡3 症例とも脳合 併症は認めなかった。術後合併症は72 時間以 上の人工呼吸管理を要した呼吸不全を17 例に 認め、症例の重症度を反映して人工呼吸期間は 平均7.3 ± 8.4 日と長期であった。2 例で術前 より認めた反回神経麻痺による嗄声が持続したが、他の症例に新たな神経麻痺症状出現は認め なかった。術後脳合併症を1 例(3.7 %)に認 め、同症例を術後2 年目に敗血症にて失った。 本症例は唯一の上行大動脈送血症例であった。 他の術後合併症は急性腎不全3 例、肝不全2 例 を認めたが、いずれも軽快退院し、耐術症例の 術後在院日数は35.3 ± 6.7 日であった。累積生 存率は術後5 年で78.3 %であった(図4)。

表2.手術結果

手術時間(分) 688.5 +/- 207.9

体外循環時間250.6 +/- 88.1

心停止時間167.5 +/- 79.6

選択的脳灌流時間120.1 +/- 35.0

低体温循環停止時間(11 例) 55.5 +/- 22.1

在院死亡3(11.1 %)

人工呼吸管理(日) 7.3 +/- 8.4

合併症
  呼吸不全17(73.9 %)
  脳梗塞1(3.7 %)
  急性腎不全3(11.1 %)
  肝機能障害2(7.4 %)

術後在院日数(日) 35.3 +/- 6.7

遠隔死亡1(4.2 %)

Follow-up 期間 (月) 24.1 +/- 23.7

図4

図4 Door open 法による広範囲胸部大動脈瘤手術 27 症例の累積生存率

考察

広範囲弓部置換術の手術成績は未だ満足いく ものではなく、再手術を含め広範胸部大動脈瘤 手術においては、アプローチ法、補助手段を含 めて未だ議論の多いところである。胸骨正中切 開に左開胸を加えるDoor open 法は侵襲的と されている3)。我々の結果においても比較的手 術時間と人工心肺時間が延長している。それに 伴い、17 例で72 時間以上の人工呼吸管理を要 し、人工呼吸期間は平均7.3 ± 8.4 日と長期で あった。今回の結果からも、呼吸機能に関して はDoor open 法は侵襲的であると思われた。し かしながら、Ohata 等2)は弓部置換術における 胸骨正中切開法とDoor open 法とで呼吸機能 及び炎症反応において有意差はなかったと報告 している。特に、急性A 型大動脈解離の上行大 動脈置換術遠隔期の遠位側拡大に対する再手術 時は、胸骨と心・大血管の著明な癒着の際も、 胸腔内からの剥離は容易で安全であった。良好 な視野が確保でき、術野からの送血管及び脱血 管の挿入も容易で、さらに、横隔神経及び迷走 神経の同定・温存が容易で、術後呼吸機能の回 復に有用であった。Door open 法にかぎらず、 心臓・大血管手術の適応を考慮する際に、術前 呼吸機能は非常に重要である。以前、我々が検 討した結果からはFEV1.0 ≦ 800ml 或いは FEV1.0/BSA ≦ 600ml/m2 は術後呼吸器合併 症の危険が高度であった3)。本検討中も図2 に 示した遠位弓部瘤症例はCOPD を合併してお り、FEV1.0 が900ml と低呼吸機能症例であっ た。本症例は、術後人工呼吸器管理を10 日間 要したが、幸い合併症無く軽快した。このよう な低呼吸機能症例では術前の呼吸訓練、周術期 の呼吸器内科との綿密な連携が重要と考える。 さらに術中、肺を愛護的に保護することも重要 である。我々は、弁膜症手術の際に用いる flexible arm に自作の肺圧排用鉤を取り付け、 肺を脱転し視野を確保し(図2)、術中肺を出 来る限り触らないように心がけている。同法を 用いてからは明らかに術後の一過性の肺出血は 軽減されている。

脳梗塞の予防は胸部大動脈瘤手術の際の重要 な課題であり、現在行われているさまざまな脳 保護法の究極の到達点である。人工心肺のカニ ューラの挿入部位の選択もこれを達成するため に重要である。通常、上行大動脈或いは大腿動 脈が送血部位として選択される1,2,4,5)。しかしな がら、上行大動脈や弓部大動脈近傍の著明な粥 腫により、上行大動脈或いは大腿動脈いずれの 灌流でも粥腫飛散に起因する脳梗塞は起こりえ る4, 10)。Svenson 等7, 8)は前述の危険を回避す る目的で、1995 年以降、鎖骨下動脈或いは腋 窩動脈送血による低体温循環停止及び順行性脳 灌流を手術方針とし、術後一過性脳合併症2 % 以下の安全な方法であると結論している。前述 の遠位弓部瘤症例(図2)や、図5 に示す弓部 瘤のように上行大動脈壁の不整及び石灰化に加 え、頸部分枝近傍の粥腫の存在は上行大動脈送 血の危険性を示唆させる。今回の検討中1 例の み脳合併症を認めたが、本症例は唯一の上行大動脈送血症例であった。弓部大動脈に存在した 粥腫の飛散が原因と示唆された。我々は2000 年以降、腋窩動脈送血を多用しており、本症例 を除き脳合併症は認めていない。現在我々は、 粥腫の認められない弓部瘤を除き腋窩動脈送血 を第一選択としている。

図5

図5 症例:動脈硬化性の弓部瘤の79 歳男性。胸部CT 画像。
上行大動脈の不整及び石灰化。上行大動脈から頸部
分枝近傍の弓部大動脈の粥腫の存在が認められる。

我々は、弓部大動脈置換術に際し、脳保護時 間の安全性から選択的脳灌流のみを用いてい る。一方、選択的脳灌流は生理的でより安全な 脳保護時間を確保しうるが、カニューラ挿入時 に分枝粥腫を飛散させる危険性があるとされて いる9)。弓部瘤手術時の脳梗塞は上行大動脈或 いは弓部大動脈粥腫飛散や大腿動脈送血時の逆 行性粥腫飛散、カニューラ挿入時の粥腫飛散が 原因としてあげられる。Svenson 等8)は鎖骨下 或いは腋窩動脈を送血部位として使用する際 は、直接挿入は解離や不充分な灌流、頸動脈壁 への管の接触等局所的な合併症が危惧され、し ばしば再建に難渋すると述べている。我々も、 それらの危険性を考慮し腋窩動脈に小径人工血 管を吻合して送血路とし、手術終了時の非常に 疲弊した時期の腋窩動脈再建を、人工血管結紮 のみの単純な方法で施行しうるようにしてい る。我々は、右腋窩動脈のみの送血で充分な全 脳灌流が維持される事に関して、懐疑的であ る。最良の脳保護法は結論が出ていないのが現 状である。従って、我々は左側脳灌流も併施す る方針としている。さらに、椎骨動脈領域の灌 流は脳保護に加え脊髄保護の点でも重要と考え ている。従って、最近の17 例においては両側 腋窩動脈に小径人工血管を吻合して送血路とし た。両側腋窩動脈への小径人工血管吻合は左右 同時に40 分程度で可能である。左鎖骨下動脈 の再建時に基部の性状が不良な場合、送血用の 小径人工血管と側枝を吻合し、基部を閉鎖する ことで再建が可能である。

近年、分枝付き或いは開窓式ステントグラフ トによる弓部置換術の良好な成績も散見され る。川口等11)は胸部血管内治療(ステントグ ラフト)は手術に比較して重篤な合併症が少な い傾向にあると報告している。彼らの報告によ ると開窓式ステントグラフトによる弓部大動脈 治療の脳梗塞合併率は5.5 %であった。実際、 血管内治療は人工心肺を必要とせず、従って、 手技中低脳灌流状態には陥らない。確かに我々 も、同手技が限られた症例においては有用な術 式であることに異存はない。しかしながら、胸 部血管内治療は未だ弓部大動脈瘤における最良 の方法とは言い難い。グラフトデザイン決定や 留置の困難性は完全には解消されていない。従 って、我々は上行・弓部・下行大動脈に及ぶ広 範囲胸部大動脈瘤は手術が最善の治療であると 考えている。特に、解離症例や合併心臓手術が 必要な症例では手術に優る治療法は現在は無い と言わざるを得ない。

我々の行っている開胸を伴うDoor open 法 の問題点として術後人工呼吸期間の延長がある が、一方、その利点として1)広い手術視野が 得られ確実な吻合・止血が可能、2)循環停止 が回避可能、3)横隔・反回神経の同定が容易、 等があげられる。したがって救命を目的とする 再手術を含む広範囲大動脈瘤症例に対しては極 めて有用なアプローチ法であった。また、我々 の行っている両側腋窩動脈送血は脳保護におい て有用であると考えられた。

参考文献
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Q U E S T I O N !

問題:胸部大動脈瘤手術に関して正しいのはど れか。

  • a. 胸部大動脈瘤の内、紡錘状瘤は瘤径にかか わらず手術適応である。
  • b. 急性大動脈解離I 型の血栓閉塞型は自然治癒 例である。
  • c. 弓部大動脈瘤手術時、通常懸念すべき合併 症は術後対麻痺である。
  • d. 急性大動脈解離IIIb は手術適応はない。
  • e. 弓部大動脈瘤手術時、選択的脳灌流が必要 である。

CORRECT ANSWER! 9月号(vol.45)の正解

抗てんかん薬の使い方

問題:抗てんかん薬の使用について誤ったもの はどれか。

  • 1)部分発作にCBZ、全般発作にVPA が第1 選択である。
  • 2)CBZ ・PHT ・PB ・PRM らは他の抗て んかん薬の濃度を減弱させることが多い。
  • 3)妊娠初期にVPA を避け、使用せざるえな い時は1,000mg/日以下が良い。
  • 4)妊娠中のVPA 投与と子の認知能とは関連 ない。
  • 5)全身性強直間代発作や複雑部分発作で発作後 10 〜 20 分の血清プロラクチン値は上昇する。

正解 4)