常任理事 安里 哲好
去る9 月24 日(木)、県庁3 階第1 会議室に おいて標記連絡会議が行われたので以下のとお り報告する。
議 題
<提案要旨>
新型インフルエンザ(H1N1)の対応に関す る学校現場での対応は統一されておらず、学校 現場で混乱が生じている。
例えば、「同居家族に罹患者がいる場合も出 席停止措置」としている学校も見られるが、沖 縄県新型インフルエンザ対策本部からもそのよ うな指示は出されていない。
沖縄県教育委員会から各市町村教育委員会・ 各教育事務所長・各県立学校長へ通知した文書 「新型インフルエンザに係る学校の対応につい て」においても、同居家族に新型インフルエン ザの罹患者がいる場合も出席停止措置をすると の指示は出されていない。
また、児童生徒が何日休めばよいかわからな い状況も一部みられ、各学校での対応はまちま ちのようである。
医師会は、県の方針に沿った対応をすべきと 考えているが、各市町村の教育委員会が独自の 対応をとられていることで、学校医が必ずしも 統一見解で対応しているとは言えない。
学校現場での対応についても現状を確認のう え、県内において統一した基準で実施されるよ うご指導いただきたい。
<医務課の回答>
(経緯)
●福祉保健部では、新学期以降の学校休業の目 安について、教育庁保健体育課と協議し、 「学校については、1 週間以内に医師からイン フルエンザと診断された事例が、クラスの約 1 割を越えた時点で、設置者と協議し、休業 の検討を行う」との方針を対策本部の暫定的 方針として公表した。
● 8 月14 日以降、県内各地で臨時の校長会を開催し、上記の方針を示して意見交換を行 い、周知を図った。
●上記の方針では、児童生徒本人が患者となっ た場合の対応を示し、その同居家族に罹患者 がいる場合の取扱いまでは言及していない。 (現状)
●児童生徒の同居家族が罹患者となった場合の 対応は、県としては一律の基準は示しておら ず、設置者(市町村教育委員会)や校長の判 断で、一律に1 週間の出席停止をおこなって いるところもあるが、濃厚接触でなければマ スクをして出校を認めているところもある 等、学校によって対応が異なっている。
(方針)
●県としてこの件に関して、現在示している暫 定的方針をもとに、設置者が各学校や地域の 実情に応じて判断されるべきものと考えてお り、より踏み込んで全県統一的な基準を示す 予定はない。
<主な意見等>
■この件に関しては、父母または学校等から多 少の混乱があるとの報告は受けているが、基 本的に生徒の家族が罹患した場合の取扱いに ついてまでは言及していない。設置者が各学 校や地域の実情に応じて判断されるべきもの と考えており、より踏み込んで全県統一的な 基準を示す予定はない(福祉保健部)。
□混乱の状況が各地区によって違うので、説明 の方法が難しいのが現状である。現実問題と して県の対応は間違いではない。学校での対 応として、校門等で検温を実施し、熱のある 生徒を帰すなどの対応を教育庁に指導しては どうか(県医師会)
<報告内容>
地域医療再生計画については、平成21 年10 月9 日の沖縄県保健医療協議会での意見聴取、 10 月16 日が期限の厚生労働省への提出に向 け、事務処理を進めている。その状況等について、以下のとおり報告する。
1.地域医療再生計画について
予算規模と事業規模は、全国94 か所の二 次医療圏を対象とし、100 億円(医療機関の 再編等)を10 ヶ所、25 億円(医療機関の連 携強化等)を84 ヶ所、合計94 か所で3, 100 億円である。
2.現在までの進行状況
3.地域医療再生計画(素案)の概要
4.厚労省ヒヤリングの概要
5.これからの予定
<主な意見等>
■厚労省の見解は、沖縄県全体で実施する事業 を、2 医療圏に按分する方法は、計画のなか で事業全体が見えないので、不可能。県全体 で実施する事業を2 圏域に適切に振り分け て、各圏域で実施する事業に影響のないよう にしていただきたいと指導を受けた。また、 今回の交付金の一番の目的が、人材育成では なく、人材確保であるということを強調して いた(福祉保健部)。
□政権交代に係る補正の執行状況及び優先順位 等について教えていただきたい(県医師会)。
■政権交代による影響について、厚労省の見解 は、地方向けの15 資金は執行停止から除外 するとのことであった。その中には、医療施 設の耐震化と地域医療再生計画が含まれる。 新政権も医療・福祉という部分は重点視され ているように感じられる(福祉保健部)。
□沖縄県にとって離島医療との連携は重要なこ とである。これは人材育成事業にあたらない から認められないのか(県医師会)。
■厚労省の見解は、県全体で取り組む事業は人 材確保のための事業である。IT を活用した 事業(遠隔画像システム、Web 会議システ ム事業)は人材確保事業にあたらないので認 められないとのことであった(福祉保健部)。
□シミュレーションセンターについては、実際 にどれくらいの効果があるのか、数値的なも のを具体的に示すべきである(県医師会)。
□離島僻地で研修をうける研修医と本島にいる 医師とがIT 等を活用し連携をとれれば、若 い研修医でも当地域に貢献できる等、メリッ トを明確にすべきである(県医師会)。
■厚労省の見解は、主旨に合わないとのことで あった(福祉保健部)。
■ 100 億円(医療機関の再編等)、25 億円(医 療機関の連携強化等)は上限額を示してい る。有効な投資でなければ削減される可能性 もある(福祉保健部)。
□在宅医療については、もっと考えるべきであ る。一つの考え方として、脳卒中の医療連携 で、急性期、回復期リハビリ病棟は充実して いるが、在宅医療のほうは充実していない。 人材確保が目的であれば、構築するのは難し くないのではないか(県医師会)。
□北部、宮古・八重山医療圏で在宅医療のネッ トワークを構築するなかで、IT 関係を盛り 込めれば中部・南部医療圏でも活用できるの ではないか(県医師会)。
■みなさんの意見を参考に再度検討する(福祉 保健部)。
<報告内容>
県では、がん対策の総合的かつ計画的な推進 を図ることを目的として、平成20 年3 月に沖 縄県がん対策推進計画を策定しております。
沖縄県がん対策推進計画の推進にあたって は、「沖縄県がん対策アクションプラン」を策 定し、「がん医療対策」、「がん検診対策」及び 「たばこ対策」の分野別施策について、県、市 町村、医療機関、医師会等関係団体、職域、住 民、がん患者・家族といった、施策の実施主体 ごとに行うべき具体的な取組をまとめて、がん 対策の一層の推進を図ることとしております。
[プラン策定に係る主な経緯]
○平成21 年8 月
・各関係医療機関、団体、市町村へ沖縄県が ん対策アクションプラン(素案)に係る取 組状況、意見等を調査
○平成21 年9 月
・がん専門医からなる「沖縄県がん対策検討 会」において、沖縄県がん対策アクション プラン(素案)に係る意見を聴取(9 月9 日)
・沖縄県対策アクションプラン(案)につい て、パブリックコメントを実施予定(9 月 24 日〜 10 月23 日) ※周知につきまして、ご協力をお願いし たい。
<主な意見等>
□特定健診以降、がん検診率が減少していると 聞いている。検診主体である市町村に検診率 向上に努めるよう強く要望していただきた い。(県医師会)
□検診率向上のためには、ポスターや研修会等 も必要だが、アクションプランに明記してあ る各項目に具体的な目標値を設定し、何を、 いつまでに、どうするのかを明確にするべき である。(県医師会)
□がん対策の向上にあたって、1)がん検診の向 上、2)禁煙率の改善、3)がん登録の徹底を強 く推し進めていただきたい。(県医師会)
□がん対策においては、琉球大学附属病院が県 の拠点病院として進んでいる。県は当病院を 応援する形で何らかの具体的な政策的アクシ ョンプランを構築するべきである。また、が ん検診を行っている医療機関でがん検診デー タの把握が必要である。(県医師会)
■がん検診のデータは把握可能か。(福祉保健 部)
□県と医師会の連名で、具体的な内容を明示す れば協力可能である。(県医師会)
■実効性のあるアクションプランにしていきた いので、今後ともご協力よろしくお願いした い。(福祉保健部)
印象記
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常任理事 安里 哲好
「新型インフルエンザ対策に関する学校現場の対応について」は当会からの提案で、新型イン フルエンザの対策に関する学校現場での対応は統一されておらず、混乱を生じており、現状を確 認のうえ、県内において統一した基準で実施されるよう要望した。県行政としては、現在示して いる暫定的方針をもとに、設置者が各学校や地域の実情に応じて判断されるべきものと考えてお り、より踏み込んだ全県統一的な基準を示す予定はないと述べていた。今後とも、学校保健担当 者、学校医、県・地区医師会、県行政および各福祉保健所との密なる連携が望まれる。
「地域医療再生計画について」は、福祉保健部より現在までの進行状況、厚労省に提出する素 案、そしてこれからの予定についての説明があった。概要は本文を参照頂きたいが、関係各位の 多くの要望を取り入れており、その労苦に感謝したい。一方、民主党政権になり、「地域医療再生 基金の執行の一部停止について」において、次期診療報酬改定において十分に地域医療に資する 対応を行う事を前提に100 億円程度の計画を取りやめ、25 億円程度の計画を各都道府県に2 地域 ずつすると通知しているようだ。当県では案(2)が採用される可能性があるも、全額カットでな く安堵していると同時に、次期診療報酬改定に大きな期待を寄せている。
「沖縄県がん対策アクションプラン」は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的 として、平成20 年3 月に沖縄県がん対策推進計画を策定し、それを推進するにあたって「沖縄県 がん対策アクションプラン」にて、がん対策の一層の推進を図りたいと述べていた。市町村行政と 協力してがん検診率や要精査率のさらなる向上、がん拠点病院やDPC 対象病院等の協力を得てが ん登録率の推進、そして喫煙率の改善について県民への更なる啓発活動が望まれると要望した。