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九州ブロック学校保健・学校医大会関連行事

理事 宮里 善次

去る8 月8 日(土)〜 9 日(日)、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀にて、第 53 回九州ブロック学校保健・学校医大会&平成21 年度九州学校検診協議協議会が 開催されたので、報告する。8 日は、関連の諸会議として九州学校検診協議会幹事 会、九州ブロック学校保健担当理事者会が開催されたので併せて報告する。

T.平成21 年度九州学校検診協議会幹事会

横倉義武九州医師会連合会長・九州学校検 診協議会長ならびに開催地の沖田信光佐賀県医 師会長より挨拶があったあと、1)平成20 年度 九州学校検診協議会の事業報告並びに決算2)平 成21 年度九州学校検診協議会の事業計画並び に予算について、担当県(福岡県)より各々説 明があり、特に異議なく承認された。また、継 続調査中の[九州各県における学校管理下の心 臓性突然死(平成20 年度)]について、鹿児島 県で1 例(女子)が発生したこと、昭和49 年 度〜平成20 年度の合計は、合計256 人(小学 校62 人、中学校75 人、高校119 人)でとなったとの報告があった。

協議としては、1)九州学校腎臓病検診マニ ュアルに「保護者向けのQ&A」について、2) 「九州各県における腎臓検診結果集計のIT 化」 のその後についての2 題について、協議が行わ れた。

以下、その概要。

1)九州学校腎臓病検診マニュアルに「保護 者向けのQ&A」について(鹿児島県)

<提案理由>

九州学校腎臓病検診マニュアルに「保護者向 けのQ&A」を盛り込むことが昨年の本協議会専門委員会で決まり、各県から寄せられたQ (質問)を元に準備中である。追加削除等あれ ばご教示いただきたい。

<協議結果>提案内容について、追加意見は特 になく、11 月28 日の専門委員会で纏めていく こととした。

2)「九州各県における腎臓検診結果集計の IT 化」のその後について(報告)(福岡県)

<提案理由>

昨年11 月に腎臓専門委員会で討議した、「ウ ェブ上での学校検尿精密検査後の診断名登録の 進行状況」について、各県に4 月頃に依頼した が、これが動くかどうか、いくつかの地域で試 運転しているところである。11 月の学会に報 告できる。また、現在川崎病のサーバーに間借 りしており、学会等にお願いしてサーバーを借 りたいと考えている。

<協議結果>追加意見は特になく、11 月の専 門委員会で纏めていくこととした。

3)学校管理下でのAED の使用状況について (鹿児島県)

<提案理由>

ここ数年の小児の心臓突然死の状況を調べると減少傾向にあり、学校現場を含む公共施設な どのAED の普及とも関連があるのではないか と考えられる。県教育委員会など関係者に AED の使用状況を聞いてみたがわからない。 AED 使用状況とその結果について、調査して はどうかと思うがいかがか。文科省を動かして 調査してもよいのではと考えている。

日本小児科学会誌(113 巻8 号、2009 年) にも掲載したが、児童生徒の学校管理下での心 臓突然死は平成元年から15 年までは一定の傾 向を示していないが、平成15 年以降は、中学 生・高校生では突然死の死亡率が連続して減少 している。また、各年齢階級での「心筋症と不 整脈及び伝導障害」による死亡数と各年齢層で 死亡の総数を比較すると、15 〜 19 歳での死亡 の総数が過去5 年間で75 %に減少しているの に対し、「心筋症と不整脈及び伝導障害」によ る死亡数は38 %に減少している。日本におけ る心臓突然死を起こす可能性のある心筋疾患の 治療施設での調査結果を見ると、新規の発症数 は減少していない。それにもかかわらず、死亡 数が減少している理由は何なのか。調査が必要 と考えている。

<協議結果>11月の専門委員会にて協議する こととなった。