沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 9月号

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編集後記

46 年後の2055 年の日本の総人口は8,993 万 人で、15 歳以下が7 5 2 万人、15 〜 5 9 歳が 4,005 万人、60 歳以上が4,235 万人と想像する 事が困難な超高齢化社会がやってくる。今年6 月の内閣府経済社会総合研究所の試算では 2005 年を基準にして将来世代の純負債額は1 億794 万円で生涯所得の50 %を超えるという。 つまり、現在の制度では将来世代が稼いだ金額 のうち半分は、我々現役世代の借金返済に奪わ れる!!! 20 〜 30 代の若い世代の積極的な医 療・社会変革への参画が必要だと思う。

今月の大きなトピックスは沖縄県医師会報に 関するモニター調査結果です。調査の結果から 会員の視点で会報誌作りを見直し、紙面づくり を改善するとともに、新コーナー開設、新たな 工夫と広報委員会でも活発な議論が展開され た。第19 回沖縄県医師会県民公開講座、「ゆら ぐ健康長寿おきなわ〜健診受けてちゃーがんじ ゅう〜」からは特定健診から見えてきた現場の 問題と、新たな予防医療戦略の取り組みが必要 ではないかと感じる。第189 回沖縄県医師会代 議員会報告は宮城会長の県医師会館建設の報 告、県立病院の継続、地域医療再生の補正予算 等の報告の後、平成20 年度会計の報告、一般 質問が行われた。緑陰随筆後編ですが、祝嶺千 明先生の興味の尽きない異星(性)人考、白井 和美先生の子育て奮闘記、城間勲先生の苦学生 時代の貴重な思い出、新里敬先生の「今どきの 若いもんは・・」、杉山圭作先生のうらやまし い花の単身赴任生活記、瀬尾駿先生のルーツを 求めて、玉城聡先生の新医療経営科学観、寺田 泰蔵先生のセレブなヨットセーリング実践記、 仲里聰先生の外来笑い話、比嘉盛丈先生のうら やましい強運活用法、又吉隆先生の役立つ研修 医指導法と、俊逸な文章ばかりです。以上が今 月のトピックスです。

生涯教育コーナーは小嶺幸弘先生の分かり易 いてんかん治療と診療体制の見直しについてで す。また作年度の生涯教育コーナー設問の上位 申告者の森本哲也先生のこのコーナーへの思い に、心から感謝します。プライマリ・ケアコー ナーは仲松正司先生、新里敬先生の梅毒につい ての詳細で、術前検査・針刺し事故時の梅毒検 査不要論です。月間行事お知らせでは増田昌人 先生の沖縄県のがん征圧に向けての取り組み、 寺田泰蔵先生のメディカルコントロールについ ての概説、崎山八郎先生の結核感染症の日常の 診療での注意点です。琉大脳神経外科に新たに 就任された石内勝吾先生のインタビューコーナ ー、那覇市安里に開院した又吉内科クリニック の又吉亮二先生のピンクのバラのロゴマークへ の思い、石原淳先生、名嘉村敬先生の研修指導 医・研修医双方の視点での若手コーナー、発言 席コーナーの饒波正博先生の地方自治体の財政 についてのチェックの必要性など多彩な記事で ある。お盆休みにご活用下さい。

表紙のサボテンの花は月下美人、ドラゴンフ ルーツと同じで旧暦の13 日ウンケーから15 日 ウークイの3 日間、夕方から朝までの一晩限り の大きな、香り立つ花を咲かせる。満月の白い 光の下で咲くサボテンの花を祖先の霊への供花 とし、祖先の功績に思いをはせながら、我々現 役世代が今果たさなければならない責務を熟考 したい。サボテンの花の写真を提供された島袋 毅先生の祖父母のご冥福をお祈りします。

広報委員 石川清和

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