理事 玉井 修
平成21 年4 月24 日(金)午後7 時から沖縄 県医師会館において平成21 年度研修医歓迎レ セプションが開催されました。新臨床研修医制 度が平成16 年に始まって以降、琉球大学を中 心とするRyuMIC 研修グループ、県立病院を 中心とする研修グループ、そして私立を含めた 病院郡で形成する群星(むりぶし)研修グルー プの3 つの研修体制が切磋琢磨して臨床研修のレベルアップが図られました。これが沖縄県に おいて毎年140 人前後の初期臨床研修を受け入 れる素地を作り、臨床研修のメッカとなる事に 繋がっていった事は多くの離島医療圏を抱え、 医師不足に悩まされ続けた沖縄県にとって非常 に大きな福音となりました。今後、この若い医 師達が永く医師として成長していく為に必要な のは、沖縄県を全島一体型の臨床研修の場として提供できる体制作りではないかという活発な 議論は新臨床研修医制度の発足と同時に沖縄県 医師会では話し合われておりました。しかし、 新臨床研修医制度により実際に研修医の受け入 れが始まってみると、3 つの研修グループを互 いに交流を持たせ、自由な学びの場としてお互 いに補完し合うという理想的な融合には多くの 課題がありました。臨床研修医の歓迎会も3 つ の研修グループがそれぞれバラバラに開催され ていたのが現状でした。
しかし、平成21 年度ついに沖縄県医師会主 催により、沖縄県で臨床研修する医師達が一同 に集まって合同歓迎レセプションが開催される 事になりました。これは平成20 年12 月に沖縄 県医師会館が新たに新築された事も大きな追い 風になりました。沖縄県で医師として成長して いく若い医師達を沖縄全体で歓迎しようという 非常に大きな理想を形にすることができまし た。この合同レセプションは始まりであり、今 後沖縄県を一つの研修の場として、大きな器で 臨床研修が行える大きな進歩への礎になるもの と期待されています。今年6 月の県医師会医学 会総会では今後の後期研修へのあり方に関し て、各研修グループから研修医がシンポジスト となって活発な議論がなされる事になっており ます。若い医師達が大きな夢と希望を持ってこ の地で医師として成長できるために、研修医自 身が主体的に議論して頂きたいと思います。今 後沖縄県の医療を担う人材を育成するために大 切なのは、若い医師達が存分に学べる大きな器 をどのように提供していくかという事と、若い 医師達の燃えるような情熱だと思います。当日は今回沖縄県での研修が決まった139 名中122 名の研修医と100 名を超える指導医らで沖縄県 医師会館は文字通り溢れ返っておりました。今 回の合同レセプションには沖縄県民全てが新臨 床研修医の皆さんを熱烈に歓迎するという主旨 を伝えるために沖縄県の仲里副知事がご挨拶に みえ、激励のお言葉を頂戴しました。見渡す笑 顔に今後の臨床研修体制の融和を期待し、若い 熱気に研修医諸君の高いモチベーションを期待 した合同レセプションでした。医師不足、医療 崩壊が叫ばれている昨今、この合同レセプショ ンで感じた融和と情熱がこの難局を乗り切る一 つのキーワードとなる事を確信いたしました。
研修医の代表挨拶
豊見城中央病院 梅田基子研修医
本日は、私たち研修医のために、このような 立派な歓迎会を開いていただき、誠にありがと うございます。
宮城信雄医師会長をはじめとした先輩の皆様 から、そして仲井真弘多県知事からのお言葉を いただき、身にしみて感動しているところであ ります。研修医一同を代表して、心からお礼申 し上げます。
古い言い方かもしれませんが、「若いうちの 苦労は買ってでもしろ」と言われます。日々の 努力を成長の糧と信じ、熱意と謙虚さを持っ て、一日も早く先輩方に追いつけるように努力 してまいります。しかし、社会人としても医師 としても未熟であることが多々あります。先輩 方のご指導を仰ぎながら、人として医師として大きくなって行きたいと思います。
最後に、私たち新研修医は、患者さん国民の ための良き医師となるための礎を学ぶために、 臨床研修のメッカである此処沖縄に夢を持って やって来ました。
改めてがんばる決意を表明して、以上、簡単 ではございますが、研修医を代表してご挨拶の 言葉とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございます!
沖縄県医師会平成21 年度研修医歓迎レセプション
- 日時:平成21 年4 月24 日(金)19:00 〜 21:00
- 場所:沖縄県医師会館(3F ・ホール)
会 次 第
司会:玉井修 理事
- 1.開 会
沖縄県医師会副会長 玉城 信光- 2.挨 拶
沖縄県医師会会長 宮城 信雄
沖縄県知事 仲井眞弘多
琉球大学医学部附属病院院長 須加原一博- 3.乾 杯
県立南部医療センター・こども医療センター院長 大久保和明〜歓談〜
- 4.新研修医紹介 管理型病院ごとに
- 5.研修医代表挨拶
豊見城中央病院 梅田 基子〜歓談〜
- 6.閉 会
沖縄県医師会副会長 小渡 敬
研修医へのインタビュー
琉球大学医学部附属病院
新垣 精久 研修医質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。
大学浪人していた時に、遺伝子工学についての本に触れる 機会があり、それがきっかけで医学に興味を持ちました。そ れとほぼ同時期に、医学部に進学していた兄に医学部受験を 勧められて心をきめました。
質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?
2 年間の初期研修を終えた際に専門領域を決定しますが、そ こでの診療ないし手技について困らない程度の知識と経験を 詰められたらよいと思います。
そういう意味で、琉大病院では、専門性の高い疾患に触れ る機会が多く、基本的な知識を身につけると同時に最新の知 見について得られると考えたからです。
質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。
いつも第一に考えているのは笑顔。もちろん常に笑顔でい られるわけではないですが、それでも、一人の患者さんの不 安やご家族の気持ちを少しでも和らげられればと思います。 そして同時に豊富な知識で最大限のケアをし、持てる技術を 発揮する、そんな医師になりたいです。
研修医へのインタビュー
県立南部医療センター・こども医療センター
堤 範音 研修医質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。
私が医師を目指した理由は父の病気でした。高校生だった 私は病気に倒れた父の姿を目の当たりにして病気というもの に強い怒りを覚えました。そして、医師という職業がどのよ うなものかわからないまま、たた漠然と「父を治したい!」と いう気持ちで医師を目指しました。ときに目標を見失いかけ ることもありましたが、自分は何故医師になりたいのかと自 分に問いかけながら、また自分が尊敬する医師のことを心に 浮かべながら医師を目指してきました。大学に入りいろいろ と勉強していく中で進みたい専門は最初に目指したところと 変わってきましたが、「父を治したい!」という気持が私の根 幹にあるという事は変わってないと思います。
ちなみに、現在父は元気に暮らしております。ご報告までに。
質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?
私が臨床研修に求めているものは、患者さんと話が出来る 医師になるために必要な知識と経験です。患者さんと話をす るときには、自分の中に確かな知識がないとちゃんと話がで きないと思います。それを確かなものにするためには技術と 経験での裏打ちが必要であると思っています。そして、それ には何が必要がということを気づかせてくれる指導者の存在 が絶対不可欠だと思います。南部医療センターは学べる環 境・ER 当直をはじめとした豊富な経験・松本廣嗣先生を初 めとした教育熱心な指導医や病院スタッフの方々、そのすべ てを持っている病院だと思い自分の研修先として選びました。
質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。
私は医療を行う上で医師と患者さんの信頼関係というもの が一番大事なものだと思っています。そのためには医療の質 が高いということはもちろんですが、患者さんと笑顔で話し ができるということがとても重要なことではないかと思って います。私は表情は感情を表に出す一番の手段だと考えてお り笑顔はその最たるものであると思っています。生涯一人の 医師として医学に対して研鑽を怠らず、持てる知識を総動員 し、後進の教育をし、笑顔で患者さんを安心させる、そして 病気を診るのではなく仁を見る、これが私の理想の医師の姿 であり将来の目指すべき医師像です。
研修医へのインタビュー
中部徳洲会病院
上門 あきの 研修医質問1.医師を目指した理由についてお聞かせ下さい。
幼い頃に人助けができる医者にといった素晴らしい理由が あればよかったのですが、私の場合は、基本的に単純すぎて 書くのもお恥ずかしいのですが、小学生の頃から制服を着る 仕事か飛行機に関連した仕事をやりたいと思っていたのです が、中学生になって、ちょうどその頃、アメリカのTV ドラマ 『ER』が放送されるようになり、ドラマではあるにせよ、あ の救命救急医たちの活躍にかなり感銘を受け、そのまま突っ 走ってきたというのが、正直な理由です。
質問2.医師となった今、臨床研修に何を希望されています か?また、所属している研修機関を選んだ理由をお聞 かせいただけますか?
臨床研修に期待していることは、各科ごとの基本的な考え 方を学んでいくことでしょうか。多くの科をこの2 年の間に 研修でラウンドするので、科ごとの考え方ややり方をすべて 吸収し、オールマイティになるのは無理だとは思うのですが、 土台の考え方をしっかり学ぶことはできると思うんです。
また、研修では、学生生活とは違って、検査や治療法、所 見を患者さんからとることも、“すべて机の上”ではなく、自 分で実際にしなければいけない。頭で考えることはできても、 実際に行動ができなくてはいけないと学生の頃から強く感じ ていました。そういった理由もあって、多くの症例、手技が 経験できる病院に行きたいと思っていたので、中部徳洲会病 院を選びました。また、中部徳洲会病院では医師はもちろん、 看護師や多くの職種のコメディカルの方々が、非常に患者さ んの為の医療をみんなで実践していて、ここでだったら、医 師としてもあるべき姿を多くの職種の方々たちから学んでい けると強く感じたからです。
質問3.将来をどのような医師になりたいですか?お聞かせ下 さい。
伊波院長がよくおっしゃっているのですが、『患者を断らな い医者』というのが理想でしょうか。理想像をそれとして終 わらせるのではなく、その理想に出来るだけ、限りなく近い 状態になりたいです。そのために、救急が盛んな中部徳洲会 病院を選んだ、と言っても過言ではないです。
今現在は、医師免許あれど、半人前でもないドクターで、 とりあえず一人前になる、というのが近い将来の目標です。
挨拶をする宮城信雄会長
挨拶をする仲里全輝副知事
挨拶をする須加原一博
琉球大学医学部附属病院院長
乾杯の音頭をとる大久保和明県立南部
医療センター・こども医療センター院長
研修医代表挨拶をする豊見城中央病院
梅田基子研修医
会場風景
余興
研修医の紹介
宮城会長を囲む会員並びに研修医の方々
仲里副知事を囲む会員並びに研修医の方々
研修医の方々
研修医の方々