常任理事 安里 哲好
去る1 月26 日(木)、県庁3 階第2 会議室に おいて標記連絡会議が行われたので以下のとお り報告する。
議 題
<提案要旨>
本県における各種健診等の受診率は全国に比 べて低く、特定健診及びがん検診等健診受診率 の向上については重要な課題となっている。
このほど、各種健診についての周知や受診率 向上を図るためのちらし及び健診実施機関を示 すステッカー作成等を計画しているので、配布 方や「沖縄県医師会」の名称の使用等について ご協力いただくようお願いする。
<主な意見等>
■本県における特定健診受診状況の中間報告に よると健診率は非常に低い状況である。その 要因としては、特定健診の他、がん検診や職 場健診、後期高齢者に対する健診等さまざま な健診があり、その違いが分かり難く健診を 受けにくいとしている点が考えられる。県に おいては、各種健診の周知を徹底することを 目的に、健診等に関するポスターやパンフレ ットを作成し、医療機関や市町村及び関係機 関に配布したいと考えている。また、これら の健診をどこの施設で受ければ良いか分かり 難いという話もあり、県においては各健診の 実施を示すステッカーも作成し、各医療機関 の入り口等に貼っていただきたいと考えてい る。ついては、これらのポスターやパンフレ ット、ステッカーに沖縄県医師会の名称を掲 載させていただきたいと考えているので、ご 理解ご協力をお願いしたい。
なお、パンフレットやステッカーの内容に ついては、事前に沖縄県医師会の玉井理事に お目通しいただいていることを申し添える。 また、パンフレットやステッカーの作成は保 健医療福祉事業団の予算で作成することにな っている(福祉保健部)。
□特定健診の実施率が低いと保険者へペナルテ ィが課せられるが、各市町村では受診率向上 に向けてどのような取り組みを行っているか (県医師会)。
■市町村においてはそれぞれでいろいろな受診 率向上に向けた取り組みを行っている。ま た、各市町村の情報共有を図ることを目的と した発表の場も設けている。昨年は10 月に 開催し県医師会からも大山常任理事、玉井理 事にご参加いただいた。次年度も継続して開 催していきたい(福祉保健部)
■次年度から、特定健診に係る業務を健康増進 課に異動する。他の健康増進事業との連携 等、効果的な保健事業を図りたいと考えてい る(福祉保健部)。
□健診受診率の向上も大切だが、本県では健診 で要精査等となった方の受診率も非常に低い 状況であることから、このような方に対して の受診勧奨も非常に重要である(県医師会)。
□市町村による住民への周知徹底が重要であ り、もっと努力していただく必要性を感じる (県医師会)。
□受診券を失くされる方がいるが、再発行の手 続きが煩雑で、結局面倒なので受診しないと いう方がいる。受診券再発行の手続き等をも っと簡素化する必要がある。また、市町村に 問い合わせても相談窓口が設けられておら ず、どちらに問い合わせたら良いか分かり難 い(県医師会)。
■これまでの老人保健事業における住民健診は 担当課が1 つに整理されており、相談窓口も 設置されていたが、特定健診になってから各 健診によって担当課が異なり相談窓口がバラ バラになっている(福祉保健部)。
■今後の課題であると考える(福祉保健部)。
<提案要旨>
各病院・診療所においては、医療法に基づ き、医療機能情報(法定項目【病院56 項目、 診療所49 項目】)を「うちなぁ医療ネット」へ 入力いただくこととしており、本会において も、各病院・診療所へ同システムへの入力につ いて周知を図ってきた。
去る11 月20 日に開催された第4 回沖縄県・ 沖縄県医師会連絡会議では、入力状況が示さ れ、病院89 %【84 施設(入力済)/94 施設 (全施設)】、診療所33 %【279 施設(入力済) /855 施設(全施設)】との報告を受けた。
ついては、現在の入力状況についてお伺いす る。また、今後の「うちなぁ医療ネット」を県 民へどう周知していくか等、今後の展開につい てお伺いする。
<福祉保健部の回答>
平成19 年4 月、患者さん等に対する医療に 関する情報提供を推進する観点から、医療を受 ける者が病院等の選択に資するように各医療機 関はその医療機能情報を都道府県知事へ報告す ることとなった。
県は受け皿となる沖縄県医療機関検索システ ム−うちなぁ医療ネット−を平成20 年3 月28 日に開設し、インターネットを通して県内医療 機関からの情報データを受け入れるシステムを 構築、整備している。
平成20 年度は同制度の2 年目に当たり、昨 年10 月に各医療機関に対して所定の情報を報 告するよう通知している。
平成21 年1 月22 日時点のうちなぁ医療ネッ トへの入力状況は、病院92.6 %、(医科)診療 所40.6 %、歯科診療所33.1 %及び助産所10 % となっており、病院以外は50 %にも満たない 状況である。
インターネット入力された情報を基に沖縄県 保健医療計画の医療連携体制図表の更新を行う こととなっているので、県医師会においては会 員への入力周知を重ねてお願い申し上げる。
なお、県においても県広報誌12 月号に記事 を搭載して広く周知を図っているところである。
<主な意見等>
□本会内の対外広報委員会で県民との懇談会を 開催しているが、その中で医療情報について ピックアップされたので提案したところであ る(県医師会)。
■インターネットはほぼ導入済みだと思うが、 診療所の入力状況がかなり低い(福祉保健部)。
□職員に入力してもらえたら良いが、その他の 問題点はないか(県医師会)。
□入力する際のパスワードの紛失があるのでは ないか(県医師会)。
■パスワードについては紛失等された場合は、 メールアドレスを教えていただければ添付フ ァイルで送信している(福祉保健部)。
■紙ベースでの提出が多いが、インターネット を導入していないところもあるのか(福祉保 健部)。
□全てインターネットでの入力は無理である。 今時ネットを導入していないとは決して言え ない。手書きレセもかなりある(県医師会)。
■問い合わせが良く来て、うちなぁ医療ネット を使うが入力されていないので苦慮している (福祉保健部)。
□利用度、アクセス件数はどうなっているのか (県医師会)。
■現在のところ集計中である(福祉保健部)。
□介護保険では各施設で資金を出して行ってい る。しかし、アクセスしている人がいるのか どうか疑問に感じるところである。アクセス されなければ意味がない(県医師会)。
■このシステムに関しては診療所の先生方に入 力していただくことに尽きる(福祉保健部)。
□医師会報等を利用して会員への周知を検討し たい(県医師会)。
<その他>
本会宮城会長より、日医の都道府県医師会長 会議で配布された平成21 年度予算案(手当関 係)について情報提供を行った。
本件は、救急医療や産科医療およびへき地 医療を担う医師等に対する支援事業で、特徴 的なのが都道府県や市町村が補助金を負担し ない場合でも国が補助率分を支援できる内容 となっており、沖縄県においても十分に検討い ただきたい。
伊波部長からは、急ぎ前向きに検討したいと の回答を得た。
伊波部長より、重度心身障害者と2 歳までの 乳幼児の通院費の一部については、県が今年7 月から自己負担を求める方針を決めていたとこ ろであるが、現状どおり自己負担金が0 円にな ったとの報告があった。
また、次年度より、組織再編があり医務・国 保課の国保の分が健康増進課へ、健康増進課の 感染症や結核対策などが医務課へそれぞれ再編 されるとの報告があった。
印象記
常任理事 安里 哲好
平成20 年4 月の沖縄県保健医療計画で、特定健康診査実施率の目標値は70 %以上(平成24 年度)、 特定保健指導実施率の目標は45 %以上としている。心・脳血管疾患および慢性腎臓病のベースとも なるメタボリック症候群の発生を予防・早期発見して適切な保健指導と必要なら受診を促し、病状の重症化への進展を阻止することを目的とする特定健診・特定保健指導は沖縄長寿復活への足がかりと して、大きな期待がもたれ、受診を高めるためにも、健診費用は全国一低い価格で設定されている。 しかし現実において、特定健診の受診率(平成20 年10 月現在)は市町村国保が14.8 %(10 市におい ても、健診受診率は4.1 %〜 33.2 %のバラつきがある)、被用者保険が39.4 %となっている。近々、 20 年度の最終結果と問題点が出るであろうが、それを分析し、効果的な対策を平成21 年度に具現化 するよう、県行政・市町村行政と沖縄県医師会は一番の課題と提示し、互いの連携の下に、必死にな って取り組んで行きたいものだ。一方、目標未達成の都道府県は診療報酬の減額や保険者が拠出する 後期高齢者支援金が増額されるというペナルティが課せられる予定とのことだが、関係各位の充分な 理解と了解が得られているのか危惧するところである。
平成20 年4 月より、各病院・診療所は医療法に基づき、医療機能情報(法定項目:病院56 項目、 診療所49 項目)を県行政へ届ける義務があり、当県は、それを「うちなぁ医療ネット」へ入力するこ とで届け出たと見なしている。平成21 年1 月22 日時点で、「うちなぁ医療ネット」への入力状況は病 院92.6 %(84/94 施設中)、診療所(347/855 施設中)となっている。尚一層の診療所の先生方のご 協力を願いたい。
国が決めた医療関係の諸事業でも、県がその費用の1/2 あるいは1/3 を負担することになり、県財 政および保健・医療・介護・福祉領域の財政が困窮の折、更なる負担が生じうる場合、県の事業計画 としての提案ができない背景がある。今回、県の負担がほとんど無い「休日・夜間に救急患者を受入 れる医療機関の勤務医師確保事業:救急勤務医手当」と「産科医等確保支援事業:分娩手当」の国の 事業についての情報提供が当会からされ、急ぎ、前向きに検討するとの回答を得た。