日 時 平成20 年9 月24 日(水)19 : 00 〜
場 所 沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ
2F アイランドブリーズ出席者
広報担当理事:當銘 正彦(沖縄県医師会理事)
司 会:玉井 修(沖縄県医師会理事、広報委員)
発 言 者:小渡 敬(沖縄県医師会副会長)
大山 朝賢(沖縄県医師会常任理事)
下地 晃(宮古地区医師会副会長)
仲間清太郎(浦西医院院長)
比嘉 政昭(沖縄県総合保健協会副理事長)
平 順寧(沖縄県福祉保健部医務・国保課医療制度改革専門監)
饒平名知孝(那覇市健康保険局長)
津覇 徹(沖縄県社会保険事務局保険課長)
新里 成美(沖縄県国民健康保険団体連合会事業課長補佐)
沖縄県医師会理事 玉井 修
平成20 年9 月24 日 沖縄ハーバービューホ テルにおいて特定健診 についての座談会が開 催されました。今年か らの新たな試みでもあ り、これまでと全く違 った手法で行われる健診システムであったた め、その対応は非常に困難でありました。健 診を実施する主体が国保や被用者保険等の保 険者になったため、保険者と自治体がどの様 に協力するのか、実際に健診を受託する医療 施設や健診機関がどの様に運営するのかなど 問題が次々と発生しました。この様な中で何 とか動き出した特定健診ですが、9 月現在、 受診率はかなり低調と言わざるを得ない状況 です。ここで特定健診に関わる各機関の皆様 と一堂に会して、これまでの経過を総括し今 後の課題を見つけていこうと思い、広報担当 理事の當銘正彦理事と一緒に企画したのがこ の座談会です。
沖縄県医師会の小渡敬副会長と大山朝賢常 任理事には、全国にも誇れる集合契約を締結 した沖縄県医師会の代表としてご発言頂きま した。宮古地区医師会副会長の下地晃先生に は離島医療圏において特定健診を運用する困 難さをお話しいただきました。浦西医院院長 の仲間清太郎先生には個別健診を行う上での ご苦労をお話しいただきました。総合保健協 会副理事長の比嘉政昭先生には集団健診にお ける問題点をご指摘頂きました。沖縄県福祉 保健部医務・国保課の平順寧専門監からは特 定健診の意義をお話しいただきました。那覇 市健康保険局長の饒平名知孝様には自治体広 報、告知のあり方などについてご意見を伺い ました。沖縄社会保険事務局の津波徹保険課 長からは被用者保険における特定健診の取り 組みに関してお話しいただきました。沖縄県 国民健康保険団体連合会の新里成美様には実 際に健診データがどの様に扱われ、処理され ているのかについてお話しいただきました。 座談会を通じて感じたことは、この健診を有 意義なものとし、更に県民の健康増進に役立 てるよう、お互いに協力していきましょうと いう一致した気持ちであった様な気がします。 健診受診率が伸びないと後期高齢者医療に対 する給付金が削減されるというペナルティが 目の前にチラチラしますが、本来の健診の趣 旨を履き違える事の無いように一致協力して いこうと思いました。是非前向きな姿勢でこ の特定健診に取り組んでいきたいものです。
○司会(玉井) 沖縄県医師会主催の座談会 にご参加いただきまして、ありがとうございます。
本日の座談会のテーマは「特定健診につい て」ということでございます。
まず、広報担当の當銘正彦理事よりご挨拶い ただきたいと思います。
○當銘
皆さん今日はお疲れ のところ、お集まりい ただいてありがとうご ざいます。
県医師会の広報担当 理事をしております県 立南部医療センターの當銘と申します。私は県立病院におりますの で、今日の座談会のテーマである特定健診につ いて関与するところが薄いのですが、この4 月 に特定健診と後期高齢者医療制度がセットで始 まっているわけですが、後期高齢者医療制度に つきましては開始早々、いろいろな世間からの 批判があって、今頓挫している形になっていま す。この特定健診につきましても、かなり混乱 している側面が多いということで、医師会とし てテーマに上げて検討する必要があるのではな いかということで、今日の座談会で取り上げさ せていただきました。
本日は、医療機関だけではなくて、行政機 関、それから健診機関、そしてオブザーバーと して那覇市特定健診の係りの方にも集まってい ただきまして、活発な議論をしていただきたい と思います。
では、司会の玉井先生に引き継いで会を進め ていただきます。よろしくお願いいたします。
○司会(玉井) 司会の玉井でございます。 沖縄県医師会の特定健診の担当理事もしてりお ます。
続きまして、沖縄県医師会副会長の小渡敬先 生よりご挨拶お願いします。
○小渡
皆さん、こんばんは。 県医師会の副会長の小 渡です。本日は大変お 忙しい中を、当会の座 談会に出席いただきま してありがとうござい ます。本来であれば、 会長が挨拶する予定でしたが、所用で来られま せんので、私のほうから簡単にご挨拶したいと 思います。
先ほどラジオで、第92 代の日本の総理大臣 が選ばれ麻生太郎自民党総裁が総理大臣に選出 されました。総理は「この乱世をどうにか乗り 切っていきたい」と話しておりましたが、医療 界は、乱世どころか大混乱をしております。な ぜこんなに混乱したのかを考えますと、1 つは 「医療費適正化計画」、いわゆる医療費の抑制政 策に基づくものから始まっていると思われま す。本日のテーマの「特定健診」についても、 先ほど當銘先生からお話がありましたように、 後期高齢者医療制度、さらには療養病床の削減 等、医療費を抑制するための1 つのセットの施 策と思われます。しかし現場の事情を十分考慮 していないために今日のような混乱が起こって いるものと思われます。この特定健診について は、いかにして疾病を予防するかということ で、日医もこの予防施策については推進したい と考えておりますが、この制度は準備不足もあ ってスタート時点から混乱しており、各市町村 とも6 月から開始されたと聞いています。特定 健診がスタートしてまだ間がありませんが、本 日は現状について色々な意見を伺いたいと思い ます。よろしくお願いします。
○司会(玉井) 特定健診が4 月から始ま り、先日、保険者協議会で話し合ってきました けれども、かなり低い受診率ということです。
一般のこれまでやってきた健診にも及ばない 数字がどうやら見えてきた感じがいたします。
この特定健診は、現場が混乱し、この運用に 関しても非常に混乱がたくさんありました。こ のままこの混乱を引きずったまま来年の特定健 診ということになれば、受診率のアップという のは望むべくもない状況にあると思いますの で、来年の特定健診を円滑に始め、そしてスム ーズに特定健診が運用していけるためには、こ こで一度総括をさせていただいて、何が問題で 今後、どういう取り組みすればいいかを検討し て、今後の課題を明確にしていきたいなという のが、この座談会を企画しようと思った最初の 目的であります。
○司会(玉井) まず今年の健診を振り返っ てということで考えてみたいと思います。
4 月から開始ということであったのですが、 受診券が送られてきて、実際に動いたのは6 月 ぐらいだったと思います。そのあたり本来の流れにスムーズに乗っていけなかった原因はいく つかあったと思うんですけれども、このへんに ついてまずお話をいただきたいと思います。
平専門監、この特定健診の動き出しはどうだ ったのでしょうか。
○平
実際の動き出しは、 開始の半年ぐらい前か ら準備が始まりまして、 国保連合会、県医師会、 県で調整しました。単 価調整から健診項目、 最初はどうなることか と思ったんですけれども、契約事務については 非常にスムーズにいったと思います。他府県に 比較して集合契約もできましたし、それは、県 医師会にかなり調整していただいた力が非常に 大きいのかなと思います。
ただ、受診券については、今回各保険者ごと になり、市町村国保については、国保連合会を 中心に発送がうまくできましたが、被用者保険 の分が、半年もたってまだ受診券を発行してな いところもあるんですね。発行されたところも 十分すべてにいきわたっているわけではなとい うようなところがあります。市町村からの調査 において、9 月1 日現在の受診率は、健診対象 予定者が286,066 人で、集団健診の受診者数が 23,745 人であり、受診率が8.3 %です。個別健 診が1.9 %。全体的に大体10 %ぐらいの受診 率で非常に低い状況です。これは昨年度の住民 健診の受診率の約27 %と比較しても低くなっ ています。ただし、去年は被用者保険の方々の 分が住民健診に入っていましたが、今年は、被 用者保険の分が落ち込んでいるということで、 集団健診受診率が落ちています。また、今回、 我々は受診率を高めるためにということで、県 医師会と一緒になって健診機関を増やそうとい うことをやってきたのですけれども、集団健診 も含めて、個別健診が思うように伸びていませ ん。個別健診は始まりが遅れたことから、今後 伸びるのではないかと思います。全体的にみる と、準備については、何とかうまくいったのか なと思いました。
○司会(玉井) ありがとうございました。 2 つのお話がありました。集合契約のことにつ いて大山先生、これに行き着くまでご苦労があ ればお聞かせください。
○大山
集合契約までの間に、 健診単価でだいぶもめ ました。まず国保連と の交渉では、必須項目 の単価を国保連は5,000 円台をだしてきた。こ れに対し各地区医師会 の担当理事と協議したところ、7,000 円台を割 るようでは話にならないとの結論をだした。そ のギャップの大きさをどうつめるか地区医師会 と連絡を取りながら国保連と水面下で何回か交 渉をもちました。全日病や健保連は個別健診、 必須項目の単価を5,000 円とする線をすでに打 ち出していたこともあって、ここにおられる新 里課長補佐や国保連のお偉方は、5,000 円から 一歩もゆずらない形相だった。国保連との交渉 中に佐賀県の単価が個別健診で6,280 円、集団 健診のそれが4,500 円との情報を入手した事 と、今山前理事の努力の甲斐があって、何とか 個別を6,050 円、集団検診を5,000 円までもっ ていけた。しかし医師会側からの「安すぎる」 との批判には弁解の余地は全くありませんでし た。ただその時は4 月から始まる特定健診に対 し何とか結論を出さねばとの思いと、佐賀県の 健診単価と大きな違いがない事から、私自身 6,050 円はそこそこの値段ではないかと内心納 得していました。さらに集合契約からずれるか もしれませんが、特定健診のデータの報告形 式、その時使われる個人情報保護の為の暗号化 等は、厚労省の説明と実際とはけっこう変わっ ており、厚労省が出した個別健診に対する費用 もかなりの差が出た。厚労省の説明会では1 人 当たり300 〜 500 円の事務費用とのことであっ た。しかし実際始まってみると、データを提出する暗号化が困難なことから企業では1 人当た り1,000 円前後の事務費を取っているという。 詳細な健診項目の単価も単純なものではありま せんでした。眼底検査の単価については、今山 前理事はわざわざ眼科医会の会長に会いに行っ ているんです。片一方の眼底写真だったら600 円でいいが、一方だけとはいかないとのことで 1,200 円を要求しました。国保連のあとは社会 保険の津波課長をはじめ関連の方々とも何度か お会いしました。集合契約までに相当時間を費 やしたのではないかと思います。そういった水 面下の苦労はかなりありました。
集合契約が終わって実際に健診が始まってみ ると来年はこの値段では安すぎるので変えてい かねばと思うと同時に、本日は今山前理事はお られませんが、彼が私よりもっと言いたい事が あったのではないかと思います。
○司会(玉井) 値段のことはいろいろある んですけど、ただ集合契約であるということは 非常に重要だと思います。
実は先日、九州医師会連合会でこの特定健診 について話し合ってきたんですけれども、他府 県では様々な契約がダブルスタンダードになっ てみたりというところで、値段の設定もまちま ちで、かなりの混乱があります。沖縄県は集合 契約を結んでいるということで、県医師会はい い機能を果たしたと私は思っています。
あとは、値段のことですけれども、やはりファ イルの様々な加工とか、暗号化というものに関 して、かなりのコストがかかるということ、今回 の6,050 円の中には組み込まれていなかったんじ ゃないかなという感は確かにいたしますね。
ただ、社保の受診券のことなんですけども、 受診券の配付が遅れているという話があります けれども、いかがでしょうか。
○津覇
被用者保険の代表保 険者ということで、1 月 の保険者協議会総会の 時に被用者間の集合契 約の医療保険者は政管 のほうでというお話が あったんですね。契約 をやるということで医師会と調整をしまして、 4 月1 日のスタートが切れたということに関し ては、全国的にもまだスタートを切れなかった 県もありましたので、よかったと思いますけれ ども、先ほどからお話がありますとおり、受診 券の発行の部分でございますけど、政管の場合 は24 万人ぐらいの被扶養者の方がいらっしゃ って、その被扶養者の方の住所をすべて把握さ れているわけではございませんで、それは特定 健診が始まる前から問題視されておりましたけ れども、直接被扶養者の方に送付するというの も難しくて、事業所経由でやるというような方 式を取ったために、6 月中旬にはそれができる んじゃないかというふうに踏んでいたんですけ ども、それも若干遅れまして、7 月11 日に、約 15,000 件の事業所に送付をしまして、ですか ら7 月下旬ぐらいから徐々にそういった受診券 の発行をやっていって、現在では、直近のデー タでいいますと、受診券の発行が9 月12 日現 在で約14,000 件となっています。
ただその方々が、個別医療機関で受診したか どうかというデータがまだ入ってこない段階で ございますが、関心は結構あるんだなというふ うなことでございます。
ただ送り方の部分で事業所からの申し込みと いうことでございまして、事業所のほうから苦 情があって、「なぜ直接被扶養者宛に送らない のか」というお話も結構きております。
また、問題になったのは、4 月当初からの集団 健診の分でありまして、市町村のほうで被扶養 者の方々は、これまで市町村の集団健診を受け られていたということで、市町村の集団健診の ほうに行かれたんですけど、そのときに政府管掌健康保険の場合は受診券がないと受けられま せんということで、ほかの共済組合の場合だっ たら組合証だけでもできたところもあったよう なんですけど、政管の場合はそれができないと いうような話があります。
ただ、離島市町村で個別の医療機関がないと ころに関しては受診券なしで保険証だけでいい ですよというやり方をしておりました。
受診券が遅れたために集団健診が受けられな かったというふうなことがあり、市町村の方に はご迷惑をおかけしたなと思っております。
今後の課題としましては、受診券の発行とい うのをどうやっていくのかということだと思い ますけども、こちらのほうとしては、個別の医 療機関で受診できるように契約していますの で、自分の都合のいいときに年度いっぱいでし たら受診できますよということで納得いただい ているというのが現状です。
○司会(玉井) 1つ気がかりなのは、来年 は共済会がこの受診券の発行を行うのですか。
○津覇 集合契約の代表保険者は被用者保険 間で持ち回りというようなことを決めてまして ですね。スタート時は政管のほうでという話が あったんですけど、次は市町村職員共済組合と いうふうに順繰りにやっていこうというような 話にはなっております。
今年発行が遅れたというのも、政管の部分が 遅れたということです。
○平 受診券の発行はそれぞれの保険者のほ うで発送します。「政管健保」は10 月から民営 化されて「協会けんぽ」が、それから共済は4 共済がありますので、地共済あるいは警察共済 とか、それぞれのところが送るんですね。
ところが、システム上で、利用者の名前はあ るが、受診券にそのまま名前が出てこない。あ とは手書きで入れざるを得ないとか、いろいろ な問題があって、かなり遅れたみたいです。実 際一部の共済加入者にはまだ届いていないとい うところもあります。
○司会(玉井) 今年のいろいろな問題点を、 まとめ役である共済会にちゃんと情報が伝達でき るのでしょうか。
○津覇 そうですね、去年は政管のほうで集 合契約、代表保険者ということでやりましたの で、その辺のデータの引継ぎというのは今年や っていかないといけないのかなというふうに考 えています。
○司会(玉井) 比嘉先生、実際に集団健診 の現場で何かの混乱がありましたでしょうか。
○比嘉
その前に、先ほど集合 契約の話が出ていまし たけれども、集合契約 は細かい内容で、例え ば土曜日、日曜日、夜 間についての細かい契 約料金の設定ができる とかないですよね。一律に集団はいくら、個別 はいくらといっていますよね。市町村は最近、 日曜日にやってくれないか、土曜日にやってく れないか、あるいは夜間にやってくれないかと か、出てくるんですよ。そういうふうにしてい きますと実施する側としては、やはりすべて一 律の料金で実施することについて非常に無理が あるんです。ですから、集合契約をする場合に は、その内容について日曜健診については上積 みを幾らできるとか、土曜あるいは夜間健診に ついては幾らでできるというようなことを、最 初の段階で国にも申し入れして、料金設定をし てもらえるようなことが必要じゃないかなとい うのがありました。それが1 つです。
そして今、司会のほうからあった部分ですけ れども、まず準備段階における混乱というの は、1 つは市町村の混乱がありますね。特定健 診を行っている部分と、これは法律が高齢者の 医療の確保に関する法律というのがあります ね。介護保険の場合は生活機能評価が入ってき ましたね。それから健康増進法によって、がん 検診が入ってきました。これらは同時に実施さ れているわけですね。その場合に、市町村の担 当部局が分かれていて、費用の問題、負担の問 題についても、健診機関としてどのように調整するか、市町村体制が十分に連携が取れていな い等の混乱がありました。
それから、検査項目の確定の遅れですけれど も、これは例えば血糖とヘモグロビンA1c、あ るいは尿酸とクレアチニンの検査ですね、こう いうものについての検査の注文が団体によって 違うんです。国保連合会、政管健保組合とか、 違ってくるんです。市町村によっても違うとい うことがあるんです。この調整に時間をかなり とったようです。
それから、集団で対応する場合は、詳細検査 項目といって、心電図、眼底、貧血があるわけ ですけども、これが何名ぐらいの人が受診する か予測ができないので、対応についてかなり難 しい状況がありました。
さらに、健診受診票の内容修正です。これが 頻繁に行われて、結局は健診内容の調整が十分 できなかった。これは印刷した後にまた変更が くるというような形で準備の遅れがあった。
また、集合契約の内容についても、被扶養者 のみ、全県一律に健診機関を利用できると考え ていた部分もあって、理解が十分でなかったよ うです。実際は被保険者、被扶養者、どちらも 利用出来るようです。
それから、最後にデータ作成については、 XML という形式を使っているようですけれど も、この確定にもかなり時間がかかったよう で、実際に確定版ができたあとでも、まだ8 月 の段階で修正が加わってくるというようなこと があるということですね。
最後に、やはり健診現場での受診票の出力と いうのがあるんですけれども、それについてプ ログラム作成、実際の運用等かなりスタッフの 負担が大きかったということです。帳票、受診 票を全部受診券を確認して、出力というような 形でするわけですから、かなりの負担が生じて います。
○司会(玉井) やはり集団健診の施設も大 変だったというのがわかるんですけれども、市 町村のほうからがん検診とか生活機能評価とか 様々な健診とこの定期健診がごちゃ混ぜになっ て担当者の対応が大変だったと思うんですけど、 このへんは現場はいかがだったのでしょうか。
○饒平名
その前に、私どもの 健診の受診率が3.24 % ということで、県全体 の足を引っ張っている 状況です。私どもとい たしましては、これま では2 年間健診を受け ている人だけに個別の案内をして全員にはやっ ていなかったんですが、今回は62,000 人全員 に対して受診券を送付するとか、市の広報誌全 世帯配付のものを、3 回特集を組むなど、ある いは自治会の説明会に出向くとか、様々な努力 をして、今までにないような取り組みをしてい るんですが、思ったほど受診率が上がらないと いうことで大変苦慮しているところです。
その中で、私どもとしましては、今、お話が ありましたように、従来、国保では人間ドック を4,000 名ぐらいの皆さんがやっていたんです けども、それを今回の特定健診を機に廃止しま して、従来のがん検診とセットにして、予算は もちろん別々に立てますけれども、医療機関の ご協力を得てセットで私ども総合健診という言 い方をして、メニューを提供したところです。 しかし市民には、案内は別々になってしまうわ けなんですよね。こちらは特定健診の案内、こ ちらはがん検診の案内ということで、封書が同 じところに2 ついくと。そうしますと、なかな か市民の方がセットでご理解が難しいというこ ともあったりしました。
もう1 つは、医療機関の方の対応がなかなか 厳しかったようです。2 〜 3 カ月待たないと順 番が取れないとかいうことで、市民の皆さんか ら苦情がきたりとかございました。
それから、お配りしました資料にも書いてあ るのですけれども、先ほど比嘉先生からおっし ゃった件と若干重複しますけども、生活機能評 価と特定健診を同時に受診して、共通項目につ いては機能評価の方を相互活用し、支払うということであったようですけども、そこの部分が どうも時間切れだったんですかね。調整がうま くいかずに、結果としては別々に対応すること らになりました。市民の方には大変に不便をさ れているんじゃないかなということです。
○司会(玉井) 宮古地区で、下地先生が特 定健診を進めるにはあたって非常な困難があっ たと思いますが、いかがですか。
○下地
特定健診が、今年の4 月からスタートしたわけ なんですが、実際、宮 古島市で特定健診を受 診するということになっ たのは、7 月の後半から だと思います。その間 に、玉井先生からも話がありましたが、特定健 診の請求業務に関して、非常に複雑で、医師会 員からは、とても一開業医でこれを全部やると いうのは難しいんじゃないかという意見がどん どん出てきまして、幸いにして福祉保健部の平 さんや、社会保険事務局からの説明があり、県 医師会の努力もあって、特定健診についての認 識というのは、比較的スムーズに医師会にも行 政のほうにも行きわたった感がします。
でも一番大事なのは、受診率を上げることだ と思います。おそらく宮古島市でも受診率 10 %内外だと思われます。受診率が低くなっ た原因は特定健診を実施するまでの準備期間が 短かった事と、受診対象者に対する周知徹底が 不十分であった事によると思います。特定健診 の受診券をいざ発行しても、それを前もって住 民に周知徹底ができてないものですから、はが きを受け取っても意味のわからない人たちが結 構いるんです。例えば僕の診療所に患者さんが 来るときに、こういうものがきているけどこれ は何かと、意味がわからないという人もいるよ うな現実なので、やはりそこらへんを行政側 が、もっと住民側にしつこいほど周知を徹底し ていくことが肝要じゃないかなと考えます。
○司会(玉井) 仲間先生、実際に現場で特 定健診を動かしてみていかがでしょうか。
○仲間
まず準備段階での混 乱ということですが、4 月からのスタートとい うことで、実際は6 月 からでした。その準備 期間というのは、さっ き大山常任理事のお話 があったのですが、契約準備の遅れですね。そ れとか料金の設定の問題。確か7,000 円から 8,000 円ぐらいにしようということで、いろい ろもめていたのですが、結局、6,050 円と行政 から押し切られてしまったのです。
それと次は、暗号化と電子化。これがどうも ネックになっていた。我々診療所においては、 玉井先生も前に講演会で話をされて、これを自 前でやったら大変じゃないかなということで、 結局、うちもSRL を使ってやっているんです けど、結局、SRL に委託すると委託料が500 円いるんです。それと血液検査代とかを合わせ ると2,000 幾らかになる。儲けもあまりないと いうような現状です。
それから、あとホームページの件があります。 ホームページは、持っていないところのほうが 多かったんですけど、この問題は医師会のホー ムページに載せるということで解決しました。
あともう1 点、沖縄独自でやっているクレア チニンも血糖とA1c、それも結局コストがかか っているんじゃないかという件もありました。
健診機関としての登録に関しては、そんなに 大きな混乱はなかったと思います。スタート時 の混乱というのは、大体そういう感じだと思い ます。
それと、先ほどの受診券の話でございますけ ど、現場では受診券と保険証を持ってこない人 がいるんですね。実際そういう現場もありま す。それから急に予約なしで来たり、やるほう も、やられるほうも、外来も混んでいますの で、その中でどうやってやるのかというのが非 常に混乱しています。
それと当然一般診療の中でおこないますので 一般の患者と同じように待つ時間が長くなる し、できるだけ予約診療ということを途中から 決めました。
○司会(玉井) 新里さんは、実際にデータ が送られてくる国保連合会ですけれども、デー タの処理に関しては、現在はうまく対応されて いますか。
○新里
市町村のほうでは4 月から特定健診が始ま ったんですが、医療機 関の健診データの請求 データ作成に時間がか かっています。国の言 うXLM 形式のデータを つくるのに、6、7 月はだいぶ混乱がありまし た。請求データの8 割方がシステムに通らない という現象があり、お返しをして、医療機関に は本当にご迷惑をおかけしております。
その中で、医師会報を活用し、データのつく り方、「こういうデータになると、通りません。 こういうデータにしてください」という形で、 医師会の協力をいただいて、医師会報に掲載を してもらって、今は9 割方データのつくりは落 ち着いてきて、毎月2 万件近くのデータを処理 している状況です。
○司会(玉井) 新里さん、だいぶデータが 通りやすくなったようですけれども、あと仲間 先生のほうからありましたクレアチニンの件で すが、沖縄県でこのクレアチニンを検査すると いうことに関してご意見があればお願いします。
○新里 先ほど大山先生からありましたよう に昨年の10 月ごろから、集合契約をすすめる にあたり、健診項目の検討をする際に市町村の 状況、沖縄県の現状を加味して、クレアチニン と尿酸とヘモグロビンA1c は必須という形で、 国の項目外の追加健診という形で入れさせてい ただきました。その経緯は人工透析の全国伸び 率で第3 位で、現在全国第6 位というのが現状 です。それが総医療費の8 %を占めるというの が沖縄県の現状です。国の2 倍の割合になりま す。これをきちんと予防するためにも、今慢性 腎臓病(CKD)を予防すると、人工透析、虚 血性心疾患、心筋梗塞も予防できるというデー タがありますので、ぜひ沖縄県は3 項目を入れ ていただきたいということで、医師会のほうに 調整をしたところ、宮城会長をはじめ了解をし ていただいたという経過があります。
○司会(玉井) コストが少々かかるので、 運営上はまずいところもあったかもしれませんけ れども、この健診項目の追加に関して何かご意 見のある方はいらっしゃいますか。
○大山 国保の場合では、初め血糖が随時だ ったんですよね。空腹時ではなかったので、あ のへんも申請したりするとソフトの面で引っか かったんですけど、ですから、結局まとめて7 月に請求書を出すことになったんです。
それからもう1 つ、質問票の21 番ですけれ ども、国保は「いつ時間が空きますか」という こと、でも国のほうは「あなたはメタボを解消 する意思がありますか」という大きな違いがあ って、このへんは今もまったく一緒ですか。
○新里 21 項目目は、市町村の独自の質問 です。
○司会(玉井) 実際これは国保と被用者保 険で、少し特定健診のつくり方が違うんです よ。実際被用者保険に関しては、データを出し たくても出せないところがあるんです。だか ら、来年はそのあたりのことも考えていただく といいのかなという気もするんです。
○平 多分政管健保のほうなんですね。政管 健保は全国統一でやっていましたので、沖縄県 みたいにクレアチニンとA1c を追加したのが、 全国は空腹時血糖だけという形ですので政管健 保のほうも、空腹時血糖中心にしてくれという 形になっています。今度の10 月から「協会け んぽ」になって、沖縄県に支部ができますよ ね。その際に、支部の権限が県の支部で、そこ らへんの裁量がきくのかどうか、できればぜひ そういう方向で調整していただければと思いま す。共済とか健保連はいろいろ調整できるんですよね。要は、人数が一番多いのが政管健保で すので、そこの調整を「けんぽ協会」の中で何 とかやっていただければと思っております。
○下地 平さん、政管健保は今はヘモグロビ ンA1c はないということですか。
○司会(玉井) 入っています。政管健保は やっています。
○津覇 やってはいるんですけど、請求がで きないという。同じ金額で国保のほうとやって いるんですけども。
○平 サービスというか、やってもやらなく ても同じ金額。
○津覇 請求のほうはどうしても国の項目の 中で決められているものしかできないというこ と。これは指導があって、全国的にもいろいろ 問題になってはいるんですよ。ただ、沖縄の場 合は、健診結果通知もやっていただくというよ うな形で、納得してもらったということです。 ただ今おっしゃっていたように、10 月1 日から 「協会けんぽ」にかわりますけれども、そのへ んまで裁量があるかどうかというのは、全国健 康保険協会の1 支部ではあります。確かに各県 単位で健康づくりとかもやっていきますけれど も、そのへんはどうなるかというのは、私のほ うではわかりません。ただそういった形で、本 当は各県単位独自のものもやっていかないとい けないんじゃないかなという気は私個人として はしています。
○司会(玉井) 沖縄県はやはり慢性腎臓病 とか透析とかというのは非常に大きな問題です ので、尿酸も透析と絡んでますし、この間、保 険者協議会に行ってびっくりしたのは、eGFR が50 未満という方々が、人口密度にして全国 の2 倍の数だそうです。もちろん、透析になっ ている人たちも、もう全国で6 番目に多いんで すけども、すでにその前の段階に来ている人た ちがかなり多いということですので、お金がか かるものですから、透析の問題は沖縄は非常に 大きいと思います。
○仲間 今全国的に、From-J というCKD を減らそうという大規模の調査がはじまってい ます。そういう意味でもクレアチニン測定は大 切です。クレアチニンからeGFR を計算して、 ステージ3 の人で、糖尿病、高血圧の人、この へんを集中的にリストアップして、透析に移行 するのを減らそうということで、今本格的に動 いてきている。ご存知のように、透析は結構沖 縄は多いと言われていますが、全国で年間に 13,000 人ぐらい。とにかく透析を減らさない と医療費はパンクするという現状もあって、今 全国で調査、介入試験がはじまっています。
○司会(玉井) 重要な問題ですね。特に特 定健診に絡んで。
○當銘 クレアチニンを入れたというのは非 常にいいことだと思います。ちょっと論点がず れるかもしれないのですが、メタボリックシン ドロームとたばこというのはとても関係するん です。たばこのことは、これに入っているんで すか。
○司会(玉井) 喫煙は質問するようになっ ています。問診でされている。
○當銘 お酒は。
○司会(玉井) お酒も入っています。
○當銘 これは、指導のときちゃんとあるんで すね。
○司会(玉井) ただ、データには出てこな い。呼吸器の検査をするわけでもない。
○大山 例えば健診に来て、おしっこの検査 をさせない人がいるんです。そのまま帰ってし まう。しょうがないからそこは抜けて送ろうと したときに、その抜けたところにはちゃんと数 字を入れてくださいと言われて困る事もありま すね。
○新里 おしっこの検査の場合は、女性の生 理中とか、やむを得ず、腎疾患があるためにお しっこの検査ができない方については、医師の 判断理由を入れ込んで、実施できなかった理由 を入れこみ、測定不能でしたという理由であれ ばデータ的には通ります。
○小渡 先日の九医連各種協議会でも、健診 の件で尿酸やクレアチニン等、全部入れてほし いと各県とも言っているようです。国保の方は大体各県とも対応しているようですが、被用者 保険の方は、厚労省がノーだと言うので、なか なか対応してくれないようです。厚労省がそれ をやらないのはどうしてですかね。
○司会(玉井) これ今、国保と社保がダブ ルスタンダードになっているんですか。
○津覇 基本的には、尿酸、クレアチニンは 入れないというような、必須項目ではないとい うような方針らしいんですよね。
○小渡 九州はみな同じ意見だし、九州だけ が腎不全が多いわけではないので、その方針の 論拠というか、厚労省の必要ないという見解は 理解しがたいですね。
○當銘 これは、正式に要求していくという 手順を踏まないとどうしようもないんじゃない ですか。
○司会(玉井) さらに健診の値段がもう少 し反映されるといいですね。それがちゃんとし た金額的裏付けがないことには、今手数料もか なり高いという状況で、ほとんど儲けのない状 況で特定健診は個別でやっているところです。
やっぱり九州各県は、クレアチニンとHbA1c は、ぜひやりたいという共通した意見でした。 これからまた各保険者でご検討いただきたいと 思います。
○司会(玉井) 次は特定保健指導について 話し合っていきたいと思います。
実際には特定保健指導はほとんど動いていな いですよね。現在、特定保健指導に関して、実 際に動けるようにしようということで、今勉強 会やら実際に指導に当たる方々の様々なテキス トの使い方とか、そういうもののレクチャーを 10 月5 日にやろうということで今準備している 段階です。
新里さん、特定保健指導に関しての今の取り 組み方、またどれぐらいの人が抽出される予定な のか、そのへんがもしわかったらお願いします。
○新里 特定健診の約2 割の方が特定保健指 導の対象者になります。データで言うと4 割ぐ らいいらっしゃるんですけど、医療にかかって いる方は特定保健指導の対象者ではありません ので、大体健診を受けた方の2 割ほどは、特定 保健指導の対象者として今推計をしています。
○司会(玉井) 今2 万人受けているわけで すから、2 万人のうちの2 割、4,000 人が。
○大山 もう、始まっているんじゃないですか。
○新里 はい、市町村は順次保健指導に入っ ております。
○大山 42市町村がありますけど、ただ、 医療機関での健診結果が遅れて、予定より保健 指導の実施時期が遅れている状況です。
○平 集団健診のデータは早いと思います が、個別が遅れています。
今9 月1 日現在で、市町村分では、だいたい 28,000 名ぐらいが健診を受けており、個別健 診は、そのうちの2 割ぐらいです。医療機関か ら直接健診データをもらってくる市町村もある んですけど、経由してもらっているところもあ ります。
○下地 それが、非常にまた問題だと思うん ですよね。実は宮古島市にも、その結果の報告 をどこがするかということで問題になったんで すが、宮古島市と医師会は集合契約をやってま すから、14 の医療機関が一緒になって健診業務 にあたっているんですが、その結果をうちは那 覇市医師会に、検査結果、データの作成を委託 しているわけです。そこから医療機関に検査結 果が届くんですけど、宮古島市が結果の報告を 受診者にやるのか、それとも医療機関がやるの かということになって、結局、各医療機関で受 診者に対して説明をしてください、結果の報告 をしてくださいということになったんですよね。
○司会(玉井) これは、いろいろなシステ ムがありまして、一長一短ですね。医療機関が 直接話してお渡しする場合は、やはりきめ細か いその人に対して説明ができるというところは 確かにいいところです。この数字の意味とかも 一つ一つ。ただ手間がかかりますね。時間もか かります。逆に中部地区医師会や北部地区医師 会は、直接医師会が本人に対して郵送しているんですね。あと市町村が送ったりする場合はあ まりそういうふうな手間はかけない。ただ、本 人たちはそれを見て、それを十分納得できるの か。それについて理解ができるのかというの が、ちょっと難しいところですね。このへん が、このシステム上の長所と短所がそれぞれあ ると思うんです。統一していくのはもう少し模 様を眺めて、それぞれの利点と欠点をよく考え ながらという形になると思います。
○平 市町村によっては、結果の通知を医療 機関から送るより、自分たちが直接持っていく ことが特定保健指導に入りやすいという意見も あります。ただ、大きな市になりますと、数が 多いですので、困難な状況もあり、統一しにく い部分があるんですね。
○仲間 当院はSRL に委託しているんです けど、SRL からの返書では、「あなたはメタボ に該当する」とか、「特定指導の通知が後日来 ます」と書かれています。本人は、医療機関に 検査の結果を聞きに来ますが、5 分も10 分も説 明して帰すんだけど、再診料とか、それは取れ ないんです。当院は現在までに34 名の人がい るけど、今はサービスということでやっている んですけど、そのへんも今後の検討課題です。
○津覇 ちょっと質問ですけど、診療所のほ うから問い合わせとかがあって、本人への受診 結果なんですけど、郵送するのか、それとも受 診者の方をお呼びしてやるとかですね。それ が、事業財団のほうに問い合わせとかがあるよ うなんですけども、これは医師会のほうである 程度統一されているんですか。
○司会(玉井) これは統一してないです。 その健診受託機関によって方針が違うんです よ。ですから、個人通知するところ、または医 療機関にまずデータを返してしまって、あとは 医療機関にそのデータの処理、本人に対して説 明義務まで持たせているところがあります。
○津覇 これは地区医師会ですか。
○司会(玉井) これは受託機関によって違 うんです。例えば那覇市医師会の健診センター は、すべて病院に返すんですよ。ですから、那 覇市医師会の検査センターに検査データを出し たところは、検査センターは個人に送らないん ですよ。全部医療機関に返すんです。ですか ら、健診医療機関がそれを説明してくださいと いうことです。そういう少し手間がかかること なんです。それはそれで、ニュアンスを伝えき れるというところでいいところでもあるんです けど、ただ、今おっしゃっているように医療機 関には非常に負担になっているところもあろう かと思います。
○比嘉 今お話しているのは個別健診の場合 のお話ですよね。総合保健協会はどちらかとい うと集団で健診していますので、結果について は、市町村に、あるいは事業者に返すわけで す。社保は社会保険事務所に返していると思う んですね。そこのほうから本人に対して「あな たは積極的支援、動機付け支援ですよ」とか、 そういうふうな形で、本人に。それは委託先の 市町村国保から返していく形になるんですけれ ども。ただ問題なのは、そのあと通知を受けた 個人が医療機関に対して自分で申し込みをし て、保健指導を受けることになるんです。です から保健指導は、その本人が申し込みをしてや りますので、意識の高い人は受けるんでしょう けど、あまり意識の高くない人は受けないと か。特に社保あたりになると、仕事が忙しいよ うな方々は、もらっても保健指導を受けない人 たちが増えてくる可能性が高いんですよね。こ のへんの動機付けがやはり十分にされてないと いうことですね。そういうことで、あなたは特 定保健指導の対象ですよと言ってもらっても、 実際には行かない人たちがかなり出てくるんじ ゃないかなと思うんです。その場合に、今度は 受診勧奨ですね。どういうふうにやるのかとい うことですね。そういうこともやらないと、さ らに結果は悪くなってくるんですね。
○司会(玉井) これまでの健診は、受け放 しで、結局その人に還元がうまくできなかった り、勧奨が十分できなかったりというのがよく なかったと思うんですよね。これを是正してい ってもっと生活に介入していこうというのが特定保健指導だと思うんですけど、そういう意味 でも社保の動機付けとか、そういうモチベーシ ョンを持っていくというのは重要かもしれませ んね。
○津覇 そうですね。被保険者の場合はある 程度進んでいっているんですよ。生活習慣病予 防健診ということで、被保険者の場合は意識が 高くて、健診結果が出てきたところで、医療機 関のほうに行って、すぐ結びつけるとか、そう いう取り組みもやっていますけど。
ただ被扶養者の場合は、受診をどれぐらいや っているかデータも出てこないような状況なん ですけど、今おっしゃっていたように事業所の ほうに、受診勧奨をやらないと、なかなか難し いのかなとは思っているんですけどね。
○司会(玉井) 国保と社保とは違うと思う んですよね。
○下地 難しいですね。例えば、被雇用者保 険を知らない事業所もたくさんあるんじゃないん ですか。まだ、重々わかってないと思いますよ。
○津覇 それと事業主健診との絡みもあっ て、事業主健診自体を受ければ特定健診を受け たことになるんですけど、そのへんのデータの 取得の部分は、今からやっていく段階です。事 業主健診を受けられた事業所のほうのデータを 取得して、それをまた特定保健指導に結び付け ないといけないということで、これからまた後 半の、10 月から「協会けんぽ」に変わりますけ ど、そういう流れをまたつくらないといけない。
○仲間 僕も2 〜 3 ヶ所の会社健診をやって いますが、1 社あたり、50 人から100 人、毎年 やっているんだけど、毎年同じ指摘をしても、 1 年間医療機関を受診しない人が多いですね。 動機付けをしたり、健診結果を見て、本人にち ゃんと話をするんだけど、それでも放ったらか しの人が多いんです。だから今一番問われてい るのは、そこの部分だと思うんです。特定保健 指導にいかにもってくるかですね。
○平 被用者保険で、積極的支援が必要な方 に対して、ある被用者保険では、希望があれば 利用券を送るということでしたが、どうですか。
○津覇 政管の場合は、保健指導が必要な方 に利用券を送付する形になっています。
○平 今から被用者保険でも議論をしないと いけないと思っているんですけど、共済保険は、 各扶養者に健診や保健指導の内容のパンフレッ トと医療機関情報を発送しています。このよう な情報を提供するのは重要ですが、特定保健指 導が必要な方が出てきた場合に、利用券の発送 とか、保健指導が十分にできるのかということ が被用者保険のほうで課題があると思います。
○大山 標準的な質問票の質問項目21 を見 ますと、「運動や食生活等の生活習慣を改善し てみようと思いますか」と、書いてあって丸す るときに「1)改善するつもりはない」なんて項 目がありますけど、それに丸したらもう上げる 必要はないんじゃないですか。これは、おかし いですよ。これを書いていて私も1)番に丸をし たら、行かなくてもいいのではないかなと。こ れは少なくなるでしょうね。この標準的な質問 票の質問項目21 というのがひっかかるんです。
○平 それと、市町村からの意見では、結果 の通知書を受けて、自ら健康づくりしている場 合もあり、健診後何カ月もしてから保健婦さん が来て「今頃何でくるか、もう自分でやってい るよ」というようなことがありますので、データ が迅速に送られ、早めに保健指導が入れる仕組 みをつくっていくことが重要だろうと思います。
特に被用者保険では、早めに利用券を送るか が重要ですね。
○司会(玉井) これはぜひ期待したいで すね。
○饒平名 これは診療報酬請求システムにな っていますよね。いわゆる2 カ月遅れで、それ から市町村に回ってくる。ところがおっしゃる ように、自分でやる方はいいんですけど、この 間に冷めてしまっている。モチベーションが落 ちてしまって、これから保健指導ということに はなかなか乗ってこない、こういう方が一番問 題なんですよね。ですから、やっぱりホットな 情報を得て、気持ちもそういう気持ちになって いるときに、タイムリーに保健指導につなぐという意味では、保険請求とは別に、とりあえず はデータを市町村に仕分けして流してもらう と。そうしますと、我々としては対応がとても 早くできるのではないかと思います。
○司会(玉井) 対応のスピードアップは大 事だと思います。そういう意味でも被扶養者で すね。健診をやって半年などという形ではなく て、迅速に何らかの介入をしていくというのが 大事だと思います。
○下地 特定健診で一番で大きなネックは、 保険請求制度、要するに支払い基金や、そこに こういった請求をして、そこから送られてくる というタイムラグが一番大きいマイナスメリッ トだと思うんです。これを本当に真剣にやろと いうのであれば、県と各市町村は、この請求業 務もそうですし、連携業務も本当に簡素化し て、迅速にこれができるような工夫をやってい くことが僕は一番大事だと思うんです。それを やらないと、特定健診率も伸びてこないし、将 来的な生活習慣病の予防にはつながらないと思 います。
○司会(玉井) このシステムそのものが複 雑になりすぎているんですよね。
○比嘉 これと関連しますけど、私自身は実 際実情は知らないですけど、特定保健指導の受 付事務作業が煩雑であるというふうに、うちの 担当が書いてあるんですけれども、それで報告 書のシステム開発も十分ではないかと思います ね。報告書の作成段階でかなりの事務作業が発 生しているので、これは多分先生方はこれから だと思うんですけれども、かなり手間がかかる のではないかと思います。どうですか、新里さ ん、担当者はかなりこれを懸念していますけれ ども。
○新里 市町村からのクレームも来ていまし て、請求データを通して、今は市町村のほうに 健診データをお渡ししている状況で、今、饒平 名局長さんもおっしゃったように保険診療と同 様2 カ月遅れになると、現場の市町村としては 大変困るわけです。健診をして健診結果が本人 に届くのと同時に、市町村にもデータをお渡し しないといけないことで、今、連合会の中でも 検討していまして、請求データと健診データを 市町村にお渡しするのは切り離したほうがいい のではないかという形で、上司とも調整してい る状況です。請求ができていないと健診データ が市町村に提供できない状況ですので、そこを 今後解決していかないといけないと思います。
○饒平名 連合会がちょっと努力すればでき ないことはないですよね。
○司会(玉井) そのへんの区分けをすれば いいわけだから。
○新里 先生方と市町村のご協力をいただけ ればと思います。
○司会(玉井) 何しろ様々なデータをデジ タル化するのが複雑になりすぎて、ほかの県の 医師会は、地区医師会でこれを代行業務をして いるところは、夜中の1 時とか2 時とかまでか かって、職員が徹夜してこれをやったそうです。 本当に意味があるのかどうかわからないような 暗号化ということをやらないといけない。しか も、来年の4 月にこのソフトが変わるんです。
本当に使えるのかどうなのか、またバグ(プ ログラムの誤り)が出ないかどうなのか。様々 な憶測が今乱れ飛んで、ちょっと心配になって くるところがあります。
○司会(玉井) 来年の特定健診に向けて望 まれる改善点ということで、何かご提言があれ ば、お願いします。
○新里 関連してですが、尿の検査の潜血の 項目を追加していきたいと市町村国保としては 考えています。腎臓をみる視点として必要な検 査項目になります。
○下地 欲を言えば、この特定健診の中にバ リエーションをもうし少しつくってほしいです ね。例えは、腹囲が100、120 ぐらいある人た ちで、脂肪肝が疑われるというような場合は、 超音波をすぐそこでやれるとか、明らかな脂質 代謝異常のある人にはその場で、頚動脈のプラーグがあるかどうかのチェックができるように するとか、こういう場合はこの検査をしていい ですよという2、3 の項目を入れるだけで、受 診者にとっても大きなメリットがあると思うん ですよ。せっかくこういうふうな特定健診とい うこれまでにないことをしようとしているわけ ですから、予防効果を考えると、そこらへんの バリエーションを専門医によって持たせていい ということが言えるのではないかと思います。
○司会(玉井) 眼底検査が今回定期健診の 中でなくなった。来年からできているんでしょ うけれども、そうすると、頚動脈エコーとかが 非常に有用になってくるんでしょうね。
○下地 特にDM 専門でみている先生方は、 これは早急にこの検査をやったほうがいいな と、直感的にあるのがあると思うんですね。そ こでやってあげる。これが一番、時を得た検査 だと思います。
○司会(玉井) それから先ほど比嘉先生か らお話があった、日曜・休日健診ですね。そう いうものにもきめ細かい手当も含めてあっても いいのかもしれないですね。
○平 今年は、日曜とか休日・夜間は想定し ないで、できる範囲内でと、要はまずやる診療 所を増やそうということが狙いでしたので、そ こまで想定しなかったのですが、次年度から受 診率を高めるためには、どうしても休日とか、 ある程度時間をずらしてということもあると思 います。契約の中で、そこらへんをどうするか ですね。中には休日やりたいという診療所の先 生もおられましたので、契約の調整の中で議論 すべきじゃないかと思います。
○大山 保健指導もそうですね。健診だけで はなくて、保健指導も土曜・日曜にやってほし いと聞きますね。やっぱり土曜・日曜にやると なると医師を充てると相当費用がかかります し、保健師の方々でも平日仕事している人たち が土曜・日曜やるということはかなりの負担だ と思いますので、やはりそのへんの費用をこれ から考慮しないといけないですね。
○比嘉 先ほどのお話から、オプションの検 査ですけど、心電図、眼底についても希望する 人が割と多いんです。「私受けたいんだけど」、 「あなたは対象外」とできないので、そういう場 合に、オプション検査をいくつか、先ほどエコ ーの話がありましたよね。ああいうのも含めて、 受診者が希望した場合に、それができるような オプション検査もあるといいと思います。
それから費用問題についても、先ほどから安 すぎるという話があったんですけど、沖縄みた いに離島があると、運送費みたいなもの、ある いは消費税を含めてですけれども、このへんの ことについてやはり配慮して、今の費用では低 くて、なかなか健診機関としては厳しいという 先生方のお話だったと思うんですけど、このへ んについては要求していただけばいいのではな いでしょうか。
○司会(玉井) 特に離島は、6,050 円で特 定健診をするということは、大変だと思うんで すよね。ほとんど利ざやはないのではないです かね。
○仲間 そういうオプション的なのは、また 後日、保険を使ってやるとか、そういうことも 可能ではないかと思います。
○司会(玉井) ちょっと模索しながらですね。
○下地 最近NHK の番組を見られた方もお られると思うんですけれども、ある都道府県で は、今言っているように生活習慣病の検査だと か、がん検診だとかを含めていろいろな検査項 目をオプションで入れて、特定健診の受診率が 6 割、7 割というところもあるんですよね。そ ういうふうなのをやっぱり医師会として機会あ るときに、少し話し合っていく必要もあるので はないかなと思います。
○司会(玉井) 饒平名さん、今回は特定健 診、がん検診等、生活機能評価とか、様々な健 診がみんなばらばらに動いて、受診者が困惑し ているというか、戸惑っているというのが今の 現状なのではないですか。こういうのを来年か ら告知というところに関しても、もう少し住民 に分かりやすい告知とかできないのでしょうか。
○饒平名 これはだいぶ私たちも検討はしたんですけど、今年はなかなか難しかったです。 次年度はもう少し時間がありますから、なるべ くそういう形でやりたい思っています。
今、国保連合会と各市町村が受診券について も統一フォームで委託をしているのですけど、 那覇市だけ別のフォームをやった場合にどうな るかということ。それから医療機関とか、市民 の意見とか、調整事項もあります。しかし、私 どもとしましては、従来はセットにし、受診で きる医療機関名も全部同じ封書の中に入れて送 ったんです。ところが、今回はただ受診券だけ で、シーラーもはがきですから、余計な情報は 書けないということもありまして、受診機関は 別のものを見てくださいということになりまし た。医師会の先生からは、これではわからない のではないか、受診率が落ちている原因はそこ じゃないかとおしかりを受けました。できるだ け統一フォームでやりたいということで検討し ております。
○平 今年、生活機能評価と、特定健診を一 緒にやりたいということでいたんですけど、そ れぞれの仕組みも違っており、難しい面もあり ます。特定健診の医療機関を今年はまず増やそ うということでやりましたので、そこで生活機 能評価の話までもってくると、もっと混乱する であろうということもありまして、今年1 年間 は、各市町村のほうで少し各診療所に生活機能 評価のことについても十分周知させてください と。そういう期間を今年あげながら、次年度か ら同時実施がスムーズに行けるようにというこ とでやったものですから、今年はこういう状況 になったと思うんですね。
次年度はぜひ各医療機関、特に診療所でも生 活機能評価と抱き合わせでできるように少し周 知を広げていければなと思っております。
○司会(玉井) 生活機能評価との同時実施 で問題になったのは、被用者保険において請求 先がわかれますでしょう。生活機能評価の一部 は社保にいって、特定健診の大部分は国保にい くと。そういう請求業務がまた複雑怪奇。この あたりも今後はクリアしないといけない課題だ と思います。現場は特定健診だけで頭がいっぱ いになっているんですよ。
○仲間 浦添のほうは全く別でやっているん です。生活機能評価は介護保険の中でおこなっ ています。特定健診とは別々ですので請求も 別々になってきます。那覇市はどうですか。
○司会(玉井) 那覇市は最初は一緒にやり ましょうという方向で向いていったんですね。 ところが非常に複雑なお金の請求。同じ日にや った生活機能評価と特定健診の請求する方法が 違うんですよ。これで大混乱を起こしまして、 仕方ないですねということで、別日に実施とい う形にしたんですね。
現場はただでさえ混乱しています。そこに生 活機能評価が絡むと、社保だ、国保だ、何だと いうことでもうお手あげです。
○仲間 1 つ疑問なところがあるんだけど、 例えば人間ドックを受けますよね。その一部は 特定健診のデータとしてあっちに請求する。こ っちはこっちで向こうは別の請求をする。何か そういう混乱するようなことがあると、ある病 院の先生から聞いたんですけど、実際にそうな んですか。国保連合の場合の請求するお金は、 特定健診はまたデータを使って別のところに請 求すると。
○饒平名 そうですね。特定健診の場合は、 国保の特別会計でやっているんです。それで従 来の老健法に基づいてのがん検診はまったく会 計が別なんです。ただ、従来もそういうことに ついては医師会の皆さんはうまく処理し特に問 題はないと聞いておりますが。
○司会(玉井) 実を言うと、国保に関して は問題ないです。問題は被用者保険なんです。 扱いが引き算しないといけません。
○津覇 国保だけではなくて、被用者のほう と市町村が混ざっているので、生活機能評価は 市町村という、この分け方が結構難しいという ことです。
○平 去年はみんなひとつだったんですよ。 社保であろうが何であろうが、市町村に請求。 それか分かれてしまったんですよね。それですごい混乱か起こって、今年はとてもじゃないけ ど、生活機能評価と特定健診を抱き合わせるの は、これは説明するのも大変だと。
○仲間 請求と結果、データの両方送らない といかんから、もうパニックになっているとい うことですね。
○司会(玉井) 生活機能評価は紙ベース で、もう1 つはシステムですね。結局、データ をつくる段階でまったく違うやり方なんです。
○平 国がこのシステムをつくるときはわか らなかったはずですよ。
○下地 この手間だけ考えても相当な無駄 ですよね。
○司会(玉井) そのとおりですね。現場で どんなことが起きるのかというイメージがなく て、このシステムをつくっているんじゃないかと。
○下地 そうとしか思えないですよね。
○大山 ああいうのをつくる人たちは現場で 働いたことないですよ。
○平 ただ、今まで住民健診の受診率がずっ と低かったわけですよね。あまり上がらなかっ た。それに対して有効な対策を打ってなかった ということで、今回、各保険者に責任を持たせ て、ペナルティーをもたせてということをやれ ば、みんな必死にやるだろうという形にしたの でこういうふうになったんだろうと思います。 住民健診を老人保健法でやっていく中で、国を 中心に有効な対策を立てていたのであれば、こ ういうことはなかったんだろうなと思います。
特に沖縄県の健診受診率は、3 歳児健診から 非常に低いですので、全ての健診を高めるとい うのは大変な作業だと思うんですけれども、特 定健診の受診率が65 %いくのであれば、全体 的なインパクトは高くなると思います。
○比嘉 提案なんですけれども、今日は医師 会の会議だけど、やはり国保連合会、社会保険 事務所、保険者協議会、沖縄県、市町村の国保 担当、そして健診機関、医師会も入りますけれ ども、できたら健診機関を入れて、調整会議を 今年度中にやってもらって、2 年目に備えるこ とがぜひ必要だと思います。これはどこが声を かけるべきかというのは問題あると思いますけ れども、行政からかけるべきなのか。
○平 実際、保険者協議会に、みんな各団体 のメンバーが入っているんです。県も市町村を 集めてのいろいろな課題をみんなで話し合う場 をつくろうということは考えてはいるんですけ れどもね。
○比嘉 単なる事務連絡ではなくて、調整会 議で課題を出してこれを少し整理するような形 で。あるいは事前にアンケートとか、質問事項 をとって、それを調整して回答を求めてという ような形での調整会議をぜひやってもらいたい んですね。いろんな課題が出ているわけだか ら、それをまたそのまま次年度に積み残した形 でいくとよくないと思います。
○司会(玉井) 65%まではほど遠いですの で、やらないといけないことは山積みですよね。
○平 考えているのが今、市町村、医療機関 とか、関係者も入れてもいいと思うんですけれ ども、いろいろな活動をしている市町村もあり ますので、そこらへんを少し報告させながら、 みんなで話し合える場を何とかつくろうという ことで、計画はしているんです。
○比嘉 ぜひ持ってもらいたいですね。
○司会(玉井) 各持ち場によって少しずつ 問題は違うと思うんですね。ただ、こういうと ころで議論すると、共通の認識もできるかと思 いますので。とにかく調整会議をもって、今回 の話ですべてが解決できるわけではないという のがよくわかったと思います。
来年の円滑な運営と、23 年までに65 %達成 という遠い目標がありますけれども、それに向 けて皆さんのいろいろな意見とか、知恵を拝借 しながら、あと県と調整していただければと思 います。
きょうの座談会「特定健診について」はこ れで終わりたいと思います。どうもお疲れ様で した。