沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 12月号

北部地区医師会主催平敷淳子国際女医会会長講演会
〜女性医師が活躍するために大切なこと〜

〜平敷淳子国際女医会会長講演会に参加して〜

高良和代

金武診療所 高良 和代

北部地区医師会の主催で女性医師の活用を目 的とした講演会が8 月21 日(木)講師には国 際女医会会長の平敷敦子先生をお招きし「生涯 輝いて働ける女性医師のために」を演題とし、 講演会が催されました。

講演では、女性医師が生涯輝いて働き続ける 為には、医学部入学当初より生涯のシナリオを 持ち、良きメンター(指導者・助言者のような 意味だが少しニュアンスが違う)良きロールモ デルとの出会いが重要であること、漠然と勉強 しているだけではなく、モチベーションと高い 知識の裏づけが必要であること。又、どうでも 良いことにはあまりこだわらず、自分のやりた いことに専念すること、一歩踏み出すために、 自分を信じて歩み、体制は自分では変えられな いので、置かれた環境の中で一生懸命働けば自 ずと道は開かれると説かれました。

孤立しないこと、働きたいけれど働けない状況に置かれている女性医師に手を差し伸べるこ とが大事である。今はパートでしか働けないけ れど、いずれはきちんと働いてほしい。

海外の状況としては他国でも女医が増加して いるのは日本と同じであるが、三十代の女性医 師就業率では、スウェーデン85 %、アメリカ 72.5 %、ドイツ60 %、日本60 %、韓国50 % であり、タイやフィリピンでは医師は特権階級 であり、仕事を一生続けられる環境にある人し か、医師にならないとのことであった。家政婦 を17 名程度雇える状態とのことである。日本 では女性医師の56 %が休職しており、労働人 口として極めて不利益である。育児施設の充 実、労働条件の明確化等を望む声が大きい。

自分がどうありたいか、どうあろうという哲 学が基本で、個々に応じた生き方、経済状況が 許されるのなら家事代行、ベビーシッター等利 用し、決して今の状況に甘えることなく生涯働 き続けてほしい。「相互理解は必然性の違いか ら」との言葉で締めくくられました。

先生自体女医会会長の任期はあと一年半で、 その後はドイツにて再度研究生活に入られると のことで、生涯医師として働き続けることをモ ットーに頑張られております。私事ではありま すが、出身大学の女医会に参加しても独身と子 供無の医師は続けておられますが、育児にて休 職している後輩が、「もう離れていると恐ろし くて患者を診れません」とつぶやいていまし た。こういう女性医師が再教育プログラム等利 用して復帰出来ることは労働力の上でかなり重 要であると思われます。現在、女性医師の活用 が声高に叫ばれ、以前より現場復帰しやすい環 境が徐々に整いつつあります。「勇気を持って 一歩踏み出して欲しい・甘えるな」とても強く また励まされる言葉でした。