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北部地区医師会長 大城 修 先生

大城修先生
P R O F I L E
昭和52 年03 月〜
昭和55 年03 月
沖縄県立名護病院勤務(耳鼻咽喉科開設)
昭和55 年06 月〜
現在まで
大城耳鼻咽喉科医院を開設
昭和55 年06 月〜
平成20 年03 月
沖縄県北部農林高等学校校医
昭和55 年06 月〜
昭和59 年03 月
社団法人北部地区医師会理事
昭和59 年04 月〜
平成09 年03 月
社団法人北部地区医師会副会長
平成05 年04 月〜
現在まで
北部看護学校運営委員
平成09 年04 月〜
平成16 年03 月
社団法人北部地区医師会理事
平成16 年04 月〜
平成20 年03 月
社団法人北部地区医師会副会長
平成20 年04 月〜
現在まで
社団法人北部地区医師会会長

北部地区医師会会員の 一致団結にむけて取組ん でいます。



Q1.この度は、北部地区医師会長就任おめで とうございます。会長に就任されてのご感 想と今後の抱負をお聞かせいただけますで しょうか。

北部地区医師会が社団法人として法人化を成 し遂げた昭和57 年の頃から長く理事として運 営に携わってきました。副会長も長く務めてき ましたが、医師会病院や北部看護学校など多く の事業を運営する当会の会長職は率直に言って ハードなスケジュールの中で、非常に責任も大 きいと感じております。早急に解決しなくては ならない難しい課題も次から次へと飛び込んで きます。就任直後は、会長職務のため診療所を 休診にする日が多くなり、不安の毎日でした が、現在は落ち着きを取り戻し、会長職務にも 少し慣れつつあります。会長に就任した感想と しましては、不安を多く抱えた状態での船出で した。しかし理事役員及び監事の先生方をはじ め、医師会員の先生方の多大なご支援、ご協力 を得て、大変感謝しております。心強いスタッ フのおかげもあり、安心して職務に当たる事が できていると思います。今後は医師会病院の経 営の安定と北部地区医師会の設立当初からの目 的として掲げてきました、「地域医療の充実を 図る」という理念に基づき、新たな時代にも対 応した北部地区独自の医療サービスの体制の確 立を目指して参りたいと思います。

Q2.県内の医師会としては唯一、病院を経営 されておりますが会長としての役割につい てお聞かせ下さい。

北部地区医師会では地域会員が利用できるよ うにと設立した開放型病院です。

具体的には手術場や入院ベッドの活用、診療所ではできない検査など患者さんの紹介、逆紹 介を活発に行う共同施設利用の概念がありまし た。これは厚生労働省が「地域医療支援病院」 の許認可制度として、医療費の改善にも繋がる よう政策を打ち出したものと内容は同じであ り、当会では随分前からこの流れを理想のひと つとして病院設立を決めたものです。しかし北 部地区では人財の流出が今も解消されぬまま、 設立当初は今以上に医療スタッフの確保という 大きな課題に直面していました。これが最大の 要因となり安定的な経営が続けられず、赤字体 質の病院運営が長く続いたものです。人財の確 保は今も避けられない大きな課題のままであ り、その状況下で色々と試行錯誤を経て、よう やく現在は単年度の医業収益が黒字を出せる病 院となっています。まだまだやるべきことは山 積していますが、会長としての役割につきまし ては、引き続き医師会会員には病院へのサポー トをして頂くようお願いを続ける事が今後も肝 要であると認識しています。私自身、病院関連 の会議や行事に招かれ、日々忙しい毎日を送っ ておりますが、医師会のスケールメリットが十 分に反映されるように会長の役割は非常に重要 なポストです。一日も早く会員が利用しやすい 環境を整え、北部の力をひとつに集める当初の 理想を追い求めながら地域医療の充実に努める ことが求められていると思います。

Q3.北部救急ヘリ再開への支援活動が話題と なっておりますが医師会長としてのご意見 をお聞かせください。

北部地域の救急搬送時間が他の地域に比べ、 非常に格差があることは大きな課題であります し、北部医療の充実を図るための取り組みを開 始して行かなくてはなりません。北部救急ヘリ (MESH)は昨年6 月より試行事業として始め ましたが、医師会病院の財務事情から予算の捻 出が困難となり一時休止をしている所です。全 国ドクターヘリの配置を推進する特別措置法 は、先ず都道府県による救命救急センターの許 認可を受けている必要があり、残念ながら救命 救急センターの設置は北部地区へは見送られて いる関係上、我々地域はドクターヘリ設置の補 助制度は「対象外」となっているのが現状で す。そのため今、NPO 法人MESH ヘリサポー トを通して多方面より基金を募っている所であ ります。公的資金に頼らない北部独自のシステ ムが構築されることが望ましいとは思います が、高額な費用が必要なドクターヘリを今後ど のように再開させるかは、行政及び関係する各 施設共に足なみ揃え、医師会単独で行えなくと も「北部独自の救急ヘリ搬送システム」なるも のを目指した、創意工夫を示すことが必要であ ると考えております。そのためには、県立北部 病院との救急連携なども重要なポイントになる と思います。引き続きMESH ヘリサポートへ のご支援を宜しくお願いいたします。

Q4.本会や日本医師会に対するご意見・ご要 望などがありましたらお聞かせください。

以前より、北部地区への救命救急センター設 置に関するご提案を沖縄県福祉保健部へ要望し てきました。これに対する県のご回答はすでに 本島内4 箇所に設置された救命救急センターで 充足されているとの認識であり、医療計画にも 基づいたものとご回答を頂いております。しか し救命救急センターの設置は対象人口など国が 示す基準が満たされていなくても、広域にわた る北部特有の事情等を勘案して頂き、診療科も 特化させるなどの柔軟な考えをもって配慮して ほしいと思います。昨今は観光スポットの多い 北部でもあり、定住人口では計れない救命医療 のニーズがあると思います。また観光を産業の 柱としている沖縄県としても整備に着目して置 いてほしいと思います。先にも述べましたが北 部の人財の確保に繋げるためにも北部の環境改 善にむけて協力して頂きたいと切に願うもので す。是非とも引き続き再考してほしいと思いま すので、広く皆様のご理解とご支援をお願いし たいと思います。

Q5.最後に日頃の健康法、ご趣味、座右の銘 等がございましたらお聞かせください。

小さい頃から負けず嫌いで、他人にできるは 自分にも必ずできる、できないのは努力が足り ないからだと思うようになり、「成せば成る」 という諺が信念です。座右の銘は私の卒業した 母校の辺土名高校の校訓でもある「誠、愛、 勇」です。今の世の中は政治家、官僚、民間 企業でも不祥事件が続発していますが、経営 者、為政者にとって「誠を以って己を持するこ と」が必要でしょう。医者として患者さんに対 して「愛を持って人に接すること」が大切なの はもちろんですが、家族や隣人にも「愛を以っ て接する事」が大切だと思います。今回の会長 職を引き受ける際にも「誠」「愛」「勇」の思い が大きな支えになりました。

趣味はゴルフ、囲碁、麻雀です。会長になっ てからは回数が減っています。老化防止のため にも今後も続けて行きたいです。囲碁はボケ防 止にもなるといわれますが、最近は碁会所にい けないので日曜日のテレビの囲碁対局は欠かさ ず見るようにしています。夢は若い頃は、世界 一周することが夢でしたが、時間がなくできな かったですね〜。今からはちょっとね〜(笑)。 今は北部地区医師会の借金がなくなり、北部地 区医師会と北部地域が健康長寿になることです。

健康法は小さい頃泳ぎをしながら体得した深 呼吸を50 〜 100 回しています。これをすると 頭がすっきりして、体の隅々まで酸素が取り込 まれ活力が湧いてくる気がします。知人に言わ れた健康法1 日1 回は自分を褒め、1 日10 回は 笑い、1 日100 回は深呼吸をし、1 日1,000 字 を書き、1 日1 万歩あるく、という健康法にも 共感します。また、ラジオ体操を毎日(現在は 週3 〜 5)することで、朝の体と頭を目覚めさ せすっきりした気分で1 日を始めるようにして います。

この度は、インタビューへご回答いただき、 誠にありがとうございました。

インタビューアー:広報委員 石川清和