P R O F I L E | |
---|---|
昭和44 年 3月 |
順天堂大学 医学部 卒業 |
昭和48 年 3月 | ノースウェスタン大学留学(米国) |
昭和54 年 4月 | 順天堂大学 脳神経外科 講師 |
平成元年 4月 | 県立南部病院 脳神経外科 部長 |
平成5 年 4月 | 県立那覇病院 脳神経外科 部長 |
平成15 年 4月 | 県立那覇病院 副院長 |
平成18 年 4月 | 県立南部医療センター・こども医療センター 副院長 |
平成20 年 4月 | 県立南部医療センター・こども医療センター院長 |
【賞罰】 | |
2003 年 日本小児脳神経外科学会 川淵賞(最優秀論文賞) |
安心・安全・納得の 医療を行っていきたい と思います。
Q1. 院長就任おめでとうございます。院長に 就任されてのご感想と今後の抱負をお聞か せいただけますでしょうか。
長いこと副院長をやっていたので、自然な流 れの中での人事と受け止めています。今までど おり、気負いなく続けて行きます。
Q2. 新施設に移転してから2 年がたちました が、医療センターは、どのような理念と行 動目標を持って医療活動が行われているで しょうか。上手くいった点、改善点などあ りましたらお聞かせくださいますか。また 今後どのような特色を発揮して民間病院・ 診療所との連携を図っていかれるかお聞か せください。
現在の理念は、早急に変更するように考えて います。Patient focused を前面に出します。 単純明快に安心・安全に加えて“納得”で行こ うと思います。
行動目標は、救命救急センターおよび母子総 合医療センターをfull に活用した24 時間県民 に奉仕する医療です。臨床研修の充実や離島医 療の支援ももちろんあります。医師会の皆さん がご懸念の経営意識の浸透も入っています。
上手くいった点は、循環器系統の診療科の充 実でしょうか。成人の科では、循環器内科が 1,000 例を越す心血管造影検査をこなしていま すし、血管外科は手術症例が200 を越しており 順調です。脳神経外科は宮古の患者を受け入れ ていたこともありますが、年間200 手術症例に 達しています。今年度は、単独で脳神経外科の 後期研修医を育てることのできる施設として学 会に申請中です(A 項と呼んでいます)。総合 内科の新設はかなりユニークです。どの科に属 するか分かりかねる患者や、明らかに外科系だ が手術の適応が無い患者さん等を受け持ってく れています。研修医にはありがたい科です。その他の内科系・外科系とも順調に業績を伸ばし ています。小児科系も順調です。特筆されるの は小児の血管外科の手術数です。年間150 例を 越しております。お陰で、心配されたPICU の 病床利用率が90 %を超えて運営されています。 新生児科もNICU をfull 稼動させています。重 症な患児で埋まっています。29 床の2 つの小児 病棟もほとんど毎日満床です。小児外科、小児 血液腫瘍科や総合小児科の活躍が目立ちます。 那覇病院時代には考えられない病床利用率とな っています。このように19 年度は全病床の平 均病床利用率が97 %となっていて病院全体で full 稼動の状態と言えます。改善が必要なの は、それに伴う特に看護師の過重労働問題で す。19 年度にopen した6 階病棟の一部を、看 護師の不足で閉鎖を余儀なくされたことは皆さ んに多大なご迷惑をお掛けいたしました。申し 訳ございません。今後は、休床しているその病 床のopen に向けて努力いたしてまいります。
民間病院との連携では、現在、後方病院と してのお願いがmain です。今後、連携パスを 利用して更に充実させていただけたらと考えま す。民間の急性期病院との連携は、現在まだ まだ弱いと考えています。3 次救急を取れるよ うに頑張ります。診療所との連携は、紹介状の 返事を100 %にしようとか、外来の患者さん の逆紹介を積極的に行うように何度も医局員 には通達しております。近々、外来の整理を考 えており、逆紹介が更に増えるものと考えられ ますので、医師会の皆様のご協力をお願い申し 上げます。
Q3. 医師、看護師の確保、離島医療支援等ご 苦労されているかと存じますが、現状と対 策について下地先生のお考えをお聞かせく ださい。
医師確保は、琉大病院の多大なご支援で何と か診療が続行されています。特に、特殊専門科 への応援は、言葉で言い尽くせない感謝の気持 ちで一杯です。
看護師の確保は、例の7 : 1 に対応できない 状態なので、看護師への負担が大きく離職者が 目立っています。この点の改善が、最大の課題 です。院内の業務全体を洗い出して、この問題 に取り組む覚悟です。
離島医療支援は6 つの離島診療所と久米島を 主に応援をしていますが、full 稼動しているマ ンパワーの状態では苦慮する毎日です。与えら れた人員で職務の遂行に当たらなくてはと考え るしかありません。
Q4. 現在、本県の県立病院の赤字経営がクロ ーズアップされていますが、センターにお いて、経営健全化に向けた取り組みとして どう考えておられるかお聞かせください。
前述したように、センターはfull 稼動の状態 です。それでも、19 年度も赤字の決算を出す でしょう。原因は皆さんご承知の人件費率が高 いということです。でもあと一息です。最近、 特定共同指導を受け、保険診療に対する職員の 意識改革ができたかと思いますので、継続して 緊張感を持続させて収入の向上を図ります。今 年度の診療報酬の改定をよく検討して洩れなく 施設基準を申請し、基準を満たしそうな項目に ついては努力して改善し、収入の増加につなげ て行きます。7 月よりDPC 対象病院となりま すので、これに向けても1 月から勉強会を重ね ていますが、さらに今後も検討を加えていく予 定です。先行している民間病院のご教示を受け なければならないと考えています、ご協力のほ どお願い申し上げます。支出の面の改善も課題 です。現場では、診療材料の無駄を見直して徹 底的に支出の改善を行う覚悟です。県において も今年度は、機器購入交渉の取り組みが始まっ ておりますので、支出の面での抑制効果がある と確信しております。
Q5. 県医師会に対するご要望がございました らお聞かせください。
お世話になるばかりで要望はありません。各 種の講演会を開いていただき、とても参考にな っています、これからもどんどん時勢にあった講演会を開催していってください。
Q6. 先生の趣味や座右の銘などお聞かせいた だきますか。
趣味は第一に囲碁です。学生時代から始めて いますが、いわゆる碁キチの部類に入るでしょ う。次にゴルフです。大学にいた頃はわたしが ゴルフなんて考えられませんでしたが、南部病 院時代に始めて、はまっています。座右の銘と しては、“温故知新”です。私の場合、古いこ と、すなわち、教科書に記載されていること や、いわゆるevidenced based medicine に裏打 ちされた各疾患のguide line を知った上で、ど んどん登場する新医療機器を駆使したり、臨床 研究を行い新事実の発見や知見を見出し、医学 の発展に貢献したいと考えております。
新米院長ですがご指導、ご鞭撻のほどよろし くお願い申し上げます。
インタビューアー:広報委員 照屋勉
お知らせ
第106 回沖縄県医師会医学会総会
- 期 日:平成20 年6 月8 日(日)
- 会 場:沖縄県立浦添看護学校
第106 回沖縄県医師会医学会総会会頭
群星沖縄臨床研修センター長 宮城 征四郎先生特別講演(13 : 00 〜 14 : 00)
「死生学入門 〜こころ豊かに生きるために〜」
上智大学 名誉教授 アルフォンス・デーケン先生ミニレクチャー(10 : 30 〜 11 : 30)
「抗血小板、抗凝固療法中の患者の歯科治療、内視鏡処置、
小外科の処置時の取り扱いについて(仮)」
県立南部医療センター・こども医療センター 砂川 長彦先生
「認知症について
〜日常診療における認知症の診断と治療、家族への説明のポイント〜」
城間クリニック 城間 清剛先生一般講演【142 題】(9 : 00 〜 16 : 15)