常任理事 大山 朝賢
去る2 月13 日(水)、午後2 時から日本医師 会において、標記連絡協議会が開催されたので 報告する。
挨 拶
日本医師会の竹嶋康弘副会長より、概ね以下 のとおり挨拶があった。
本日は、日本医師会において初めての開催と なる都道府県医師会廃棄物担当理事連絡協議会 にご出席賜り深く感謝申し上げる。
ご存じの通り、厚生労働省は、国の医療費削 減政策の一環として、病床の大幅な削減を進め ようとしている。これは、即、在宅医療患者の 増加に繋がるということで、当然のことなが ら、その在宅での医療廃棄物の増加を招くとい うことになる。今後、適正な処理を行わない と、医療機関、患者、家族の皆さんが安心して 治療に専念できないという事態を私どもは予測 し、何とか取り組みを行わなければならないと 考えるが、現状では、家庭で在宅医療廃棄物が 出た場合、多くの市町村では感染の危険性があ るとして収集を拒んでいる。廃棄物処理法で は、在宅医療廃棄物は一般廃棄物の扱いとなり 市町村に処理の責務がある。これは、厚生労働 省や環境省の通知文書にも記されている。在宅 医療廃棄物を医療機関等が持ち帰るという不自 然な現状は、是非、改めたいと考える。
そのため日本医師会では、各医師会と全市町 村が、在宅医療廃棄物の受け入れについて話し 合いを進めていただく際の検討資料として使わ れることを目的に在宅医療廃棄物の取り扱いの ガイドを作成し、都道府県医師会、郡市医師 会、市町村全てに配布予定としている。これを 受け、環境省は昨年12 月に急遽市町村向けの 在宅医療廃棄物処理の手引き作成のための検討 会を立ち上げ、検討を行っている。本会からも これには当然ながら参加している。日本医師会 のこれまでの活動が、在宅医療廃棄物の市町村 の受け入れに今大きく影響を与えつつある。
ついては、この機会を大いに利用し、是非、在 宅医療の患者さんが、廃棄物を捨てることで汲々 とするような現状を打破したいと考えている。
本日の会が、意義あるものになるよう心から 祈念する。
議 事
(1)感染性廃棄物等に関する検討委員会報告
感染性廃棄物に関する検討委員会の宮崎元伸 委員長より、概ね以下のとおり検討会報告が行 われた。
平成17 年度に感染性廃棄物等に関する検討 委員会が発足した。その時に、「医療機関にお ける感染性廃棄物適正処理の普及方策」という 諮問を受け、その策を検討し提言している。
平成17 年度のこのプロジェクト委員会にお ける提言は五つある。「1)感染性廃棄物等に関 する教育講習会の設置について」、「2)感染性廃 棄物等に関するアンケート調査の実施につい て」、「3)在宅医療廃棄物の取扱いについて」、 「4)感染性廃棄部等に関する質疑応答集の作成 について」、「5)都道府県医師会、郡市区医師会 の感染性廃棄物等に関する情報機能について」、 この五つに関して提言を行った。
その提言を受け、平成18 年度に再度委員会 を発足している。一つ目の提言「感染性廃棄物等に関する教育講習会の設置」については、日 本医師会において平成19 年2 月から医療機関 を対象とした“特別管理産業廃棄物管理責任者 資格取得講習会”を発足し、これまでに10 カ 所で講習会を開催している。二つ目の提言「感 染性廃棄物等に関するアンケート調査の実施」 については、先ず各医師会を対象に、廃棄物に 関する体制等を中心とした感染性廃棄物や在宅 医療廃棄物に関するアンケート調査を行った。 それを平成19 年1 月に、都道府県医師会、郡 市医師会に配布させていただいている。また、 医療機関を対象とした調査に関しては、本日、 資料としてお配りしているものとなっている。 その内容については、主に感染性廃棄物の分 類、容器の種類、処理の実際等についてとなっ ているが、まだ調査結果にばらつきがあり、う まくまとめられていない部分もあるため、今後 更なる検討が必要なのではないかと思ってい る。三つ目の提言「在宅医療廃棄物の取扱い」 については、唐澤会長から、在宅医療廃棄物に 関する適正処理の方策という諮問が出され、昨 年度、今年度と委員会で審議し答申させていた だいている。この添付資料として、在宅医療廃 棄物適正処理ガイドラインというものを策定し た。また、このガイドラインの配布用のパンフ レットとして、在宅医療廃棄物の取扱いガイド というものを作成している。五つ目の「都道府 県医師会、郡市医師会の感染性廃棄物等に関す る情報機能」については、本日のように日本医 師会で担当理事の連絡協議会が開催され、在宅 医療廃棄物適正処理ガイドラインをお配りし、 このような場が設けられたことは非常に良いこ とではないかと感じている。委員会でまとめた こと等が、日本医師会、都道府県医師会、郡市 医師会の先生方のお役に立てればと委員一同思 っている。
アンケート調査の結果からいくつかを述べさ せていただくと、市町村によっては、在宅医療 廃棄物の受け入れを行っていないところ、全部 受け入れているところと様々であり、その中で 一つ言えることが、郡市医師会と市町村の担当 職員とが意思の疎通あるいは話し合いを持って いるところほど、スムーズに進んでいるのでは ないかという結果が見えている。これは、今環 境省が行っている調査においても同様の結果が 出てきているという話を伺っている。これは、 参考になるのではないかと思っている。特に、 在宅医療廃棄物に関しては、やはり法律上は感 染性廃棄物の範疇には入らず一般廃棄物となっ ているが、感染性という言葉は無くしても、感 染性があるということは否定できない。この辺 の法律上の問題と現場の問題とにおいて、市町 村が危惧を持っていることは事実であるため、 この溝をどうやって埋めていくかということが 一つの今後の大きな課題であると考えている。
(2)在宅医療廃棄物の適正処理について
日本医師会の今村聡常任理事より、在宅医療 廃棄物の適正処理について概ね以下のとおり報 告があった。
在宅医療廃棄物は一般廃棄物として市町村に 収集の責務があるということは、環境省あるい は厚生労働省からの通知でも明らかになってい るが、実際は、なかなか市町村での回収がスム ーズに進んでいない。このことについては、各 地域においていろいろな事業が行われているの で、日本医師会が全てを対応するといってもス ムーズに進まない現状がある。市町村において は、医療系の廃棄物は皆危険だという思いを持 っているため、そうではなく、適正な処理を行 えば医療系の廃棄物であっても危険性は極めて 低いということをよく知っていただく必要があ るということでこの冊子が作られた。医師会と 市町村が話し合いを行っているところほど廃棄 物が適正に処理されているというデータがある ため、当ガイドラインを話し合いの際にご活用 いただきたい。
ガイドラインをご覧いただきたい。在宅医療 廃棄物の市町村の受け入れ状況ということで、 環境省が2007 年に調査を行ったものである。 在宅医療廃棄物を、注射針、注射筒、バック 類、チューブ類、脱脂綿、ガーゼ、おおよそこういった種類に分けた場合に、市町村がそれぞ れどのように回収しているかを確認すると、針 から脱脂綿、ガーゼまで全て受け入れていると いう自治体が93 市町村(5.3 %)となってい る。それから、針は回収しないが注射筒から脱 脂綿、ガーゼまで回収する自治体が453 市町村 (25.7 %)となっている。在宅医療廃棄物は一 般廃棄物ということになっているが、現実的な 対応としては、針など鋭利な危険な物について は医療機関が処理をし、それ以外の物は一般廃 棄物として自治体が処理することが望ましとい う整理になっているので、以上の自治体はきち んと対応していただいているということになろ うかと考える。しかし、以下の注射筒、バック チューブ類は回収しないが脱脂綿、ガーゼまで は回収する。あるいは、在宅医療廃棄物全て回 収しないというようなところが576 市町村 (32.7 %)となっており、また、方針が全く決 まっていない。対応していないようなところも まだまだかなりある。従って、きちんとした今 のルールで対応していただけないところが 67.3 %もあるという現状となっている。このよ うなことから、これらのガイドを使って、でき るだけそれぞれの郡市区医師会に廃棄物担当役 員を置いていただき、自治体との話し合いの場 を持っていただくということが、今後、在宅医 療を進めていく上で重要な取り組みになろうか と考えている。
ガイドラインの主な内容としては、例えば針 刺し事故による感染の可能性が極めて低いとい うデータや、どのように在宅の廃棄物を処理す れば良いのか等、実際の具体的な処理の仕方や 市町村との話し合いの手順を示している。現状 では、注射針は回収できないとしている自治体 においても、話し合いの中で、自己注射等の針 については可能になってくるというような可能 性もあるので、そういった話もしていただけれ ばと考える。注射筒を回収しないというような 場合は、これは明らかに注射器に血液が付いて いるようなイメージで注射筒を考えているた め、例えば栄養剤を注入するために使った物だ とか針が付かないようないわゆる注射筒そのも のも危険だというような認識を持っているの で、この辺は十分話し合いを持っていただきた い。バック類、チューブ類等については、感染 の危険性は極めて低いので、こういった話し合 いを十分にしていただければと考える。
名古屋市立大学看護学部の矢野久子教授よ り、概ね以下のとおり報告があった。
訪問看護ステーションの関係者全員に対して アンケート調査を実施した結果、チューブや針 等の発生品目に関わらず、廃棄先や使用後の廃 棄容器をどのようにしたらよいかという問い合 わせが最も多かった。名古屋市に相談した結 果、実際にはどのような物が廃棄されるのか、 在宅医療廃棄物とはどのようなものなのかがイ メージできないということで、その品目につい てマニュアルを作るという経過を辿り、訪問看 護のための処理マニュアルというものを発生品 目を中心に作成した。当マニュアルは、名古屋 市のホームページにも掲載されている。在宅医 療廃棄物として、先生方が往診で使われた物だ けではなく、患者さんが日々出される物全てを 医療機関に持ち込むというようなことを考える と、非常に不合理なことであるため、その辺の ことを標準予防策、感染予防の基本的な観点を 含めマニュアルを作成している。
今回、日本医師会という大きな組織の主導 で、実際にそれぞれの先生方の郡市区医師会と 行政とが話し合いの場を持つということで、そ れらの話し合いの材料になるようにこの取扱い ガイドが使われていただけることを委員の一人 として願っている。
(3)特別管理産業廃棄物管理責任者講習会に ついて
感染性廃棄物等に関する検討委員会の岡田淳 委員より、特別管理産業廃棄物管理責任者講習 会について、概ね以下のとおり報告があった。
特別管理産業廃棄物管理責任者講習会は、従 来日本医師会が行っていた通信教育講座を改め、感染及び感染症の基礎、感染予防等の他 に、廃棄物の委託基準、契約等の法令面も更に 充実させ、新たな資格取得ができるものとして 発足している。
これまでは、感染に関する講習会は殆ど無 く、ガソリンスタンドのための資格を取る講習 と一緒に受けていた。しかし感染に関する部分 が非常に少なすぎるために、医療機関の特別管 理産業廃棄物管理責任者としては認めないとい う自治体が増え、これでは医療機関で事務系の 方々が管理責任者の資格を取ることができず、 感染性廃棄物の適正処理に支障をきたす状況と なっていた。
このようなことから、延べ3 年間かけて新た なテキストを作成し、環境省の了解も取り、日 本産業廃棄物処理振興センターと共催の形で、 昨年の2 月から講習会をスタートさせている。
今年度は、8 ブロック10 会場で開催し、受講 生は1,432 名と予定人数の95.5 %を達成して いる。講習会では、感染性廃棄物の感染予防、 針刺し事故等の問題について解説し、感染性廃 棄物の適正処理としては、排出事業者責任、委 託基準、契約書、帳簿、マニフェスト等の基礎 と法令について講義を行っている。次年度も約 10 か所で開催を予定している。講習会を受講 していただくと、日本医師会と(財)日本産業 廃棄物処理振興センターの連名の修了証で、廃 棄物処理法に規定された国の資格が取得できる ようになっている。
日本医師会の今村聡常任理事より、概ね以下 のとおり報告があった。
医師はもともとこの資格を持っているが、廃 棄物の処理法というものは大変複雑で内容を理 解することが難しいと思う。こういったために 事件に巻き込まれることも実際に起きている。 それによって社会から非常に重い罰則を受けて しまう。また、これは個人の問題だけでなく、 医師会としての責任を問われることもよくあ る。是非、こういった講習会に参加していただ きたい。
この講習会は、要するに、先生方は医療に専 念していただき、廃棄物のことは事務系の職員 の方が理解し排出していただければ良いという ことから、そういった事務の方に資格が与えら れるものとなっている。次年度の案内は3 月か ら4 月に日医ニュース等に掲載する予定なの で、是非医療関係者の方にも回覧していただ き、多数のご参加をいただきたい。
(4)感染性廃棄物等に関する適正処理の伝達 事項
1)マニフェスト交付等の報告書提出
2)帳簿記載
日本医師会の今村聡常任理事より、帳簿の記 載と保存について説明があった。
日本医師会では、電子マニフェストの方が便 利ではあるが、まだまだ全ての医療機関が利用 できる環境にないことを考えると、手書きマニ フェストの先生方においても帳簿記載におい て、なるべく簡便な方法がとれるよう環境省等 と調整を図っていると説明があり、紙マニフェ ストの利用者には、帳簿の記載、マニフェスト の交付等状況報告書の作成など煩雑な事務負担 を強いられる結果となっていることから、日本 医師会としては、環境省に手書きによる紙マニ フェストの軽減を図るため、紙マニフェストを 時系列的に綴ることで帳簿の記載に代えられる ことで了承をとり、環境省は、その旨の通知を 都道府県等に発出していると報告された。
(1)岩手県医師会の事例
岩手県医師会の石動副会長より、岩手県にお ける産業廃棄物の現状や今後の課題等について 報告が行われた。
岩手県医師会では、平成11 年に岩手県・青 森県の県境で起こった国内最大級の産業廃棄物 不法投棄を契機に、“いわて医師協同組合”の 事業として、「県内処理業者の格付け」や「保 証金制度」を実施している。当事業は、医師協 同組合が会員に優良処理業者を紹介し、また県への処理実績報告書を代行作成することで、会 員から手数料を徴収する仕組みになっている。 現時点で、この事業の弊害は報告されていない とのことであった。
また、在宅医療廃棄物の処理状況についても 報告があり、県内70 市町村のうち6 市町村が 回収、57 市町村が回収していない状況となっ ており、回収しない理由としては、過去に回収 作業員が怪我をした事例があることや、感染性 廃棄物の危険性等が挙げられていると説明があ った。
岩手県医師会が平成19 年11 月に県内14 地 区医師会を対象に行った調査においては、現時 点では在宅医療廃棄物のうち注射針等の鋭利な ものは医療機関で回収するが、少なくても鋭利 でないものについては市町村で回収すべきとの 意見が大方の意見であり、今後、市町村との話 し合いが必須であることが提起された。
(2)東京都医師会の事例
東京都医師会の目澤理事より、東京都医師会 の医療廃棄物への取り組みについて報告が行わ れた。
東京都医師会では、市民の健康と安全に従事 する医療機関が、廃棄物処理法を遵守し環境保 全に努めることは当然の義務であるが、そのた めに医療機関の本来の使命である診療行為が疎 かになってはならないという考えのもと、東京 都医師会、東京産業廃棄物協会、東京都環境整 備公社の三者による、調和のとれた医療廃棄 物・適正処理を基本理念とした「東京都医師会 医療廃棄物適正処理推進事業」が取り組まれて いる。当事業は、医療機関が廃棄物を排出する 際に“受付センター”と呼ばれる集中管理セン ターに、FAX やインターネットを利用して収 集申し込みを行うことで、地区毎に組織された 収集運搬業者が効率良く廃棄物を収集するとい う仕組みになっている。当事業を運用すること で、収集運搬業者は担当地区での集荷作業に専 念でき、また医療機関においても例え1 個だけ の排出であっても対応してもらうことができる ため、双方にとって収集効率が大幅に改善され ているとのことであった。
しかし、現行の紙マニフェストでは、廃棄物 が収集車に混載された時点で、どこの医療機関 が排出した廃棄物なのか識別ができなくなり、 また、目的地である中間処理施設では、マニフ ェスト記載の員数が全て搬入されたとの前提で 検印を押しており実際には搬入個数を数えてい ないこと等から、悪意があれば個数の誤魔化し や内容の改ざん等の不法行為が可能となってい ると問題提起され、今後、電子マニフェストへ の移行や、医療廃棄物の個別追跡と電子マニフ ェストとの自動連動システムの必要性等が述べ られた。
(3)静岡県医師会の事例
磐周医師会の石坂理事より、静岡県下の7 地 区医師会により構成され設置、運営されている 「産廃監視機構」の取り組みについて報告があ った。
当機構は、「会員に産業廃棄物の分別、保管、 排出、マニフェストの回収確認等の教育と指導 を行い、自らの襟を正すこと」、「産業廃棄物に 関連した事件発生防止のために、独自の運搬か ら最終処分までを監視する機構を組織するこ と」を主旨に組織されたものとなっている。活 動内容は、全医師会員の収集運搬契約状況や、 契約した産廃業者の直接調査等を行う「調査活 動」。定期的に運搬から最終処理の監視を行う 「監視活動」。当組織が収集した情報を会員や行 政等に速やかに提供するための「広報活動」等 が取り組まれている。
当機構の調査活動等を通して、傘下844 医療 機関が契約する産廃業者の実態や、排出品目毎 の適正な価格帯を把握することが可能となり、 また、それらの情報を集約した運搬業者安全ラ ンキングを年に1 回発行し、各会員に情報提供 を行うことで、各医療機関が適正な価格で適正 な運搬業者と契約を交わすための有用な資料に なっていると考えられると報告された。
静岡県医師会の鈴木副会長より、静岡県にお ける電子マニフェストの推進計画について報告 があった。
静岡県医師会では、平成14 年度に紙マニフ ェストの改ざんを行い産廃業者が処分され、ま た排出医療機関も責任を問われるという事件が 起こったことから電子マニフェスト導入の検討 が開始されたと説明があり、静岡県における医 療廃棄物事業の基本事項として、医療廃棄物の 処理事業を医師会主導型とするとともに、医師 会主導型への協力優良業者を探し選定すること 等を定め、医師会、行政、業者(産廃協会)に よる三者協議を開催し、具体的な検討が行われ ていると報告された。
今後の電子マニフェスト計画のスケジュール としては、2 月中旬に三者協議を行った後、地 区医師会への説明会を開催するとともに、業者 向けにEDI(Electronic Data Interchange) 版電子マニフェストシステムの説明会を行い、 3 月にはEDI システムの運用試験を経た後、4 月1 日からの本格運用開始を目標としているこ とが説明された。
また、静岡県医師会では、静岡県医師協同組 合と記載された指定の容器を使用してもらうこ とで、最終処分までを医師会のシステムが管理 しているという意思表示をしていくことを予定 していると報告された。
印象記
常任理事 大山 朝賢
去る2 月13 日上記連絡会が日本医師会館で開催された。
医療病床の削減にともない在宅での加療が増加することを想定し、その結果医療廃棄物は増加 しその処理も適正化されねばならないことから連絡協議会がもたれた。病院や診療所からでる廃 棄物は産業廃棄物で、しかも感染性廃棄物が多く、他の職種から排出されるものと比較して処理 費用が高い。しかし在宅で使用された糖尿病用注射器や点滴セット、血液のついたガーゼ、カテ ーテルやバッグ等は法律上感染性廃棄物ではなく家庭の一般廃棄物として扱われる。従って在宅 医療廃棄物は市町村に処理の責務があると謳われています。しかしながら実際は在宅での医療廃 棄物は市町村での回収がスムーズに進んでないのが実情です。今年2 月、日本医師会が発行した 「在宅医療廃棄物適正処理ガイドライン(GL)」によれば、アンケート調査から、針を含めすべて の医療廃棄物を回収している市町村はわずか5.3 パーセントに過ぎないと報告しています。多く (67.3 %)は本県と同様、針や点滴ライン等は医療従事者が持ち帰るという習慣になっているよう です。在宅医療が増加すればこれら医療廃棄物を一般廃棄物として処理してもらうよう自治体に 働きかける必要がでてきます。そのためにもこの報告や日本医師会雑誌とともに配られる在宅医 療廃棄物GL をご一読願いたいと思います。