常任理事 安里 哲好
平成19 年12 月1 日、日本医師会館にて日医 女医バンク「コーディネーター養成講習会」が 開かれた。日医は平成18 年11 月22 日、「医師 再就職支援事業」について、厚生労働省と委託 契約を締結した。この事業は、1)女性医師バン クの創設・運営、2)離職医師の再研修の支援、 3)女性医師の勤務環境の整備についての啓発の 三本柱としている。女性医師バンク・中央セン ターは日医会館内に設置し、その下に2 つの女 性医師バンク(東日本センター:日医館内、西 日本センター:福岡県医師会館内)が設置され ている(図1)。それぞれのセンターに医師であ るコーディネーターを各2 名(東日本センター は女性医師2 名、西日本センターは男性医師1 名、女性医師1 名)配置して、求職者や求人施 設からの電話相談・面談に応じ、就業の斡旋や 求人医療機関との連絡・調整を行っている。今 後、全国7 ブロックに女性医師バンクを設置し ていく予定であるとのことである。
女性医師の勤務環境整備についての啓発活動 は、日医男女共同参画委員会の協力を得て、講 習資料を作成し、全国の都道府県医師会と日医 との共催により、「病院長、病院開設者、病院 管理者等への講習会」を開催しているところと のことである。
保坂シゲリ氏の「女性医師バンクの現状」報 告より、240 名の求職者がおり、49 名の方が就 業成立した(図2)。年代別構成は全求職者の 75.4 %、就業決定の77.6 %が44 歳以下であっ た(図3)。診療科別構成を見ると両方とも、 内科・小児科・眼科・皮膚科が多かった(図 4)。全求職者の内、常勤者は26.9 %、非常勤 又はパート・アルバイトは73.1 %で、就職決 定者49 名の20.4 %が常勤であった(図5)。施 設種別構成は全求職者の34.4 %が病院で、就 職決定者の34.7 %が病院であったと報告して いるが、急性期病院の有無については不明であ った。
医学部学生の中で、女性の占める割合が数十 年前の10 %から、昨今は30 %強になってお り、ある大学においては50 %近くにも達して いる現状の中で、女性医師が医療の中心的役割 を担う時代の到来を強く感じている。
図1
図2
図3
図4
図5
コーディネーター養成講習会
次 第日時:平成19年12月1日(土)
14:00 〜 16:30
会場:日本医師会館小講堂(3階)
司会:羽生田俊(日本医師会常任理事)1.開会
2.挨拶:宝住与一(日本医師会副会長)
3.女性医師バンクの現状:保坂シゲリ
(医師再就業支援事業部長兼女性医師バンク東日本センターコーディネーター)4.職業紹介事業の留意点:事務局
5.労働法制について:池田俊彦
(女性医師バンク西日本センターコディネーター)6.保育システムの状況:秋葉則子
(女性医師バンク東日本センターコディネーター)7.医師の仕事の種類:家守千鶴子
(女性医師バンク西日本センターコディネーター)8.コーディネートの際の留意点および今後のバンク事業:保坂シゲリ
(医師再就業支援事業部長兼女性医師バンク東日本センターコーディネーター)〜 休憩(5 分) 〜
9.質疑応答
10.閉会:羽生田俊(日本医師会常任理事)
[意見交換会]