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医療安全推進週間(11/25〜12/1)に寄せて

上原元

沖縄県立中部病院副院長 上原 元

昨年医療法の一部が改正され、本年(平成 19年)4 月1日から施行されることとなった。 これに伴い、平成19年3月30日付けで厚生労働 省から、種々の通知が矢継ぎ早に出された。な かなかゆっくり読む時間がとれないのが実情で はないかと思われるが、一応法律であり、知ら なかったではすまされないところもあるので、 自分自身の確認の意味も込めて、医療安全に関 する事項のあらましを本稿でご紹介したい。

1.医療の安全を確保するための措置について

(1)医療に係る安全管理のための指針

下記の事項を文書化すること

1)安全管理に関する基本的考え方

2)安全管理委員会その他の組織に関する基本 的事項

3)医療に係る安全管理のための従業者に対す る研修に関する基本指針

4)事故報告等の医療に係る安全の確保を目的 とした改善のための方策に関する基本方針

5)医療事故発生時の対応に関する基本指針

6)医療従事者と患者との間の情報の共有に関 する基本方針

7)患者からの相談への対応に関する基本方針

8)その他医療安全の推進のために必要な基本 方針

(2)医療に係る安全管理のための委員会

下記の基準を満たすこと

1)安全管理委員会の管理及び運営に関する規 程が定められていること。

2)重要な検討内容について、患者への対応状 況を含め管理者へ報告すること。

3)重要の問題が発生した場合は、速やかに発 生の原因を分析し、改善策の立案及び実施 並びに従業者への周知を図ること。

4)安全管理委員会で立案された改善策の実施状 況を必要に応じて調査し、見直しを行うこと。

5)月1回程度開催するとともに、重大な問題 が発生した場合は適宜開催すること。

6)各部門の安全管理のための責任者等で構成 されること。

(3)医療の安全に係る安全管理のための職員研修

当該病院全体に共通する安全管理に関する内 容について、年2回程度定期的に開催すること。 研修の実施内容について記録すること。

(4)事故報告等の医療に係る安全の確保を目 的とした改善のための方策

1)当該病院等において発生した事故の安全管 理委員会への報告を行うこと。

2)あらかじめ定められた手順、事故収集の範 囲等に関する規定に従い事例を収集、分析 すること。これにより、問題点を把握し て、病院組織としての改善策の企画立案及 びその実施状況を評価し、これらの情報を 共有すること。

3)重大な事故の発生時には、速やかに管理者 へ報告すること。また、改善策について は、背景要因及び根本原因を分析し検討さ れた効果的な再発防止策を含むものである こと。なお、事故の報告は診療録、看護記 録等に基づき作成すること。

2.医療機器の保守点検・安全使用に関する 体制について

(1)医療機器の安全使用のための責任者

病院管理者は医療機器の安全使用のための責任者を配置すること。医療機器安全管理責任者 は下記の業務を行う。

 1)従業者に対する医療機器の安全使用のため の研修の実施

 2)医療機器の保守点検に関する計画の策定及 び保守点検の適切な実施

  特に保守点検が必要と考えられる機器と して、人工心肺装置及び補助循環装置、人 工呼吸器、血液浄化装置、除細動装置、閉 鎖式保育器、診療用高エネルギー放射線発 生装置、診療用放射線照射装置が含まれる

 3)医療機器の安全使用のために必要となる情 報の収集その他の医療機器の安全使用を目 的とした改善のための方策の実施

このほかに、院内感染対策、医薬品の安全管 理体制についても細かい通知がなされている。 今回の改正医療法では、医療安全に関して、医 療法医療安全委員会の設置が義務づけられ、医 療安全活動が病院の業務の一部になったこと、 医療機器安全管理責任者の設置、医療機器の保 守点検が義務づけられたこと等が主だった内容 である。しかし、医療を安全に行うには、絶対 に人と金と時間が必要である。医療費がどんど ん削減され、苦しい経営状況が続き、勤務医が 次々と病院を去っていく中、やらなければなら ないことだけがどんどん増えている。



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