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九州ブロック学校保健・学校医大会関連行事

理事 野原 薫

平成19年度九州学校検診協議会幹事会

日 時:平成19年8月4日(土)17:00〜18:00

場 所:宮崎観光ホテル

1.開会

福岡県医師会の細山田隆理事の司会により会が開かれた。

2.挨拶

九州医師会連合会の井石哲哉会長より、概ね以下のとおり挨拶があった。

九州学校検診協議会が、横倉九州学校検診協議会長をはじめ、九州各県の幹事の先生方のお力により、当事業が円滑に推進されておりますことに心からお礼を申し上げる。心臓、腎臓、小児生活習慣病疾患対策が健やかな児童生徒の育成に欠かせないテーマである。この協議会が実り多くなることを祈念申し上げる。

次いで、九州学校検診協議会の横倉義武会長より、概ね以下のとおり挨拶があった。

本日の幹事会では、昨年度の事業報告・決算、本年度の事業計画・予算等についてご審議賜りたい。よろしくお願いしたい。

連絡協議事項に入る前に、福岡県医師会の細山田理事より、福岡市立こども病院の本田悳先生が、健康上の理由により九州学校検診協議会の幹事を辞任されたことが報告された。

慣例により、九州学校検診協議会の横倉会長が座長となり協議が行われた。

3.連絡協議事項

(1)平成18年度九州学校検診協議会の事業報告並びに決算について

福岡県医師会の相良理事より、平成18年度九州学校検診協議会の事業報告並びに決算について報告があり、特に異議なく了承された。

(2)平成19年度九州学校検診協議会の事業計画並びに予算について

福岡県医師会の相良理事より、平成19年度九州学校検診協議会の事業計画並びに予算について報告があり、特に異議なく了承された。

(3)提案事項

1)九州各県における学校管理下の心臓性突然死(平成18年度)について(報告)

福岡県医師会の相良理事より、平成18年度における学校管理下の心臓突然死について概ね以下のとおり報告があった。

日本スポーツ振興センター福岡支所に報告された平成18年度における心臓性突然死は、熊本県2件、長崎県1件、鹿児島県1件、沖縄県1件の合計5件となっており、5件全てが男性であった。各事例ともにAEDは使用されていない。

昭和43年からの累計を男女別に見ると、男性183人(72.0%)、女性71人(28.0%)となっている。また、年齢別の発生状況を見ると、小学生61人(24%)、中学生74人(29.1%)、高校生119人(46.9%)となっている。

2)学校検尿精密検査保護者アンケート結果について(報告)

鹿児島県医師会の二宮誠先生より、概ね以下のとおり報告があった。

平成18年度に、九州各県と東京都において三次検診受診者の保護者を対象としたアンケート調査を実施した。九州では1,037名、東京では606名の保護者から回答を得た。

調査の結果より、受診動機は「学校からの通知」が両地域で最も多く、医師の説明については両地域で8割以上から理解されていたが、「わからなかった」との回答が、九州で11.2%あった。また、「三次検診は必要」と両地域の9割弱から認識されていた。「プライバシー侵害を感じた」のは少数であったが、東京が7.1%となっており、東京では集団検診における配慮が必要と思われた。検診後の不安が「軽くなった」と回答しているのは両地域とも半数強であったが、九州は「強くなった」が8.1%となっていた。検診後の感想については、東京の集団検診が専門医主体であることに対し、九州の多くの個別検診は腎臓を専門としない学校医主体であることが影響していると推測された。この点に関して、九州では、学校医でも簡便に、また一定のレベルの検診が行えるように、「九州学校腎臓病検診マニュアル」を作成している。宮崎県では、このマニュアルを導入することで、受診率の増加、診断保留率の減少、病名が統一、整理されるという効果が得られ、またこの効果は特に個別検診において顕著であったとしている。このマニュアルを用いていない地域も多いことから、今後の普及推進が必要と考える。

3)「学校検尿に対する養護教諭の認識」アンケート調査の結果について(報告)

福岡県医師会の伊藤雄平先生より、概ね以下のとおり報告があった。

平成18年度に、九州各県の協力可能な教育委員会を対象に、学校検尿の現状、問題点を把握し、学校現場における「九州学校腎臓病検診マニュアル」の浸透度を図るためのアンケート調査を実施した。小学校1,606校、中学校746校、高校491校の計2,843校から回答を得た。

本研究は学校現場で初めての詳細な調査である。学校では、採尿方法の徹底がはかられているが、女児の月経時の取り扱いについては様々であった。精密検査で受診先を指定していない学校が10%以上存在し、特に高校では高率であった。検診結果は適切な時期に届いていた。「九州学校腎臓病検診マニュアル」については、小学校で54.3%、中学校で85.8%、高校で91.2%が「知らない」と回答しており、学校現場への一層の普及をはかる必要があると考える。

(4)その他

福岡県医師会の相良理事より、平成19年度九州学校検診協議会専門委員会が、来る平成19年12月2日(日)13:30より福岡県医師会館にて開催されることが報告された。

福岡県医師会の伊藤先生より、厚生労働省の予算を使用し「九州学校腎臓病検診マニュアル」を全国版として1,000部作成したので、各県で希望があれば福岡県メディカルセンターまでご連絡いただきたいと報告があった。