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沖縄県医師会館いよいよ建設へ

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

9月に入ってもまだまだ暑さの続く頃、会員 の先生方に於かれましては、益々ご清祥のこと とお慶び申し上げます。高齢化社会を目前に控 え、種々の医療費抑制策が導入されようとして いる中、医師会活動に更なるご理解とご協力を よろしくお願い申し上げます。

さて、次年度には沖縄県医師会館が完成する 予定です。これまでの建設までに至る経緯を紹 介します。

1.なぜ、県医師会の会館建設が必要なのか?

今から32年前の昭和50年(1975年)、沖縄国 際海洋博覧会開催の頃、大浜方栄県医師会長の 時期に現在の浦添市当山に医療福祉センターが 建設されております。沖縄県医師会が医療福祉 事業団から2億8,750万円を用地取得のために借 り入れして、現在地を1億9,500万7千円で購入 しております。同医療福祉センターが昭和52年 (1977年)に完成した後、沖縄県医師会は同セ ンター内に移転しました。県医師会専用面積は 僅かに43坪程度の床面積で、今日の医師会の組 織では非常に手狭でした。理事会も事務局の左 端の5坪程度のスペースで行われていました。 医療福祉センターの所有者は沖縄県で、その中 には浦添看護学校が設置されています。最近の 7年間は、看護学校の一室を理事会の会議に借 用しています。この部屋は12坪程度のスペース で、県医師会の各種委員会を開催する場所とし ても利用しています。勿論、現在でも県医師会 会長室もなければ応接室もありません。県外か らの特別講演の先生方がいらした時も、控室 は、看護学校の一室を使用しています。土地は 沖縄県医師会の所有で、センター建物は沖縄県 の所有という形態で、正に「軒下貸して母屋取 られるの」の状態が今日まで続いておりました。

2.用地取得のための特別会計設置について

前述の用地取得のため借入れした2億8,750 万円を年利4.5%で20年間で返済する計画で、 昭和50年度に用地特別会計を設置しています。 当時、A 会員からは月額(北部地区医師会は 9,000円、那覇市医師会・中部地区医師会・南 部地区医師会はそれぞれ10,000円、先島・久米 島は8,000円)、B・C会員からは月額1,000円 を徴収しておりました。会員からの徴収は、昭 和50年(1975年)から昭和59年(1984年 宜 保好彦県医師会長の時)まで3億5,388万1,000 円徴収しています。用地特別会計に拠出して頂 いた先生方からは、今回の会館建設における費 用負担は考慮することになっております。

3.会館建設準備委員会の設置

平成10年、比嘉國郎県医師会長の時に、会 館建設準備委員会が開催され、種々の条件等を 考慮した結果、現在地当山に会館を建設するよ う答申がなされました。それに基づいて同地に 基本設計等を検討していました。平成15 年、 稲冨洋明県医師会長の時には、現在地の浦添看 護学校体育館横の駐車場スペースに、1階は駐 車場として、3階建ての会館を建設する予定で 検討していました。

平成15年9月、県福祉保健部から平成18年4月 に完成予定の「県立南部医療センター・こども 医療センター」近在の農業試験場跡地と現在の 浦添市当山の県医師会所有地との等価交換の提 案があり、当初首里崎山の農業試験場地が提案 されていました。しかし、同地は低地で大雨の 際には敷地内の小さな川が氾濫し、しかもサト ウキビの実験栽培場跡なので、湿地帯の状態で は会館建設には不適であると判断し、新たに南 風原町新川地区での等価交換を推進してきまし た。こちらは、地理的には病院よりも東側で高地であり、会館建設としては、最適な場所であ ると判断しています。等価交換時の新川での会 館用地は6,847.08u(約2,075坪)になりました。 この地域は医療・福祉ゾーンとして、沖縄県医 師会・沖縄県薬剤師会・沖縄県小児保健協会・ 沖縄県看護協会、更には県立こども医療センタ ーに入院する子供たちの保護者が廉価で宿泊で きる「ファミリーハウス」も同じゾーンに建設で きるよう福祉保健部に企画してもらいました。 数年後にはこれら全て完成する予定です。

4.会館建設検討委員会の設置

平成18 年4 月から宮城信雄県医師会長のも と、新しい執行部がスタートし、7月3日に同 建設検討委員会を開催。各地区医師会から委員 を選出してもらい、各地区医師会からの意見が 反映できるようにしました。委員会の開催方法 は、検討委員会で検討した結果に関しては、毎 回、必ず各地区医師会の理事会でも検討しても らうこと、また要望があれば、各地区医師会の 理事会で協議してもらってから正式に要望とい う形で委員会の協議を重ね、平成19年6月まで 延べ12回開催してきました。

県医師会館の完成コンセプトとしては、「重厚 で風格のある会館で、なおかつ機能を重視した 会館」ということで意見がまとまっています。

5.設計担当者の選任について

前述の会館コンセプトを念頭において、会館 図面のデザインを県内の4ヶ所の設計事務所に 提案してもらい、コンペ形式でそれぞれの図面 に基づいて、設計士の方から説明、各理事から の質疑応答を行い理事会で検討した結果、粟国 文雄建築工房に設計を依頼することに決定しま した。粟国設計士のコンセプトを元に、会館の 設計図面・立体モデル等の試作案について、会 館建設検討委員会・各地区医師会・県医師会 理事会で検討・図面変更要望などの経緯を経 て、最終的に掲載写真のような3階建ての県医 師会館になりました。(6〜7頁)

会員の先生方も納得頂けるものと確信してお ります。

6.会館建設業社の選定について

沖縄県内で施工実績のある特A建築業社を30 数社から各地区医師会からの紹介などを含めて検 討し、建築工事に関しては15社、電気工事に関 しても15社、衛生・空調工事に関しては11社に 絞り込み、1回目の見積もりを提示してもらい、 1回目で一番低い見積価格を前述の業社に再度見 積もりを提示した結果、それぞれ、高橋土建、海 邦電気工事、東洋設備の3社に決定しています。

勿論、当然の事ですが、公明正大を期すた め、フェアーに見積もりをとり複数人立会いの 場で開封も同時に行い、提示価格の低い業社を 決定しました。

7.建築にかかる総工費用

会館の規模についても充分検討した結果を受 けて会館建設に関する建築費、借入金支払い計 画は4頁参照に提示します。

8.会館建設に係る負担金賦課徴収の件(5 頁参照)

5頁に掲載の1案から4案までを会館建設検討 委員会、各地区医師会理事会、そして最終的に は県医師会理事会で協議の結果、4案を採用す ることに決定し、第184回臨時代議員会におい て承認いただきました。

9.第184回臨時代議員会

長年に渡り検討してきた県医師会館建設に関 して、平成19年6月27日(水)にこれまで協議 検討してきた資料を基に代議員会で協議して頂 きました。(沖縄県医師会代議員会報告本誌8 頁掲載)

○会館建設に係る実施設計・工事業者決定・建 築工事費の件 ○用地特別会計の廃止並びに会 館建設特別会計新設の件 ○会館建設に係る借 入金の件 ○会館建設負担金賦課徴収の件、全 て満場一致で議決承認していただきました。

以上、沖縄県医師会館建設に関して説明致し ました。来年12月開催の県医師会医学会総会を 含め会員の先生方の資質向上のための各種研修 会や諸々会議、イベント等の開催など、実に33 年ぶりに自前の新会館で行うことが出来ます。

会員のための会館ですので、今後徴収が始ま る会館建設負担金を含め全ての先生方のご理 解・ご協力・ご参加をお願い申し上げます。今 後も会館建設に関してのご要望がありました ら、所属地区医師会または県医師会までご照会 ください。これからも、会員の先生方のご意見 をお待ちしております。

<参考>沖縄県医師会「会館建設検討委員会」 委員(H18.4.1〜H20.3.31)

名嘉眞 透(北部)、中田安彦(中部)、仲間清太 郎(浦添)、伊集守政(那覇)、永山 孝(南部)、 砂川伊弘(宮古)、崎濱秀一(八重山)、河崎英範 (国療)、金谷文則(琉大)、川野幸志(那覇市 立)、下地武義(県公務員)、幸地賢治(県医師 会)、真栄田篤彦(県医師会)、宮城信雄(県医師 会)、玉城信光(県医師会)、小渡 敬(県医師会)





沖縄県医師会館外観透視図

沖縄県医師会館外観透視図





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