常任理事 真栄田 篤彦
去る5 月19日(土)、長崎市(長崎県担当) において標記定例委員総会が開催され、九州医 師会連合会の平成18年度決算、平成19年度事 業計画並びに予算等が審議され承認されたの で、会議の概要を報告する。
はじめに、司会より開会が宣され、前年度九 州医師会連合会担当県の嶋津大分県医師会長 より平成18年度の九州医師会連合会諸事業へ の協力に対するお礼が述べられた後、九州医師 会連合会長及びご来賓の方々より概ね以下のと おり挨拶が述べられた。
九州医師会連合会長挨拶
去る4月14日の常任委員会において九州医師 会連合会長に選任していただき、今年度1年間 九州医師会連合会をお世話することになった。 医療を取り巻く環境はより厳しさが増し、私ど もは一層結束を固め日本医師会を支援しつつ、 この難局を乗り切らなければならないので、皆 様のご理解ご支援をお願い申し上げる。
来賓挨拶
昨日東京で開催した国民医療を守る全国大会 に際しては九州各県医師会には多大なご協力を 賜り厚く御礼申しあげる。
医学医術の進歩、国民における医療ニーズの 増大、高齢化の急速な進展を考える時、我が国 の医療費が拡大していくことは明らかである。 しかしながら、政府は、財政優先の医療費削減 政策を断行し、その結果、人的にも機能的にも 厳しい極限状態での医療提供体制が強いられ、 今日の地域医療提供体制は崩壊とも言うべき危機的状況を招いている。高齢者のための長期入 院施設の削減や患者一部負担金引き上げ、リハ ビリの日数制限といった政策は、患者が受ける 医療の格差拡大となり、医療に対する国民の不 安を煽り、医療従事者と国民との信頼関係に大 きな溝を生じさせている。
日本は全ての国民が公的保険に加入し、何時 でも何処でも医療機関を受診することができ る。世界的に見てもけして高くない医療費水準 で最も公平平等な医療制度を維持し、医療に対 する国民の信頼を得てきた。国民の命、健康を 預かる医療従事者にとっては「安全で安心な医 療」の提供だけではなく、財源を含めた確固と した医療提供体制の構築に向けて最善を尽くす 責務がある。そのため社会保障制度のあり方が 大きく論じられている今こそ国民医療の堅持を 求める運動の展開が是非必要と判断し、国民運 動を守る全国大会を開催した次第である。今後 とも日本医師会の活動方針に対してご理解、ご 協力を賜りたい。
昨日久々に政治家としての醍醐味を実感し た。それは何かと言うと、今朝テレビを見てい たら、日本経済新聞に「厚生労働省は初診料・ 再診料を引き下げる方針」であるとの記事が掲 載されているとのことであった。私は早速国会 へ行って関係筋に話しをすると共に、厚生労働 省の担当官を呼んでそのことを確かめた。する と約1時間半後厚生労働省から、これは事実で はなく検討すらしていない。日本経済新聞社に は厳重に注意をしたとの文書が流れてきた。そ して、午後1時半から厚生労働省で記者会見が 開かれた。このような新聞記事に対する記者会 見は異例なことである。そのような意味で昨日 は久々に政治家としての醍醐味を味わったとい うことである。
国の制度を作るための審議を司りそれを動か すのは与党である。7月の参議院選挙について は、武見敬三先生に絶大なるご支援を賜り高位 当選をさせて下さるようお願い申しあげて挨拶 とする。
その後、座長に井石九州医師会連合会会長が 選出され、報告、議事が進められた。報告(1) の第288回常任委員会については、座長の井石 会長より、また、(2)の平成18年度九州医師 会連合会庶務並びに事業報告については、大分 県の近藤委員より資料に基づいて平成18年4月 から平成19年3月までに開催された主な事業内 容について報告が行われた。
引き続き行われた議事については次の7議案 が上程され、それぞれ各担当委員より提案理由 の説明があり、協議した結果、全議案とも全会 一致で原案通り承認された。
なお、第5号議案の監事(2名)の選定に関 する件については、佐賀県の松永啓介委員、熊 本県の地後井泰弘委員が選出された。
第6号議案の平成19年度第107回九州医師会 医学会事業計画に関する件については、平成19 年11月17日(土)、18日(日)の両日、ホテル ニュー長崎及び近隣会場において九州医師会総 会・医学会が開催される旨報告があった。