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快適睡眠を目指して

真栄城徳秀

真栄城耳鼻咽喉科 真栄城 徳秀

睡眠とは不思議なもので、なかなか自分の意 思でのコントロールが難しい。明日、朝が早い からと早くから寝床に入ってもなかなか眠れる ものではない。そうかと思えば睡眠時間は短く ても翌日目覚めが良く体調のいい日もある。私 は食事や運動以上に睡眠が健康にとって最も重 要と考えているものの、つい睡眠不足になって しまい翌日イライラして怒りっぽくなり後悔す る事がよくある。そこで効率的な睡眠をとるい い方法はないものかと雑誌や文献を調べた所、 いくつかの事がわかったので自分なりにまとめ てみた。

1)決まった時間に起きる

人間の体の中には体内時計があって、朝起き てから約16時間経つと自然に眠くなってくるら しい。逆に言うと16時間たたないと眠くならな いのである。したがって、起床時間が遅いとそ の日の就寝時間も自然と遅くなってしまう。今 日は寝るのが遅いから健康のために明日は遅く 起きようというのは間違っている。そうすると 明日も寝るのが遅くなってしまうのである。同 じ理由で、休日だからといって遅くまで寝てい るのも良くない。遅く起きるにしても普段より 1時間程度にとどめた方がいいそうだ。朝起き る時間でその日の眠る時間(眠くなる時間)が 決まるのである。早寝早起きをしたければ、ま ず早く起きる事である。

2)眠くなってから寝る

眠くもないのに床に入っても当たり前の事だ がなかなか眠れない。逆に眠くなってから床に 入るとすぐ眠れる。しかも、いきなり深い睡眠に入れる。

人間は睡眠中に、レム睡眠(Rapid Eye Movement:眼球が動いている状態で体は休ん でいるが、脳は活動していて休んでいない状 態)とノンレム睡眠(脳も体も休んでいる状 態)を約90分ごとに繰り返しているらしい。睡 眠時間が多少短くても眠くなってから床に入る と、すぐ深いノンレム睡眠に入れるため翌朝熟 睡感の得られる事が多い。夜遅いという理由だ けで、眠くもないのに床に入り、なかなか眠れ ないでいるよりは眠くなるまで新聞や雑誌でも 読んで眠くなった時点で床に入った方がいいの である。

3)軽い運動とお風呂

汗がにじむ程度の軽い運動を行うと2〜3時 間後に睡魔が襲ってくる事が多い。人間は一日 の中で体温が下がってきた時に眠くなるらし く、運動によって一時的に体温を上げておくと 2〜3時間後には自然と体温が下がるため眠く なってくる。その際、すぐ床に入れば数分以内 にノンレム睡眠に入れるはずである。したがっ て就寝2〜3時間前にウォーキングやジョギン グ等で軽く汗を流す事はお勧めである。また、 軽い運動により中性脂肪が減り、HDLコレス テロールがふえるため一石二鳥の効果である。 一時的に体温を上げる目的で、お風呂で長めの 湯船につかるのも有効である。沖縄の人はシャ ワーだけで済ます事が多く湯船につかる習慣が あまりないが、疲れもとれるし、いい方法であ る。実際にやってみたら、お風呂から上がって 1時間程すると強い睡魔に襲われ、そのまま寝 ると翌朝は熟睡感があり気分が良かった。

4)長い昼寝に注意

昼食後、20分程度の昼寝をとると午後の仕事 の能率アップにつながる事がいくつかの研究で 証明されている。特に夏の長い沖縄では推奨さ れていい事だと思う。ただし、20分程度という 時間が重要で30分以上昼寝をとると夜の睡眠 に悪影響を及ぼす事もわかっている。平日は長 い昼寝をとる時間はないと思うのでいいとして、問題は休日である。私自身、日曜日に2時 間程度昼寝をとってしまう事がよくあるが、そ うするとどうなるか。夜なかなか寝つけなくて 翌日は決まってブルーマンデーである。明日へ の英気を養うのが休日の目的のはずなのに、こ れでは本末転倒である。休日の長い昼寝にはく れぐれも注意したいものである。

快適睡眠を目指し、以上の4点を実践すべく 日々奮闘中である。

★リレー状況
−平成16年以前掲載省略−
29.仲間 司先生(県立那覇病院)Vol. 41 No.5
30.新里 讓先生(沖縄赤十字病院)Vol. 41 No.11
31.友利正行先生(ともり内科循環器科) Vol. 42 No.2
32.具志一男先生(ぐしこどもクリニック) Vol. 42 No.4
33.神谷鏡子先生(かみや母と子のクリニック) Vol. 42 No.6
34.呉屋良信先生(わんぱくクリニック) Vol. 42 No.9
35.江洲浩明先生(はえばる耳鼻咽喉科) Vol. 42 No.11

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