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年頭所感
〜「地域に根差した活力ある医師会」を目指して〜

宮城信雄

会長 宮城 信雄

新年明けましておめでとうございます。

大量破壊兵器を取り除くとの大義名分で始ま ったイラク戦争も誤った情報操作によるもので あり、イラク国民に民主主義をもたらすどころ か内戦の混乱だけをもたらしてしまったようで す。北朝鮮によるミサイル発射と核実験は「日 本にとっての安全保障」について再論議が迫ら れています。

昨年は診療報酬3.16%の医療保険始まって以 来最大のマイナス改定がなされました。介護報 酬との同時改定であり、医療制度や介護保険制 度の大きな流れが見えてきました。療養病床を 持つ病院は二桁の大幅な減収となっています。 昨年10月から実施された療養病床のホテルコス ト、食費の自己負担化は患者に多大な負担をか け、医療区分の導入は医療区分1の患者は病院 から退院させざるを得ない状況となっていま す。7対1看護の導入や施設基準としての在院 日数の短縮は一般病棟にも多大な影響を与えつ つあります。都市部の大学病院等の看護師の引 き抜きが起こり、地方の医療提供体制に変化が 起こりつつあります。6月には医療関連法案が 国会で成立しました。日本の医療制度に重大な 影響を与えるにもかかわらず十分論議もされず に通過してしまいました。4月に植松治雄執行 部に代わり選出された日本医師会唐澤人執行 部は21項目の付帯決議をつけることに成功はし ましたが国民医療に混乱をもたらさないように 政省令で担保を取るための運動を継続していく 必要があると考えます。

聖域なき構造改革を掲げ、「命」も例外でな いと世界に誇れる日本の医療制度に切り込んで きた小泉総理に代わり「美しい国、日本」を創 るとして安倍総理が誕生しました。しかし、安 倍新総理も小泉「改革」を引き継ぐと明言されており、これ以上医療制度が後退しないように 注視していかなければなりません。

全国から注目されていた沖縄県知事に稲嶺県 政を引継ぎ発展させるとした仲井真弘多氏が沖 縄県医師連盟をはじめ医療14団体等の推薦を 受けて当選しました。仲井真氏は、長寿世界一 復活プロジェクトの実施や出産子育て支援、ド クターヘリ導入等を公約に掲げると共に、医療 政策を円滑に運用すべく医療政策参与の配置を 約束しています。沖縄県医師会としても、力が ありその職責に相応しい医療政策参与を推薦 し、仲井真県政と更なる連携を図り保健・医 療・福祉の分野で協力をしながら、「健康福祉 立県」を目指していきたいと考えております。

永年の懸案事項であった「県医師会館建設」 も、本会所有地と南風原町新川の県有地の等価 交換が具体的作業に入り、実現の見通しが出て きました。本会として「会館建設検討委員会」 を立ち上げ設計の段階に入っています。まだま だ多くの解決しなければならない課題がありま すが、夏までには着工して行きたいと思いま す。会員の皆様方のご理解とご協力を賜りたい と存じます。

「地域に根差した活力ある医師会」を目指し て昨年4月に発足した私共新執行部も会員皆様 のおかげをもちまして何とか職責をまっとうし てきております。地区医師会の活発な活動が県 医師会の活力の源であり、地区医師会を支える のは医師会の最小単位の各班の活動です。定期 的に会長会議を引き続き開催するとともに、地 区医師会、各班訪問を計画したいと考えており ます。

平成19年が会員の皆様にとって明るい希望 に満ち溢れた1年になりますように祈念して年 頭の挨拶と致します。

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