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2006 年世界医師会参加

比嘉國郎

豊見城中央病院
理事長 比嘉 國郎

先ず最初にお断りしますが、世界医師会議当 日、体調をくずし出席出来ませんでした。報告 致し兼ねますので日医ニュースをご覧下さい。

10 月9 日出発成田国際空港17:00 集合予定で したので、吾々夫婦は香港で待ち合わせる計画 を進めていましたが近い筈の運賃がかなり高い 事が分かり少々逆コースになるが、羽田経由で 成田に向かう事にしました。18:45 発ANA 機で 一路香港へ4 時間30 分の飛行時間です。香港 23:50 発南アルフリカ航空機に乗り、目的地ヨ ハネスブルグへ向かう飛行時間13 時間30 分の 長旅、時差7 時間ですから、目的地へ午前7 時 全員元気で到着、大型バスに乗り込みヨハネス ブルグ市内及び首都プレトリアを見学して開催 地ピラネスバーグへ、車で2 時間30 分のロング ドライブでした。メインストリートは完全舗装 で日本と同じ左側通行でした。ヨハネスブルグ 周辺は日本同様車で渋滞でした。

ドイツ車が目に付きました。無論、日本車も 走っています。南アフリカはヨーロッパと変わ らず大都会です。アパルトヘイト政策廃止後、 ヨハネスブルグは治安が悪く、白人は全員が逃 げ出し、ゴーストタウン化して居まして、吾々 も車の中からの見学でした。警察も手がつけら れない状態の様です。季節のジャガランダの花 が満開で吾々の心を和ませてくれました。その 花を観る観光ツアーもあり、日本からもかなり の人が参加していると聞きました。現地時間10 日の夜は恒例の日本医師会会長招宴に参加致 し、唐澤会長が当然ご参加頂けると思って楽し みにしたが、のっぴきならぬ公務で不参加と会 場で初めて宝住・岩沙両副会長から話が伝わり ました。遠い為か参加者は例年になく少なく淋しい思いもありましたが、少ないなりにアット ホームな雰囲気で楽しい夕べの一時を過ごす事 が出来ました。そして10 月11 日オプショナル ツアー参加、吾々のグループはたった5 人の仲 間でアフリカ最南端のケープタウンへ出発、飛 行機で2 時間要しました。有名なテーブルマウ ンテンを見学ロープウエイで登りますが標高 1,080 余も有るそうです。山は如何にも人工的 に造られた山という印象が強く、石を幾重にも 積み上げられ今にも崩れ落ちそうな岩盤です。 頑強との事、テーブルマウテンから見る街は絶 景で大変美しい大都会です。そして、海の前方 に小さな島が見えました。伺いましたら後に大 統領になったマンデラ氏がアパルト解放運動中 に逮捕され18 年間も幽閉されていたロベン島 ですと説明してくれました。10 年前にアパルト ヘイト政策が開放され、その後社会復帰と大統 領選で当選された偉人であります。現在は隠居 中ですが85 歳で健在との事です。

ジャガランダの花をバックにして

ロベン島は現在は日帰り観光地として有名 で、博物館があって当時の面影を残している様 であります。ケープタウンで一泊し、翌日はケ ープ半島見学、先ずホルダーズビーチで無数の ペンギンを見る。至る所に穴を掘りそこに卵を 産み子育てに励む様です。餌付けではなく、保 護地域として設定し、自然にペンギンが住み着 く様になっています。沿岸は餌が多く集まって くる一因でもあるという事です。昼食をすま せ、喜望峯自然保護区へ向かう入園時許可が必 要で、入園料を支払ったかどうかは不明。その 中に喜望峯とケープポイントがあります。保護 区には多くの植物や鳥類がいます。吾々はダチ ョウやバブーン(ヒヒ)等を観察する事が出来 ました。最初にケープポイントへケーブルカー に乗って頂上へ、突端に灯台がありますが霧が 深く見えない為現在では使用されず、下の方へ 移動してその機能を発揮しているとの事でし た。ケープポイント展望台は、大西洋と印度洋 の分岐点で海流がぶつかって渦を巻く様子も見 られるとの事でしたが、残念ながら吾々は見る 事が出来ませんでした。又、海流のぶつかりで霧が発生しやすく、瞬時に霧に包まれ多くの観 光客は綺麗な景色を観る事が出来ませんが、幸 に吾々は晴天の下でケープポイントからの大西 洋と印度洋の合流域を観る事が出来、ラッキー でした。私自身、ケープポイントが喜望峯と思 って居ましたが、直ぐ近くのそれより低い突端 が喜望峯と説明を受け、ちょっと腑に落ちませ んでした。なるほど現場に行きましたらcape of good hope(喜望峯)の看板がたっていまし た。周辺は石ころで一杯、持ち帰る事は禁止さ れていると言われ遠慮しました。海流のぶつか り場所だけあって風が強く荒波でした。すばら しいケープタウンの思い出を脳裏に一杯つめて ヨハネスブルグへ戻る。10 月13(金)夕方よ りアフリカ医師会主催のゲームドライブへ参 加。野生の猛獣初め多くの動物を見学する事が 出来ました。猛獣はライオンが主でしたが3 〜 400m 程離れた所から見るので小さく、恐怖心 はありませんでした。幸い二箇所で見る事が出 来、子連れのライオンも見ました。ライオンの 群れを見る事が出来ない観光客も多いとの事、 吾々はラッキーという事になります。そしてい よいよ10 月14 日(土)WMA 主催の晩餐会で だし物は全くなく、静かな宴会でした。

10 月15 日はビクトリアフォールを見学の為 ジンバブエへ飛び、隣国のボツワナへ移動。チ ヨベ国立公園宿舎に一泊、夕方チヨベ川を遊 覧、川辺に象が6 頭水飲みに来ていて目の前で しばらく彼等のしぐさを見学した。大きなワニ も見ました。又、水牛の大群も見ました。その 川はビクトリアフォールの支流という事で、川 というより湖の感を私はいだきました。静かで 水が流れている様には見えませんでした。そし て翌早朝サファリードライブ。幸運にもライオ ンが3 頭川辺に居ました。比較的近くで見る事 が出来ました。満腹していたのでしょうか、の んびりと横たわっていました。圧巻は象です。 吾々の車の直ぐ前を二頭が通り過ぎました。正 直言ってちょっと怖かったです。運転手があの 象は興奮して居ませんので心配いりませんと説 明してくれてホットしました。余りの大きさに 圧倒されました。2 時間ばかりサファリードラ イブし、多くの野生の動物を見学出来満足しま した。

ピラネスバーグナショナルパーク入り口

10 月16 日最後の目的地ビクトリアフォール を見学の為ジンバブエへ戻る。ビクトリアフォ ールズに一泊、滝の発見者であるリビングスン 氏の銅像を見てビクトリアの滝を見学、4 月より渇水期で全く雨が降らず滝の半分はから滝、 半分は轟々と水しぶきをあげて流れていまし て、三大滝の一つだけあってかなり水量があり ました。2 キロばかり歩きましたので大変くた びれました。しかし、待望の滝も見学できまし たので疲れは吹っ飛んでしまいました。心を満 たしヨハネスブルグへ戻り、当日香港経由で帰 るためにチェックインカウンターへ行きました ら、満席で乗れません。吾々のガイドは困り果 て、詰め寄るもどうにもならない。責任者にも 接渉したがやはり満杯。つまり、オーバーブッ キングしているのです。

よくある話の様である。私は翌日10 月19 日 は病院の地域医療支援病院の祝賀会があり、大 変困りました。どうしようもない。致し方なく 国際電話をいれて飛行機の都合で19 日には帰 れないのでよろしくと病院へ伝えました。ヨハ ネスブルグのホテルに一泊する事になり、航空 会社のお世話で一流ホテルに宿泊出来ました。 疲れを癒す意味では良かったと思っています。

翌19 日は確実に乗れるようにガイドは朝か ら空港へ行って席の確保に懸命の努力をしてく れまして、1 日遅れの10 月20 日夕刻無事帰沖 してほっとした所です。次回の世界医師会総会 はデンマークとの事です。