沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 7月号

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編集後記

雨が降り続いている。今年の沖縄の梅雨は例 年の倍以上の雨量であり、6月にしてすでに去 年の降雨量を超えたとのこと。雨の日の楽しみ は活字を読むに限る。今月の本誌は掛け値なし に読み応えのある記事が満載である。

永山孝先生の「福島県立病院産婦人科医師逮 捕起訴について」の読者は、新聞報道だけでは何 が起こっているのか良くわからなかった事柄が 十分理解できたのではないか。日本の産婦人科 が萎縮医療の方向に向かわないことを切に願う。

大山朝賢先生の「受動喫煙の影響」、禁煙に対 する抵抗はまだまだ根強い。油断大敵。

新臨床研修制度のコーナーは、ボリュウムた っぷりの労作である。じっくり読んでいただけ れば若い人達の生の声が聞こえてくるであろう。 他の地方の県が研修希望の人数が少なくて嘆い ているのに沖縄が一学年140名もの多数の研修 医を集めた秘訣もわかるに違いない。圧巻は宮 城征四郎先生の文章である。人を変えたいと思 えばまず自分が変われ!ということだろう。

金城國昭先生の発言席の「沖縄県警察嘱託医 会について」、医学の分野ではあまり脚光を浴 びない地味な仕事(しかしテレビドラマでは時 としてヒーローになりうる)である。しかし、 社会を支えているのはこの様な裏方の方々であ ることは忘れてはなるまい。

特別寄稿の大湾知子助教授のICN、病院組織 を横断的に支える仕事、この部門のレベルが病 院のレベルを規定するといっても過言ではない だろう。

生涯教育の徳嶺譲芳先生の独特のこだわりと 深く深く物事を追求する性格は、周りの者は誰 でも知っている。その性格がなせる秀逸の一編 というべきか。

プライマリ・ケアの潮平芳樹先生はRAの最新 の知見を平明に解説して下さっている。感謝。

インタビューコーナーの安次嶺馨先生、県民 のみならず医師会の方々も新病院には多大な期 待を抱いている。広報委員会としては、とりあ えずは新病院の小児部門の方々の専門性や先進 性がわかる記事を各先生にお願いしていきたい と考えている。こうご期待。

随筆の城間清剛先生の「クオリアと精神医学」 は、さすが精神科医は我々が何の疑問も持たず に当然のこととして受け入れていることを深く 掘り下げていてみごとである。「泰山登頂記」は 2回にわたる労作であり読み応えがあった。稲 福薫先生の体力、精神力に脱帽。


他の記事にもふれたいが、そろそろ紙面が尽 きようとしている。取り上げられなかった筆者 の方々にも深謝して筆を置きたい。はるか天空 にダムでもあるのかと思わせる程雨が降り続い ている。この号が読者諸氏に届く頃には梅雨は 明けているだろうか。

広報担当理事 村田 謙二

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