医療法人陽和会南山病院 古謝 淳
この1年近くで、計4回、家族旅行に行かせて もらった。「仕事はどうした」、「借金もたくさん あるだろ」など、いろいろ言われそうだが、そ の都度理由をつけて行ってきた。まず、「せがれ の十三祝い」、次に「連れ合いの恩人のお見舞 い」、「連れ合いとせがれの誕生祝い(で宿泊券 をいただいたので…)」、そして今回、せがれの 卒業祝いと。家族のためと言い訳しているが、 実は一番行きたがっているのは自分なのだ。
私は出不精である。学生の頃から、つきあい 悪いやつだと思われているはずである。事実、 あまり多くの人がいる場所は苦手であるし、で きるなら避けたいと思っている。今回は本題で はないので詳細は省かせて頂くが、周囲に対し て自分は劣等感を抱いているからだと思う。で も家族での外出は大好きである。周りを気にし ないで心地よい時を過ごせる。出かけた場所で 感じたことを共有できる。そして大切な思い出 になる。それは自分のでもあるし、連れ合い、 そしてこれから成長していくせがれにとっても そうなってほしい。
今年は3 月下旬に、西九州旅行(主に鹿児 島、長崎)を敢行した。
鹿児島へは、せがれにたびたび連れて行って もらった。コンクール、十三祝いなど。みなよ い思い出である。沖縄とは違った雄大な風景。 ゆったりと流れていく時間。夏も冬もどっしり としている。ほっとする感じ。
前回は大隅半島も薩摩半島もじっくり回った が、今回はこちらがメインではないので、薩摩 半島を一回り。鹿児島市街地から南九州道で半 島を横断し、吹上浜、枕崎と足早に巡る。前週 開花したという桜が咲きそろってきたようで、 ソメイヨシノを初めて見たせがれともどもその 見事さに感動。鉄道も好きな私たちは、枕崎駅 (駅舎が取り壊されていたのにはがっかり)、西 大山駅(前回訪問時の快晴と違って、雲のかか った開聞岳だったけれども、菜の花が咲いてい てこれまた感動)へ。あいにく列車の本数が少 ないので、車での訪問である、いつか鹿児島中 央からゆっくり列車に乗って訪れてみたいもの だ。そして指宿スカイライン、九州道、長崎道 と駆け抜けて、長崎へ到着。
長崎へは、せがれは初めて、連れ合いは修学 旅行以来の訪問。中学に入学する歳になり、歌 手の「さだまさし」さんにはまっているせがれ (私の影響なのだが...)は、昨夏の南関東旅行で も、まず、彼がオーナーのご飯屋へ行きたいと 希望したくらいである。一度は彼の出身地の長 崎へ行ってみたいとかねてから熱望していた。
おそらく修学旅行などで行くであろう場所は 優先順位を下げ、さださんゆかりの地を中心に 行く先を決める。午前中、出島商館跡、車が通 れない(歩行者専用道路)区間のある国道324 号線と歩き、おなかをすかせてから今回のメインの一つ、「自由飛行館」(ここもさださんのお 店)でランチを。午後から車で大村湾沿いを北 上、「詩島」(さださん所有の島)を臨む浜辺に 寄ってから、西海、佐世保へ。西海橋公園も、 ほぼ満開の桜が見事。佐世保では弓張展望所 (九十九島と佐世保軍港がよく見える)と、佐 世保駅(JR最西端の駅)へ。そして夕刻に長崎 市街へ戻り、稲佐山へ(毎年8月6日に平和祈 念コンサートが開催される…今年の20回で終了 とのこと、是非行きたいのだが)。以前昼に登 ったことがあったが、今回は長崎市街のすばら しい夜景を満喫できた。
そして翌朝、「ナガサキピースミュージアム」、 そして土産品店「雨やどり」に寄ってから、帰 路についた。
私の心には、幼少時に、親が伊江島へ連れて 行ってくれたことや、やんばる路へドライブに 連れて行ってくれたことなど、今でも大切な思 い出として残っている。今回の旅行を、いつか せがれが大きくなったときに、心地よいものと して思い出してくれるだろうか。また一緒に旅 したいと思ってくれるだろうか。もう中学に入 ったから、親なんか相手にしてくれなくなるの かなぁ〜…
写真1.国道324号線:アーケード、車両通行ができない国道です。
写真2.自由飛行館
写真3.サクラ:西海橋公園でのサクラです。
★リレー状況