緑内障
樫本大作/三愛眼科(2020年8月12日掲載)
早期発見で適切治療を
「緑内障は手術もできないし、治らないんですよね?」。私が患者さまからよく聞かれる質問です。目の病気では知名度が高い「緑内障」ですが、どういう病気なのかはあまり知られていないようです。
緑内障は、進行すると視野(見える範囲)が欠けていずれは失明する可能性のある病気で、30~40人に1人がかかるといわれるほど、近年増えている病気です。初期の段階では視野が欠けた部分を脳が自動補正するので自覚症状に乏しく、かなり進行するまで気付かない人が多いです。
「緑内障は眼圧が高くなるのでは」。これもよく聞かれます。緑内障には目が痛くなるほど眼圧が高く失明に至りやすい「閉塞(へいそく)隅角緑内障」、眼圧はそこそこ高いが自覚症状に乏しい「開放隅角緑内障」など幾つものタイプがあり、中でも圧倒的に多いのが「正常眼圧緑内障」で、眼圧が正常なのに緑内障という病態です。皆さんがチンプンカンプンになる前に…。人それぞれに適切な眼圧があり、何らかの原因で眼圧がそれよりも高くなると緑内障になりやすくなるということです。
沖縄県民は生まれつき「狭隅角」(図1参照)といって眼内を循環する栄養水の排水口が狭い人が多いといわれ、狭隅角がある人は急激に進行する閉塞隅角緑内障になる恐れがあり、治療が遅れると失明を免れても重い後遺症が残る可能性が高くなります。
唯一の治療は眼圧を適切な値に下げることです。ほとんどの場合は点眼治療で十分ですが、最近では短時間で成功率の高い手術も開発され、病態に適した幅広い治療ができるようになってきています。
緑内障は早期発見が重要で、適切な治療を続ければ失明は避けられます。経験のある眼科医なら痛くも怖くもない検査で視神経や網膜の状態を診れば、緑内障の有無は簡単に判断できます。また人間ドックで「視神経乳頭陥凹拡大」と指摘されれば要注意です。狭隅角は検査でしか判断できませんので、とにかく一度眼科医に相談してください。