風疹と妊娠

古堅善亮・古堅ウィメンズクリニック(2019年3月20日掲載)

感染経路、最多は職場


 風疹は麻疹(はしか)より症状が軽いため、普段の生活ではあまり重要と思われな い感染症です。しかし妊婦さんにとっては非常に重要な感染症です。


 風疹に感染すると、2~3週間くらいの潜伏期間のあと発熱、発疹や首の周りのリ ンパ節の腫れなどが出ますが、3日ほどでおさまります。しかし妊娠初期に感染す ると、胎児の眼(め)や耳や心臓に障害をもたらし、脳の障害が起こることがあり ます。


 それも妊娠初期であればあるほどその確率は高くなり、妊娠20週を超えればその 可能性はなくなるとされています。やっかいなことに15~30%の人は感染して も症状がなく、気付かれないこともあります。


 胎児への感染を防ぐてだてはありません。しかし予防法としてワクチンがあります。 昔は女子中学生への1回接種だけでしたが、現在、高校生以下はほとんどの人がワ クチンを2回接種しています。


 妊婦は妊娠初期に必ず風疹の抗体の検査をしていて、抗体が低いと感染する可能性 があるため分娩(ぶんべん)後に2回目の接種をすることが勧められています。風 疹のワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できないのです。


 しかし、2回接種しても抗体価が上がらない人もいます。そのため、妊娠する可能 性のある人の周囲の人へのワクチン接種が重要です。


 2013年の風疹流行時の女性の感染経路は職場が最も多く、次いで家族、夫から でした。昨年から本土の都市部を中心に流行が続いていますが、20代後半から5 0代の男性がその中心です。若い女性だけでなく男性にもワクチンを2回接種して 流行を起こさないことが重要なのです。


 MRワクチンといって麻疹と風疹の混合ワクチンがあります。抗体価を測定して、 低ければワクチンを接種するのが理論的に正しいのですが、検査せず接種しても問 題ありません。子供や孫のためにも、多くの人がワクチンを接種することが望まれ ます。

このページのトップへ