インフルエンザ
久手堅憲史・くばがわメディカルクリニック(2019年2月20日掲載)
薬は適切に使い分けを
この冬もインフルエンザの大流行が問題となっています。インフルエンザは、突然 に高熱が出て、強いだるさや食欲低下を伴うことが特徴です。
インフルエンザで死亡することがありますが、老人施設に入所している体力の落ち た方がほとんどで、一般の方が亡くなることはまずありませんので、過度に心配す る必要はありません。
発熱と同時に呼吸困難、血圧の低下、嘔吐(おうと)、頭痛、意味不明な言動など の症状がある場合には、すぐに救急病院への受診をお勧めします。発熱だけでは生 命に危険のあることはまずありません。不必要と思われる救急受診は避け、救急病 院の負担を減らすべきと考えます。
小児では「小児救急電話相談」(#8000)で、すぐ病院に行くべきかどうか専 門家からのアドバイスを受けられます。
同居するご家族や入所中の施設内でインフルエンザの患者さんが発生した場合、6 5歳以上の高齢者、気管支喘息(ぜんそく)、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、慢 性心不全、糖尿病、免疫系を抑制する薬(免疫抑制薬)で治療中の方などは、イン フルエンザにかかると重症化する恐れがあります。そのため、予防的にお薬を飲ん でいただくことをお勧めします。
インフルエンザのお薬には飲み薬、吸入薬、点滴の3種類があります。最近、新薬 が話題になっていますが、これはこれまでの薬と効果に明らかな差がないと報告さ れています。一方、薬が効かないウイルスを増加させることが問題になっています。 状況に応じた薬の使い分けが大切であると考えます。
WHOは世界規模の課題として、各国に抗微生物薬の適切な使用を要請しています。 抗微生物薬というのは、いわゆる抗生物質やインフルエンザ薬のことです。
抗微生物薬を不適切に使用すると、薬の効かない菌が増加して感染症の治療が困難 となるため、薬を適切に使用することが、現在の医療の課題となっています。