麻疹流行を防ぐ
椎木創一・県立中部病院(2019年2月13日掲載)
ワクチン接種が有効
今流行(はや)っているものといえば、誰しも「インフルエンザ!」とお答えになるでしょう。では、昨年沖縄で流行った感染症は何でしょう? 発生から1年が過ぎようとしていますが、沖縄では麻疹(はしか)のアウトブレイク(集団発生)がありました。県内で99名の患者が発生して、報道でも大きく取り扱われました。
実は、その後も日本各地で麻疹アウトブレイクは発生しています。日本は2015 年に麻疹排除国としてWHO(世界保健機関)から認定されているのに、どうして 流行るのでしょう?
ここで、なぞかけです。麻疹とかけて、空港のスプレー缶と解きます。その心は、 どちらも機内持ち込みに注意が必要です。麻疹は世界で見れば東南アジアなどを中 心にまだまだ流行している国が多く、そうした国から旅行者や帰国者が国内に持ち 込まれるのです。
麻疹はウイルスが起こす病気で非常に感染力が強く、同じ部屋にいただけで感染を 起こすことがあります。発症当初は風邪と似ており見極めは難しく、そこで診断が 遅れると、知らないうちに周囲の人々に感染が広がります。自然に治ることもあり ますが重症の肺炎を起こすこともあり、特に妊娠されている方や乳児、免疫の弱っ た方々が罹患(りかん)すると危険です。
こう聞くと心配になるかもしれませんが、とても有効な予防方法があります。それ がワクチン接種です。麻疹ワクチンは性能が高く、1歳以上で2回接種できていれ ば、かなりの確率で発症を防ぐことができますし、発症しても多くの人に感染を起 こす事態を避けられます。
現在の子供世代は接種されていることが多いのですが、実は成人世代には接種が十 分でない方々が多くおられ、その方たちの間で昨年も麻疹が拡大しました。
沖縄での次の麻疹流行を防ぎながら観光県としてさらに発展するために、今こそ大 人の方々の麻疹ワクチン接種を進めましょう。そして風疹も同様に大人で広がる感 染症ですので、同時に風疹ワクチンもすれば安心が増しますね。