心不全の予防
洲鎌盛一・牧港中央病院(2019年1月23日掲載)
普段の生活、食事に注意
心不全という言葉を時々耳にすると思います。わかりやすく定義すると「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり命を縮める病気」です。
心臓が悪くなる病気にはたくさんの種類があります。狭心症、心筋梗塞、弁膜症、高血圧性心筋障害、不整脈(心房細動など)、大動脈疾患、心内膜疾患などです。病気になった心臓の筋肉は、血液を全身に送るポンプとしての役目ができなくなります。その結果、命を縮める心不全が発症します。
心不全が大きな問題となっている理由があります。高齢化社会の進展に伴い、入退院を繰り返す重症な高齢心不全患者が年々増加しているのです。日本全体の心不全患者数は推計で2005年に100万人でしたが、20年には120万人に達すると報告されています。
最近の厚生労働省の人口動態統計で、死因別死亡数は悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患、老衰、肺炎の順と報告されています。がんに次いで多いのが心疾患で、その多くを心不全が占めています。命に関わる心不全を予防するために、普段からできる大事なことがあります。
心不全に関して厚生労働省から進行ステージごとのリスクが示されています。心不全を発症していない初期の段階での危険因子(リスク)が高血圧、動脈硬化、糖尿病などです。結局のところ、初期段階の心不全発症の予防は高血圧、糖尿病を予防するところから始まります。
塩分を取りすぎず、野菜、魚、肉、海藻類、果物、ご飯などバランスの取れた毎日の食生活が大切です。また、ストレスをためない生活の工夫、適度な運動、良質な睡眠、禁煙も心不全の予防になります。
日常生活で息切れや体のむくみ、動悸(どうき)などを自覚した時は、早めの病院受診をおすすめします。入退院を繰り返す高齢者心不全患者をつくらないように、医療と介護の連携システムづくりも必要になってくると思います。