頸原性頭痛

佐久田治・佐久田脳神経外科(2018年12月19日掲載)

頸部MRIで首の検査を


 現在、頭痛に対する画像診断として頭部MRI検査が主に行われています。MRI検査は脳の断面を見る検査(頭部MRI)と脳の血管の状態を調べる検査(頭部MRA)からなります。


 頭部MRIでは脳腫瘍や脳出血、脳梗塞など脳の異常の有無を調べます。頭部MRAでは脳の血管を写しだし、クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤(りゅう)(血管のこぶ)や脳梗塞の原因となる血管狭窄(きょうさく)(狭くなっていること)など脳血管の異常の有無、また頭痛との関連を調べます。


 これら頭部MRIや頭部MRAを行っても診断できない頭痛があります。その一つがストレスが原因とされる緊張性頭痛で、もう一つが首の病気が原因で起こる頸原性(けいげんせい)頭痛です。両方とも重く頭が締め付けられるような頭痛ですが、症状からは区別が困難です。


 私たちの頭の側頭部(耳の周囲~上方)から後頭部の皮膚・筋肉・血管には首(頸髄(けいずい))由来の神経が分布します。それが変形性頸椎症や頸椎椎間板症など首の病気で不調になって起こるのが頸原性頭痛です。


 片頭痛の患者さんに頸原性頭痛が加わると、ズキンズキンする拍動性頭痛と重く締め付けられる頭痛が同時あるいは交互に起こります。その際は片頭痛の悪化ないし混合性頭痛(片頭痛と緊張性頭痛が合併した頭痛)と診断されることがあります。そして、筋肉を柔らかくする筋弛緩剤(きんしかんざい)や片頭痛治療薬などが処方されます。


 しかし、頭部MRI・MRAに追加して首の断面を見る頸部MRI検査を行って頸原性頭痛と診断された場合は、投薬治療は行わず、まず頸部の理学療法(牽引(けんいん)療法、温熱療法、電気刺激療法など)が行われます。それのみで頭痛が改善する患者さんが多くいます。


 もし、あなたの頭痛が首の違和感を伴っている場合、より正確な検査が行われ、また不要な服薬を避けるため、医師や看護師の問診や診察の時点で、首の症状について申し出てください。

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