風疹流行に備える

奥平忠寛・奥平産婦人科(2018年10月3日掲載)

妊婦の周囲は予防接種を


 今年5月に沖縄県で麻疹(はしか)の流行が起こりましたが、今度は首都圏を中心に風疹(三日はしか)が流行しています。国立感染症研究所感染症疫学センターの報告によると9月5日までの間に362人が感染しており、感染の拡大が懸念されています。


 風疹は、発熱・発疹・リンパ節のはれなどを症状とするウイルス感染症です。ほとんどは軽症ですが、まれに重症となる人もいます。一番の問題は、妊娠20週までの妊婦が感染した場合、一定の確率でお腹(なか)の中の赤ちゃんに難聴、白内障、心臓病などの「先天性風疹症候群」を引き起こすことです。


 予防接種が行われるようになって以降、風疹の大きな流行は発生しませんでしたが、13年に大流行がありました。1万4357人が感染し、「先天性風疹症候群」の赤ちゃんも45人報告されました。


この流行の背景として抗体を持っていない成人の存在が指摘され、特に30~50代の男性に抗体を持っていない人が多いことがわかりました。職場を中心に流行し、その後妊婦のいる家庭に持ち込まれるケースが多かったのではないかと指摘されています。


 妊娠している女性、または妊娠している可能性がある女性は風疹ワクチンを接種できません。またワクチン接種後は2カ月の避妊が必要だと言われています。これは風疹ワクチンが弱いワクチンが入っている生ワクチンなので、体内で増殖して胎児に感染する可能性があるからです。


 そのため、妊婦の周囲の人が風疹にかからない、うつさないことが大事となります。


 100%ではありませんが、風疹はワクチンを打つことで予防できるとされています。1回接種より2回接種がより有効です。ワクチンの接種スケジュールは世代によって違うので、可能であればご自分の母子手帳を確認してみましょう。


 現在、沖縄には世界中から観光客が来ています。麻疹がまた流行する可能性もあります。麻疹、風疹の流行に備えましょう。

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