なくそう過労死

中田安彦・愛聖クリニック(2018年8月15日掲載)

最大要因は長時間労働


 皆さん、「過労死」という言葉をお聞きになったことがありますか?


 過労死等防止対策推進法では「過労死とは業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡」と定義されています。


 過労死を防ぐためには(1)業務における過重な負荷を減らす(2)業務における強い心理的負荷を減らす(3)脳血管疾患や心臓疾患等の生活習慣病の予防対策を行う(4)精神障害の発生の予防対策を行う必要があります。


 業務における過重な負荷はさまざまなものがあります。最近の研究から、長時間労働は疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、さらに脳・心臓疾患との関連性が強いという知見が得られています。


 発症前1カ月間におおむね100時間、または発症前2~6カ月間にわたって1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと言われています。また、長時間労働は睡眠時間を奪うことによって精神的・肉体的疲労を蓄積させていきます。そのために長時間労働の削減が重要となってきます。


 業務における心理的負荷対策としては職場におけるメンタルヘルスケア対策やパワハラ対策が重要な柱となります。


 脳血管疾患・心臓疾患予防対策は、ほぼ生活習慣病対策(禁煙・バランスよい食事・運動の励行・良質な睡眠)と重なります。


 精神障害予防対策としては、精神的ストレスの軽減(あいさつすることでよい人間関係をつくる等)、労働者自身のストレス耐性強化(認知のゆがみの修正、考え方の修正)、ストレス解消法(リラクゼーション、ストレッチ、適度な運動、快適な睡眠、思い切り笑う、親しい人たちとのおしゃべり、趣味を持つこと等)等があります。


 過労死のない社会に向けて、労働者自身も事業所と一緒になって労働時間の短縮に励むとともに、健康的な生活になるよう努めましょう。

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