麻疹(はしか)・風疹の予防

石川隆夫・石川医院(2018年8月8日掲載)

大人もワクチン接種を


 沖縄県では3月20日、2014年以来の麻疹(はしか)患者の報告がありました。麻疹と診断された患者は発病中に本島を広範囲に移動し、多くの2~4次感染者が報告されました。中には乳児もいて、2001年以来の6カ月~1歳未満の乳児への任意接種を実施しました。ただ全報告例では20~40歳台が約70%を占めています。


 今回の流行を受け、沖縄本島中部のある消防署の救急隊員117人のうち、罹患(りかん)歴不明と麻疹ワクチン接種が1回以下の51人(22~59歳)に抗体検査を実施しました。十分な免疫のない10人(1人は自己免疫疾患あり)のうち9人(27~59歳)にMR(麻疹・風疹混合)ワクチンを接種しました。この消防署では15年ほど前から救急救命士の抗体検査をしていますが、毎年約20%は免疫がなく、ワクチンを接種しています。


 沖縄県では12~14年に風疹の流行もあり、患者のうち20~40歳台が約80%を占めていました。近年の麻疹、風疹の流行は大人が感染の中心となり、合併症で重症化、亡くなるのは乳幼児が多いのです。世界では麻疹ワクチンにより00~16年死亡者は84%減りました。それでも16年には約9万人が亡くなり、多くは乳幼児です。


 日本小児科学会は5月にMRワクチン接種推奨対象者について以下を提言しました。


 最優先は定期接種I期(1歳児)、II期(小学校入学前1年の幼児)。次に任意接種対象者=2回の定期接種未完了の未成年。0歳児、免疫低下など接種不適当者の児の両親、同居家族。妊婦の同居家族。医療、保育また教育関係者。海外渡航予定者。


 麻疹罹患歴のある者は接種は不要です。沖縄県では、観光客の利用する空港、宿泊施設、商業施設、飲食店や交通機関の職員も接種対象者だと思います。


 「はしかゼロプロジェクト」によると、ワクチン接種率が80%以下だと流行を阻止できない可能性が高いとのことです。予防接種をできない人を守るためにも、大人も予防接種をしましょう。

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