指定難病とは
祝嶺千明・しゅくみね内科(2018年8月1日掲載)
適切治療で病勢抑制も
皆さんは「世界希少・難病性疾患の日」をご存じでしょうか。いわゆる“難病”は一般に治療困難なまれな疾患を意味しますが、よく知られていません。そこで理解を深めることを目的に、毎年2月を中心に世界各地でイベントなどが開催されています。
この“難病”、本人や家族の負担が大きいため日本ではその多くが「指定難病」として国の研究や助成の対象になっており2018年5月1日現在、331疾患が対象になっています。厚生労働省のホームページを開くとその対象疾患が検索でき、助成制度の手続きの方法も記されています。
私はこれまで内科医として難病の方たちにも関わって来ましたが、まさか自身が難病の経験をするとは夢にも思いませんでした。
2年前のことです。突然倦怠(けんたい)感と吐き気で目が覚めました。風邪だろうと高をくくっていると、日ごとに具合は悪化、黒色の尿が出始めた時にはこれはただ事ではないと病院を受診。付いた診断は、急速進行性糸球体腎炎、1カ月間の入院を余儀なくされました。
急速進行性糸球体腎炎は、名前の通り急速に腎機能が悪化し、手当てが遅れると腎不全になってしまう国の指定難病の一つです。私の場合、一時腎不全状態になりましたが結果的に透析治療になることもなく改善し、現在では通常の診療業務も行えるまで回復することができました。
まれではありますが原因が不明で治療法が確立していない、後遺症を残すことがある指定難病ですが、自身の経験からは早めに医療機関を受診し適切な治療を受ければ、根治は困難でも病勢を抑え進行を遅らせることで後遺障害を減らすことが可能です。
外来診療中、私が鼻をすするだけでも「医者も病気をするの?」なんて聞かれますが、医者も人の子。“医者の不養生”という言葉もあるように病気もします。病気を抱え通院すること、薬を飲み続けることは大変ですよね。身をもって知ることができた貴重なこの経験を日ごろの診療に生かしていきます。