ウルトラ加工食品

今井千春・今井内科医院(2018年7月18日掲載)

便利だが、影の部分も


 みなさんはウルトラ加工食品って聞いたことがありますか? 耳慣れない言葉で宇宙食のような特別なものをイメージされるかもしれませんが、実は周囲でよく見かけるものです。


 私の学生時代に重宝したカップラーメン、ソーセージ、パック入りコーヒー牛乳、そしてレトルトカレーやハンバーグなどがそれにあたります。工場で大量生産され、しっかりと包装されて日持ちが良いものがウルトラ加工食品です。安くてお手軽、しかも美味(おい)しいものが多く、一人暮らしの時には頼りになりました。


 さらにアメリカで暮らしていた時のことです。アメリカは電子レンジでチンするだけで、ディナーが揃(そろ)えられるウルトラ加工食品先進国です。外食では美味しいピザとLLサイズのコーラにお世話になりました。常温パックで長期間保存可能な豆腐もあり日本食も堪能することができました。


 このように快適な食生活を過ごしていましたが、2年が過ぎた頃、影の部分に気がつきました。何と体重が10キロ以上増えていたのです! 実はこれは私だけの個人的な問題ではなく、スペイン からもウルトラ加工食品をたくさん摂(と)る人は太りやすいと報告があります。ウルトラ加工食品は砂糖や油脂分が多く、高カロリーであることが原因のようです。塩分も多く、高血圧にもなりやすいとの報告もあります。


 さらに最近フランス国立保健医学研究所から気になる報告がありました。10万余りの人を5年ほど追跡したところ、ウルトラ加工食品を1割多く摂取するとがんの危険が1割増えたそうです。今の若い人たちは人生100年時代となることが予想されます。小さい頃に慣れた味はとても影響力が強いものです。


 少しウルトラ加工食品とは距離を置き、新鮮な野菜やキノコ類、肉、魚をご家庭で調理し、家族みんなで食事を摂る回数を増やしてみるのはいかかでしょう。手間暇はかかりますが、きっと健康に良いと思いますよ。


 最後に…反省した私は今は無事、元の体重に戻りました。

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