されど膀胱炎

城間和郎・なごみ泌尿器科クリニック(2018年7月11日掲載)

甘く見ていませんか?


 膀胱(ぼうこう)炎は細菌などの病原体が膀胱内に入り炎症を起こす病気で、女性の方に多く見られます。排尿後半の痛みや頻尿、残尿感等の症状が多く、微熱はあっても高熱を伴わないのが特徴です。


 膀胱炎の診断は、尿検査で白血球や細菌が増えていることを確認します。細菌の種類を調べる培養検査と、細菌に対する薬剤の効果を確認する感受性試験を行う場合もあります。膀胱炎の原因となる細菌で最も多いのは大腸菌で、通常は抗生物質の投与で速やかに症状は改善します。


 ただし処方された内服薬を日数分飲み切らずに途中で中止してしまうと、症状は良くなっていても尿中の細菌は死滅しておらず、膀胱炎を繰り返す原因となります。処方された内服薬は全て飲み切り治癒確認の尿検査を受けてください。


 過去に抗生物質を何種類も処方された方では、抗生物質が効きにくい耐性菌に変化している場合があり、非常に治りにくいことがあります。特にESBLという抗生物質を壊す酵素を持つ細菌が増えており、外来での治療に苦労します。


 これらのことから、医師に処方された抗生物質を確実に内服することが大切です。自宅に残っている抗生物質を自己判断で飲んだりせず、症状を認めたら速やかに医療機関を受診するようにしてください。


 中高年の方が膀胱炎症状を繰り返す場合は、重大な病気が隠れている可能性もあるので注意が必要です。脳や脊髄など中枢神経系に基礎疾患のある方では、膀胱機能が悪くなり、気付かないうちに残尿が多くなることで膀胱炎を繰り返すことがあります。その他にも、血尿を膀胱炎と自己判断し様子を見ていた方から、膀胱がんや膀胱結石が見つかることも珍しくありません。特に、痛みや排尿症状を伴わない血尿は要注意であることをぜひ覚えておいてください。


 このように、膀胱炎のような症状であっても異なる病気が隠れている場合があるため、たかが膀胱炎と甘く見ず、医療機関を受診するようにしてください。

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