心房細動 見つけよう
玉城 徳光・恩納クリニック(2018年5月23日掲載)
自己検脈のすすめ
心房細動という不整脈を耳にしたことがあるでしょうか? 珍しい病気ではなく、高齢化に伴いその数は増加の一途をたどっています。元内閣総理大臣はじめ数名の著名人がこの不整脈が原因で重篤な脳梗塞を発症したという報道を覚えている方もいるでしょう。
心房細動は、心房が何らかの原因で不規則で速い収縮をすることで生じます。その不規則なリズムのために心房内の血液は流れが滞り、どろどろ状態になり血のかたまり(血栓)ができやすくなってしまうのです。
できた血栓が心房壁からはがれて心臓から飛び出すと、突然にして大変な事態が生じます。冒頭で述べた著名人は、左心房でできた血栓が脳に流れて行き太い血管を詰まらせ、重篤な脳梗塞を起こしたわけです。ところで、同じように心房細動を有していても、全ての人が同等に血栓を生じやすいわけではありません。弁膜症を持った人や高齢者・高血圧症・糖尿病の人、心不全・脳卒中の既往のある人の場合は、血栓ができやすく、治療の対象になります。
逆に、若くて(65歳未満)心房細動以外に基礎疾患を持たない場合は、血栓を生じにくく、治療による血栓予防効果よりも脳出血等の副作用のリスクが高いとされ、血栓予防の治療は行わないのが通常です。
心房細動の自覚症状としては、動悸(どうき)、息切れ、胸痛等がありますが、実は約4割の方は無症状であるということが分かっています。ですので、心房細動の早期発見のためには、自分で脈をとり、リズム異常に気づくことが重要です。
手のひらを上向きにし、手首の親指側を走行する動脈に、他方の手の内側3本の指を当ててみて下さい。「トン、トン、トン」と一定のリズムで1分間当たり50回から100回の範囲であれば問題ありませんが、てんでバラバラな脈拍として触れた場合は心房細動が疑われますので、最寄りの医療機関を受診し、心電図をとってもらいましょう。自身で脈をとれることが、脳梗塞の予防につながるかもしれません。