集団免疫95%以上を
浜端 宏英・アワセ第一医院(2018年5月16日掲載)
はしか”0”プロジェクト
沖縄県はかつて「はしか」に苦しめられていました。2001年の流行で9名の乳幼児の命が奪われ、沖縄県「はしかゼロプロジェクト」が発足しました。発足後、県内のはしかは激減していました。今回の流行は01年以降最も多い発生です。
プロジェクトは二つの対策があります。一つは発生時対策です。医療機関からはしか疑いの報告があると、24時間以内に遺伝子検査結果が出ます。この方式はわが国では沖縄県が初めて行っています。医療機関での確定検査は1週間以上かかりますので、この遺伝子検査は非常に画期的です。1日でも早く確定することで、感染者を減らすことができるからです。
今回のようにはしかの確定時には、誰から感染を受けて誰に感染させたかを追跡調査します。沖縄県の発生時対策は世界最高レベルなのです。
二つ目の対策は予防接種です。はしかワクチンの予防接種目標は95%以上となっています。これははしかが最大20名の人に感染させるところから来ています。20名中19名(95%)が免疫を持っていると感染が広がらないためです。
06年、はしかの予防接種は2回接種となりました。1期は1歳代、2期は小学校入学前の1年間です。ところが沖縄県はこの接種率が低く、特に2期は90%以下で、全国最下位なのです。そのためプロジェクトでは毎年5月に「はしかゼロキャンペーン週間」など対策を行っていますが、接種率は改善せず、今回の流行は予想されたことでした。 今回の流行では成人の患者も多くいます。1回の予防接種だけでは免疫が低下する人がいるためです。今後沖縄県からはしかを排除するためには、県内のはしかに対する集団免疫を95%以上に維持する必要があります。
まずはご自身の予防接種歴を確認いただき、1回しか履歴がない場合には予防接種を受けることをお勧めします。抗体検査を行うことも可能ですので、医療機関へご相談ください。