指導者も正しい知識を
宮良 美代子・美代子クリニック(2018年5月9日掲載)
スポーツと女性
平昌(ぴょんちゃん)オリンピック・パラリンピックも終わり「次はいよいよ東京!」です。近年、女性アスリートの活躍は目覚ましく、それに伴って婦人科領域でも、スポーツに関連した健康問題が注目されています。女性アスリートの3主徴(しゅちょう)と月経に伴う問題です。
女性アスリートの3主徴とは、利用可能エネルギー不足、無月経、骨粗鬆(こつそしょう)症の三つを指します。運動で消費されるエネルギーに見合うだけの十分な食事が摂(と)れていないと、身体の働きを維持するために必要なエネルギーが不足する状態になります。その結果、月経が止まり女性ホルモンも低下して、骨粗鬆症を引き起こしてしまいます。
3主徴があると疲労骨折が起こりやすく、特に10代の女性に発症率が高くなっています。将来を大いに期待されていたにもかかわらず骨折を境に納得できる成績を上げられないまま選手生活を終えてしまうということにもなりかねません。
当院にも、スポーツに絡んだ無月経の相談があります。特に体重を落とすように指導されている場合に多く、無月経となることなど気にもとめず、むしろ当然といった感覚の指導者もあり問題です。女性アスリートが自分の力を十分に発揮することができるように、本人もサポートする方々も月経や健康について正しい知識を身につけることが大切です。
無月経も問題ですが、もう一つ月経に関連した問題があります。女性は、月経周期に伴ってさまざまな体調の変化が起こることが知られています。女性アスリートにおいても同様で、コンディションや成績に影響を及ぼす場合があります。
そこで、月経前の体調不良や月経痛、月経量の多さなどを軽減する方法として、ホルモン剤を服用することがあります。ホルモン剤と聞くと副作用を気にする方もありますが、正しく使用すれば決して副作用の強い薬ではありません。海外では積極的に使われていて、トップアスリートの9割近くは低用量ピルを服用しています。今後日本でも増えていくことでしょう。